Entame Plex-エンタメプレックス-

【動画】早乙女太一がゲキ×シネ『蒼の乱』で魅せた新境地


“舞台には見に来た人にしか伝わらない、その人にしか見えない世界がありますけど、逆にこのゲキ×シネもそこでしか見えないものがたくさんある”

演劇を映画館で見る、そんな新感覚のエンターテインメント“ゲキ×シネ”最新作『蒼の乱』が5月9日(土)より公開となる。

今作は劇団☆新感線の座付き作家である中島かずきの物語を、劇団☆新感線の主宰である演出家:いのうえひでのりが壮大に描いた愛と感動、そして笑いをも内包する戦乱ドラマ。2014年に東京と大阪で上演された劇団☆新感線の舞台『蒼の乱』の映像化となる。

今回は天海祐希、松山ケンイチ、平幹二朗ら豪華キャストが集うなか、物語の中でも鍵となる帳の夜叉丸(とばりのやしゃまる)役を見事熱演した早乙女太一にインタビュー。彼自身、今作を通して新たな発見が数多くあったとか。様々な魅力溢れるゲキ×シネ『蒼の乱』について、いろいろと聞いてみた。

――まずは、今回の舞台に出演することになって率直な感想は?
「良かったなって感じでしたね。今回の舞台の前に劇団☆新感線の『髑髏城の七人』という作品にも出演させていただき、その後にまた呼んでいただけたことが素直に嬉しかったです」

――今作は舞台から映像へ、“ゲキ×シネ”という新しい形での展開になっていますが、これまで数多くの舞台を経験されてきた早乙女さんにとって、このコンセプトにはどんな印象をお持ちですか?
「舞台には見に来た人にしか伝わらない、その人にしか見えない世界がありますけど、逆にこのゲキ×シネもそこでしか見えないものがたくさんあると思いました。同じ作品ではあるけど、舞台と映像ではまた違った捉え方、感じ方になると思いますし。僕はこのコンセプトはすごく素晴らしいと思うし、楽しいですね」

――見ている側にとってはどちらも見たくなる、見比べたくなるのかなって思います。
「それはあると思いますね。ただ、僕は演じる側なので、生の舞台は見ることができないし、それがどう見えていたのかはわからないですけど、実際にゲキ×シネを見ることで新たな発見がたくさんあり、見ていてもすごく楽しくて。1人1人が舞台に立っている姿勢とか、そこに望む姿とか、お芝居だけじゃなくそういったことも感じられると思いました」

――今作では、物語の中でも重要な鍵を握る帳の夜叉丸役。普段から舞台でやられていると思いますが、今回の殺陣、アクションはかなり激しかったですね。
「そうですね。『蒼の乱』では、盆(舞台)がまわっていて、その中を移動しながら殺陣をすることが多く、とにかく走り回っていたような印象があります。だから、普通に殺陣をするよりも全然疲れました。あまりに走りまわって、呼吸ができないこともあり、舞台からはけたときにはすぐに倒れ込んでましたね(笑)。殺陣に関しては、やっぱり毎日同じことを行う大変さ、反復の重要性を改めて感じました」

――物語としても二転三転あり、すごく内容が濃い作品になっていますが、演じている上ではどうでした?
「僕が未熟なだけなんですけど……正直、ゲキ×シネを見て改めてわかったことも多くて。舞台では、他の人の演技や感情の流れを(舞台)袖やモニターで見ていたんですけど、繋いで見ることがなかったので理解しきれていない部分もあったんです。でも、それらを繋げて、自分が出ていないところも全て見たときに、物語もより深まったというか、見ていて感動しましたね」

――いろいろとクセのある帳の夜叉丸ですが、どういった気持ちで演じていました?
「今回はストレートなものではなく、裏があり、隠していることもあり、それでいて自分の考えもあったり、それだけにわりと考えていることが多い役でした。あとは、僕自身いろいろな人とコミュニケーションをとったり、人と人の間に立つ経験があまりなかったので、その大変さはありました。普段から人と人の間にいる方の様子を観察したりしてましたね」

――その一方で、劇中ではモノマネ的なことだったり、笑いの要素もふんだんにあって。あまり見たことのない早乙女さんの姿が新鮮でした。
「今回、初めて劇団☆新感線で指示されてないことをやるっていう、自分にとっては挑戦になることをやったんですよ。今までは余裕もなかったですし、とにかく言われたことをやっていたんですけど、もうちょっと自分でもそれ以外のことをやる勇気を付けたいなと思って。稽古の段階から台本にはない、いろいろなことをやっていたら、(劇団☆新感線の演出の)いのうえさんが“もっとやっていいよ!”って言ってくれて。そこから、自分でも意識が変わりましたね。舞台当日も、いのうえさんからこうしてみたらとか言われたり、芝居中も(黒馬鬼役)橋本じゅんさんが裏で近づいてきてアドバイスをくれたりとか、その日、その日でいろいろとやっていましたね」

――となると、舞台では毎日変化があったんですね。
「結構変わっていたと思いますね。今回のゲキ×シネは東京公演の模様が収められてると思うんですけど、その後の大阪公演はかなり変化していたと思います」

――では、早乙女さんなりのゲキ×シネ『蒼の乱』の見所を教えてください。
「舞台を見た人も、見ていない人も楽しめる作品だと思います。見た方は気付かなかったことを改めて知ることができると思うし、見ていない方は『蒼の乱』をまた別の形でわかりやすく楽しめると思いますし。見所としては、みんな1人1人個性ある方たちが大きなエンターテインメントで1つになる、一方でそれぞれ役者として舞台上で挑戦している姿からはいろいろ感じられるんじゃないかなって思います。そして何より、純粋に楽しめる作品になっていますね」

――このゲキ×シネを見ると、普段舞台は見ないって方も見てみたくなるんじゃないかなと思いました。
「そう思っていただけると、すごく嬉しいですね」

――今後も様々な作品が控えていますが、早乙女さんは今後どんな役者でありたいですか?
「お芝居に関しては、これからもずっと勉強していきたいですね。あとは、今まで自分がやってきた女形や殺陣、そういったいつ自分ができなくなるかわからないものを、できるだけ若くて元気なうちにたくさんやりたいし、日本人だけじゃなく世界中の方に見てもらえるようになればと思ってます」

――今回の舞台でも音楽的な要素が多く、ミュージカル的なところもありましたが、早乙女さん自身ミュージックビデオに出演され、音楽も好きとのことですが、音楽活動をしてみたいとかは思わないですか?
「ないと思いますね(笑)。僕は昔からバンドがやりたいっていう気持ちはすごくあって、一時期役者をやめてバンドをやろうかなって本気で思ったこともありました。でも、そのときに歌は自分が好きなものとしてとっておきたいなと思って。だから、今後も仕事で音楽はないと思います。それは個人的に楽しんでいたいですね(笑)」

<関連サイト>
早乙女太一オフィシャルブログ http://ameblo.jp/saotometaichi-blog/
ゲキ×シネ『蒼の乱』 http://www.aonoran.com