８月１日、a-nation island内の代々木第２体育館にて、全国高等学校ダンス部選手権「DANCE CLUB CHAMPIONSHIP vol.3」が開催された。

今回で3回目を迎えるこのイベントは、全国高校ダンス部の頂点を決めるもので、100チームのエントリーから選出した36チームが出場した。ファーストステージではA・B・C・Dブロックから各３チームが選ばれ、ファイナルステージに進んだ12チームで決勝を争う。

各チームは作品テーマを「心射（ハートショット）」「龍神（りゅうじん）」など、漢字2文字で設定し、審査員はテーマの表現力、技術・構成・衣裳・チームワーク・パッションなどを審査する。優勝チームは来年度の同大会のシード権を手にし、特別賞にはなどの豪華特典を授与する。

会場には600組以上の出場者の家族や友人が詰めかけ、約2,500名の観客がステージを盛り上げた。所属する高校の制服も多く見られ、関係チームが舞台にあがると激励の声が飛ぶ。

オープニングアクトには16,000人から選ばれたavex Dance Master Dream Teamが姿を見せ、息のあったダンスで場を温めた。その後、ファーストステージがスタート。ディズニーの白雪姫を模した内容や孫悟空の姿で踊るなど、西から東、各地方のダンス部は思い思いの多彩なアイデアで自身を表現した。

また審査の合間には、ダンスジャンル「KRUMP」で知られるTwiggz Famや声優・福原香織と”オタク”ブレイクダンサーの融合ユニット・FUNCTION6ch、振付師mikey率いる奇天烈なダンスユニット・東京ゲゲゲイ、８月12日にavex Traxからデビューするlol（エルオーエル）がゲストダンサーとして登場。高いレベルのダンスで観客を魅了した。

ファイナルステージでは、選ばれた12チームが予選と同じパフォーマンスを披露しアピールする。決勝の審査員は予選と変わり、エイベックス・プランニング＆デベロップメントの代表取締役・青木義人氏やタレントで演出家・テリー伊藤などが務めた。

結果は第3位が、テーマ「音響（おんきょう）」の静岡県立浜松東高等学校。彼女らは特別賞の「エイベックス賞」とW受賞となった。審査員でプレゼンターのダンサー・SHU-YAは「ダンスの作品として雰囲気がかぶるチームもあったうちで、『スタンプ』というパフォーマンスが良い意味で目立った」と選考の理由を語った。ロックやヒップホップな内容が多いなか、足の裏で床を叩くダンス「スタンプ」をメインにしたことが目に止まったようだ。

第2位は、テーマ「滑稽（ピエロ）」の山村学園高等学校。ダンサー全員がピエロに扮し、ユニークなダンスを繰り広げた。予選から評判は高く、本人たちも自信があったのだろう。この結果に悔し涙を流した。これにテリーは「ピエロって人を笑わせることができる。すごく大切なことだと思んですよ。ですから準優勝ですが優勝の価値があると思います。だれかを微笑ませるのもダンスの魅力なんです」と励ましを送った。

そしていよいよ優勝が発表された。栄えある第1位は、テーマ「修羅（しゅら）」の大阪府立久米田高等学校。迫力のある衣装と凄みを感じさせるダンスで見事に勝利を勝ち取った。発表があった瞬間に歓喜の声をあげた代表選手は「この作品を演じ始めて約1年経ちます。なかなか賞をもらえなくて、苦しんでいて…この舞台で3回も踊れたことで胸いっぱいだったんですけど…一番良い賞をもらえてうれしいです。みんな、ありがとう！大好きです」と涙ながらに感想を述べた。

笑顔と涙で包まれた同大会。審査員によると年々、参加者とパフォーマンスの質は向上しているとのことだ。来年、さらなる進化を遂げた高校生たちに期待したい。

＜関連サイト＞
「DANCE CLUB CHAMPIONSHIP vol.3」 http://dcc.jsda.info/