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スパイク・ジョーンズ×スタジオジブリ:鈴木敏夫、夢の対談に観客は大興奮


6月28日(土)公開の第86回アカデミー賞脚本賞受賞作品『her/世界でひとつの彼女』の特別試写会が、5月29日に都内にて開催され、上映後に来日中のスパイク・ジョーンズ監督とサプライズゲストとしてスタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーが登壇し、トークセッションを行った。

今回が初顔合わせとなる2人。笑顔で登場したスパイク監督は「日本でこの作品をお披露目できることをとても嬉しく思います。ジブリの映画は僕も大好きで、多くの作品を手掛けられている鈴木さんとお会いできる事をとても楽しみにしていました」と挨拶。これに続いて鈴木プロデューサーは「失礼な言い方ですが、今日僕は本当はここに居ちゃいけないんですよ(笑)実はこの夏公開の『思い出のマーニー』を作っているところなので。でも何故来たかというとスパイク作品の大ファンだから来たんです!」と話し、さらには「今年の3月にアメリカのアカデミー賞に『風立ちぬ』がノミネートされたから僕も授賞式に行ったんですよ。スパイク監督が脚本賞を受賞して舞台上でスピーチしているのを見て“うらやましいなぁ”と思っていました(笑)」と語った。

そして、本作についても「herは素晴らしい映画。人間がコンピューターに恋をすることが本当にできるのかって疑いながら観ていたけど“これはちゃんと成立してる”って凄く感動しました」と絶賛しつつ、「スパイク監督の描く主人公は、うだつの上がらないどこか社会から外れていることが多いけど、どうしてああいう主人公を選んで映画を作るのか、そこを一番聞きたかった」と質問すると、スパイク監督は「自分自身がそうしたタイプのキャラクターに共感するからだと思います」とコメント。本作とジブリ作品には共通点を感じると言い「例えば『千と千尋の神隠し』でも、普通の女の子が全然違う世界に迷い込んで、未知の力を発揮しなければいけなくなる環境に置かれますよね?」とのスパイク監督からの問いかけに鈴木プロデューサーは「確かに言われてみるとそうかな(笑)でも、スパイク作品は爆発のさせ方に狂気がある。そこが面白い」とスパイク作品を褒めちぎった。

また、本作のサマンサ役で声だけの出演という難しい役どころを見事に演じきったスカーレット・ヨハンソンに話が及ぶと、鈴木プロデューサーは「とても素晴らしかった。コンピューターに恋できるんだなって、この映画で僕自身が体験した。元々スカーレットが好きだったから、最初のうちは“何で声だけなの?顔も見せてよ”って思ってたけど(笑)。でも、あの鼻にかかった声がセクシーで、気が付いたら虜になってました」と話し、スパイク監督も「彼女は素晴らしい女優。この映画で彼女の魅力や本質が伝わったんじゃないかと思います。サマンサ役に命を吹き込んでくれたのは彼女だし、他の女優さんでは出来なかったのでは」と今回のキャスティングについて自信満々に語った。

最後にスパイク監督は「今日は来てくださってありがとうございます。鈴木さん、本当はここに居ちゃだめなんですよね!?(笑)」とジョークを飛ばすと「まぁまぁ(笑)ジブリの映画も面白いですが『her』はもっと面白いです!」と切り返す。すると、すかさずスパイク監督は「そんな事ないです!今日はご一緒出来るということでとても楽しみにしていました。ジブリ作品も大好きですが、鈴木さんの作務衣スタイルも大好きです(笑)」と言いながら握手をして会場をあとにした。

映画『her/世界でひとつの彼女』は、6月28日(土)より、新宿ピカデリーほかにて全国ロードショー。

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<関連サイト>
『her/世界でひとつの彼女』 http://her.asmik-ace.co.jp/
奇才スパイク・ジョーンズが新作をひっさげ4年半ぶりに来日決定 https://www.entameplex.com/archives/10914
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