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秋元才加「ストイックに自分の強さを求めていく姿はカッコいい」媚空を演じた彼女が想いを語る


雨宮慶太監督が生み出した超ロングヒットシリーズ牙狼<GARO>。そのシリーズ最新作にして10周年記念作品『劇場版 媚空-ビクウ-』の主演という大任を、女優の秋元才加が任された。自身が演じた闇斬師(やみぎりし)、女魔戒法師・媚空について、「己の私情を入れない態度は、すごくカッコいいなと思いました。そういう仕事ができたらいいなあと思いますね。そういうプロになりたい」と想いを新たにする彼女の決意とは――。見事に媚空を演じきった秋元に話を聞いた。

――このメモリアルなタイミングでの媚空は、シリーズを“託された感”がありますね。
 
「責任感を持って受け止められているかはわからないんですけど(笑)、ポスターに媚空だけで、キャラクターの名前が映画のタイトルになっていることも、すごくありがたいことだなあって感じています」

――キャラクター表現が豊かなになった分、心情的に重なり合った点などはありますか?
 
「媚空のセリフに“人の心はそれほど単純ではない”というフレーズがありますが、確かに世の中にはグレーなことってたくさんあるなと思いました。その中でも自分はこうありたいと、ひとつひとつ選択している主人公は自分自身ですよね。媚空にも弱い部分がたくさんあると思いますが、そういうことを押し殺しながらストイックに自分の強さを求めていく彼女の姿はカッコいいです。グレーな中でもどう生きていくかは自分次第なんですよね」

――本作の中の媚空を観ていて、彼女のように行動をしたいと思う瞬間がありました。
 
「GAROの世界は特殊に思いがちですが、本当の強さや優しさっていうことを考えさせられる点では、観終わった後に日常の世界に持って帰ってもらえるものがある作品だと思います。皆が共感できるテーマがあります。流されて生きていくことって簡単だけれど、かといって自分の思うように生きていくことも難しいです。自分の中でバランスを上手く取っていかなくちゃとも思いました。そのテーマを媚空を通じて表現できたかなって思っています」

――ご自分でも媚空という女性を通じて、今回想いを新たにすることがあったわけですね。
 
「お芝居をやっていて、自分の意見を相手に押し付けるだけじゃダメで、お互いに話し合うとか、中間点を探すことは大事です。日常でも折り合いをつけるとか、簡単な場面で重要になるテーマだと思います。後は、明日仕事で早いのに友だちにすごく楽しそうな食事会に誘われて、流されるか? 本当の強さ、自分とは何だ? みたいな葛藤(笑)。わたしは結局、そういう時は行かないので、媚空と似ていると思いますが(笑)。小さい話ですけど」

――小さい話かもしれませんが(笑)、今度大きな話になった場合、活きてくる例ですよね。
 
「小さいことですが、大事なことですよね。この小さな積み重ねが人間を作っていくじゃないですか。媚空も揺らぐ部分はたくさんあると思うけれど、仕事という部分に関しては自分に与えられた仕事をまっとうする。エンディングに近くなると、え? そういうことするの? みたいな大胆な行動にも出る。己の私情を入れない態度は、すごくカッコいいなと思いました。そういう仕事ができたらいいなあと思いますね。そういうプロになりたい」

――その点で言うと、秋元さんも、そういうタフなイメージが強いですけどね(笑)。
 
「そんなことないですよ(笑)。仕事の時だけはストイックですけど、それ以外は完全オフ。仕事はちゃんとやりたいと思っていますが、それだけでストイックかと言われれば、わからない(笑)。自分ではストイックかどうかわかってないので、無理をしている感覚はないですね」

映画『劇場版 媚空-ビクウ-』は、大ヒット上映中!

© 2015「媚空」雨宮慶太/東北新社
取材・構成・撮影/鴇田 崇(OFFICE NIAGARA)

<関連サイト>
映画『劇場版 媚空-ビクウ-』 https://garo-project.jp/BIKUU/
奴隷になってみたい願望も!? 女優として新境地をみせる秋元才加の本音に迫る https://www.entameplex.com/archives/12362