うしろシティ「いまのスタイルが一番面白いと思ってる」単独ライブDVD「すごいじゃん」インタビュー

2015.10.24

金子学と阿諏訪泰義が織り成す独特の世界観でみせるコントで唯一無二の存在感を放っているお笑いコンビ：うしろシティ。そんな２人が、今年６～７月にかけて東名阪と福岡で、単独ライブ「すごいじゃん」を開催。そのライブの模様を完全収録したDVD『うしろシティ第６回単独ライブ「すごいじゃん」』が好評発売中。今回、うしろシティの２人に単独ライブでのネタ作り秘話、さらには今後の野望（？）までを直撃！彼らの全貌に迫った。

――単独ライブDVD「すごいじゃん」では、とてもヘンな人間たちが登場していますね（笑）。いつも、ネタはどう作るのですか？

阿諏訪「ヘンな人とヘンな人を同じ空間に置くと、どうややこしくなるだろう？って、ことで始まることもありますね」

金子「不思議なもので、ヘンな奴同士を集めると、働きアリみたいになって。よりヘンな奴が普通のヘンで、ちょっとヘンな奴が普通の奴に見えるんですよ」

阿諏訪「どっちもヘンなのにね（笑）」

金子「そこを上手く、だましだましやっていますね、お客さんには普通の奴に見えるように」

――今回の「個展」のネタでは、会話の攻防、応酬が楽しかったです。

金子「「個展」みたいなシチュエーションの場合、出ている演者が自分で自分の舞台などをよくなかったと思っている場合、その時の“よかったよ”は、“コイツ気を使っている！”って、すぐ伝わっちゃうんですよ。僕も舞台とか観に行かせてもらうことがありますが、だいたいよくないんで自分に嘘はつきたくない。けど、相手に嫌な気持ちにもなってほしくない。では、どうかわすのか……そういうことが繰り返される、そんな想いをぶつけましたね」

阿諏訪「“お前が人を追いこんでいるんだぞ！”って想いです（笑）」

金子「だから切り抜け方じゃなくて、感想を聞いてくる方にDVDを観てほしいです」

――加害者ですもんね（笑）。
　
阿諏訪「そうですよ（笑）！」

金子「ただ、このネタのおかげで、単独ライブ後に関係者が挨拶に来てくれますけど、その時、皆“エアコンが、これどうかな？”って、かわしに来たことが辛かったですね（笑）。そうか、オレたちもかと（笑）」

――ヘンな人に追い込まれていく立場が、変わる場合がありますよね？「個展」では金子さんが追い込まれますが、阿諏訪さんが追い込まれるネタもある。その役割は、どう決めているのですか？
　
金子「ヘンな人を登場人物にする時に、どっちが演じると上手くいくか、を考えて決めていますね。嫌なやつばっかりでもないので」

阿諏訪「ヘンな人が被害者の場合もあるというか」

金子「「転校生」というネタで僕が演じている悪気がないような嫌な奴は、僕が担当することが多いですね。根も近くて、悪気なく悪いことしちゃうんですよ（笑）。単純に嫌な奴は、阿諏訪がやることが多い。それは単純に阿諏訪が嫌な奴だから」

阿諏訪「そんなことない（笑）。どっちが上手く演じられるか対決なんですよね」

――今回で言うと、「私の席」の阿諏訪さんもヘンな人ですからね。あの人も決してマトモではない（笑）。
　
阿諏訪「そうです。そうです（笑）」

金子「結局誰も信用できないんだなって。この世の中のすべてをネタにつめこんでいるんです」

――今後のうしろシティですが、どういう展望がありますか？
　
金子「僕らは、あまり変わらないと思います。結局、いまのスタイルが一番面白いと思っちゃっているので、ネタの構造とか仕組みでどうこうみたいなことは思っていないですね。昔は、“スタイルなどを発明したい！”“これはオレたちが見つけたんだ！”って、思った時期もありましたが、結果、そういう出し方が一番面白ければ、そうしますけど、そうではなかったみたいで……」

阿諏訪「僕たちが50歳くらいになったら見た目が本物になるので、もっと面白いですよね」

金子「街中で観たおっさんが面白ければ、それを舞台上に紹介するというだけのことで。そのヘンな人を100パー演じ切るようになりたいですね。まだね、どっかでコスプレなんですよ」

阿諏訪「50歳になれば本人ですからね（笑）」

金子「お客さんもテンション上がると思いますよ。“本人”に会えるわけですから。楽しみだなあ（笑）」

DVD『うしろシティ第６回単独ライブ「すごいじゃん」』は、好評発売中。

＜関連サイト＞
DVD『うしろシティ第６回単独ライブ「すごいじゃん」』（ポニーキャニオン） http://hp.ponycanyon.co.jp/short/sakuhin/PCBE000012119/
うしろシティ http://www.shochikugeino.co.jp/talents/03/post-423.html