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LiLiCo、これまで断ってきた映画出演をOKした理由、それは北村一輝と……

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白猫の玉之丞と浪人・斑目久太郎のコミカルな珍道中を描く“癒し系時代劇”「猫侍 南の島へ行く」が公開中だ。そんな今作で女海賊役としてパワフルな怪演を披露している映画コメンテーターのLiLiCoを直撃! 出演の決め手や久太郎を演じる北村一輝との爆笑エピソード、さらには『猫侍』シリーズの魅力や本作に出演したことで得たものなど、映画にまつわる様々な話を聞いた。

――今日は劇中の海賊の衣装ですね。出演の決め手も海賊のキャラクターということで?

「映画コメンテーターとしては、最初は映画に出ちゃいけないと思ったんですよ。それがルールだって。でも、事務所から『猫侍』の話が来ていると聞いて、ヤバイ! 北村一輝さんだと(笑)。大ファンなので北村さんと共演できるならOKしようと思い、まずは台本を読まないと始まらないと思って手に取ったところ、私のシーンの一行目が『男みたいな女が座っている』だったんです。その一行で“私しかいないわ”と思って出ることにしましたね」

――なるほど(笑)。確かにパワフルな点はLiLiCo姉さんっぽい!

「自分ではおしゃれだと思っているけれどちょっとトゥーマッチなところや、男をすぐほしがるけれどフラれるところはすごく似ていて。だから、役作りといっても髪の毛を切ったくらいで(笑)。北村さんもすごく優しくて、『何も考えなくていいから、現場で相談しましょう』とご連絡をいただいて。できるだけ無の状態でいこうかなと思いました。でも、こういう衣装を着るとその気になるもので、メイクで汚して結局、歯もこのザマですよ(笑)!」

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――映画を観ていても楽しそうな雰囲気は伝わりましたが、今作の制作のエピソードが何かあれば。

「すごく笑ったことは、私がメイクをしている時に北村さんが隣にいて、すごく見ていることに気づいたんです。(彼は)目力も濃いじゃないですか(笑)。さすがに数分たった後に『何ですか?』って振り向いたら、『LiLiCoさんって、外国人?』って。『そうです。スウェーデン人です』って答えましたが、いま?と思いますよね(笑)。『横から見ていて、鼻が高いなって思った』そうですが、『そこから!?』って思って大笑いしちゃいました」

――相当初歩レベルですよね(笑)。

「そうなんです(笑)。面白い方だなあと。『ショートショート フィルムフェスティバル』で審査員をしてくださって、何度か仕事でご一緒したことはありましたが、日本人だと思っていたんでしょうね(笑)」

――ところで、映画コメンテーターとして……という話題が出ましたが、これまでにも映画出演はいろいろとオファーがあったかと思いますが、それは断り今回は出演。『猫侍』は、それだけ魅力的だったと?

「正直、オファーは今まで腐るほどありました。でも以前、LiLiCoが出れば『王様のブランチ』で取りあげてもらえるって、聞こえちゃったんですよね。当然、そういう下心はあるでしょうが、口にしちゃいけないですよね。それって私じゃなくて、番組がほしいだけじゃんって。でも正直『猫侍』なので、お断りする理由がなかった。学びがあるはずだと思ったし、たまには撮影現場に入ってコメンテーターとして俳優さんの気持ちもわかりたい。私のほうが大人になったかなと思いますね」

――実際の撮影現場に行くことで初めて知る仕組みや景色があるんですね。

「そうなんです。内側を観ることで現場の仕組みや宣伝マンの仕事、キャスティングの事情などが知れるので、勉強にもなるじゃないですか。でも一番は、北村さんですけど(笑)」

――最後になりますが、『猫侍 南の島へ行く』を楽しみにしている方へ一言お願いします!

「私自身、いいモノを作るには、時間がかかるってことを改めて思いました。そして、今でこそMX4Dなどで映画を観てくださる人がいて、感覚がちょっとずつ変わっているとは思いますが、以前は(映画料金)1,800円が高いって言っていた。私はそもそも高いとは思っていないけれど、これだけ頑張って命がけで撮影しているものなので、やっぱり全然高くない! それに北村さんの顔芸、しゃくれ顔がすごいので、それだけでも観る価値ありますよ(笑)」

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(C) 2015「続・猫侍」製作委員会

取材・構成・撮影/鴇田 崇(OFFICE NIAGARA)

<関連サイト>
「猫侍 南の島へ行く」 http://nekozamurai.info
LiLiCoの「映画のような」人生……15年越しの成功には同郷・川上麻衣子の姿が https://www.entameplex.com/archives/21471