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斉藤由貴×川島海荷×宇梶剛士インタビュー! 内館ドラマ『ハートロス』撮影現場を直撃

「ペットロス」「あま(ちゃん)ロス」「タモロス」「西島ロス」「ましゃロス」etc…
心の中の絶対的存在や習慣がある日突然絶たれて(失って)しまい、その精神的ダメージから落ち込んだり、何をするにも張り合いがなくなり日常生活に支障をきたしてしまう、“ロス症候群”。

そんな“ロス症候群”をテーマに、内館牧子がオリジナル脚本で描いたCBCテレビ開局60周年記念スペシャルドラマ『ハートロス ~虹にふれたい女たち~』。物語は、名古屋の下町、円頓寺・四間道界隈を舞台に、平凡な主婦に訪れたある刺激的な日々、夢と現実の間で揺れ動く女性の想いをリアルに描いている。

今回、名古屋の撮影現場を訪れ、キャストの斉藤由貴、川島海荷、宇梶剛士、そして脚本の内館牧子4人にインタビュー! 今作や名古屋の魅力、さらには、作品テーマの“ロス症候群”について話を聞いた。
ドラマに舞台にCMに大活躍、まさに再ブレイク中の主演・斉藤の意外な“○○ロス”とは――?

――まずは、それぞれの役どころについて紹介お願いします。

斉藤由貴(以下、斉藤)「『深や』という味噌鍋屋の女将の役なんですけど、夫(宇梶)ともうまくいっていて可愛い娘(川島)にも恵まれて、順調に穏やかな家庭生活を送っているんですが、ふとしたことがきっかけで娘が夢中になっているミュージシャンと交流を持つことになって……。45歳にして恋心にも似たようなときめきを感じて気持ちが波立つ主婦・深谷桜子を演じています。青春時代を回顧したり、自分の女としての部分、母や妻としての顔など、自分の中でいろんな気持ちを抱えながら、最終的に自分にとって一番大切なものに気付くという役どころです」

宇梶剛士(以下、宇梶)「自分は斉藤さん演じる桜子の旦那役です。一貫して妻のことが大好きというキャラクターです」

川島海荷(以下、川島)「わたしは、その2人の娘・祐子役です。あるミュージシャンの大ファンで追っかけをしているという熱狂的な女の子です。その一方、地元をすごく愛していて、地域を盛り上げようと街づくり会という活動もやっていて、正義感の強い一面も持っています」

――数日前から名古屋での撮影がスタートしたそうですね。

川島「まだ撮影に入って2~3日なんですが、現場はとても温かい雰囲気で、時間がゆったりと流れているような感じです。その温かい名古屋ならではの雰囲気が映像にしっかりと出ていると思うので、皆さんにもその雰囲気を感じてもらえたら嬉しいです」

――今回、“ロス症候群”をテーマにした狙いは?

内館牧子(以下、内館)「好きな芸能人やスポーツ選手が結婚したり恋愛が発覚したりすると、仕事が手につかないくらいショックを受けたり、“○○ロス”っていう言葉を最近よく耳にするようになりましたけど、わたし自身も横綱・北の富士の追っかけをしていたことがあったので(笑)、とても共感できる部分があったんです。いつか、この“ロス症候群”をテーマにした物語を書きたいという気持ちがありました。そんなときにCBCテレビさんからドラマのお話をいただきまして……、そのときは『40代を主人公にしてほしい』ということだけだったので、プロデューサーと監督に“ロス症候群”をテーマに書いてみたいと話をしたら、『現代的で非常に面白そうだし、それでいこう!』と仰っていただいて」

――お互いのタイミングがうまく合致したと。

内館「テーマが“ロス症候群”に決まって、まず自分の中で思っていたのは、家庭は何不自由なくうまくいっているということにしたかったんです。だけど、妻の心の中にはまったく虹がかかっていない……、そんな女性の心の一部分を書きたいと。日々の生活に何の文句もない平凡な主婦が、あるミュージシャンとちょっとした交流ができてからを描いていくのですが、わたしは主人公をどんどん深みにはめていきました(笑)。夫は、僕が妻をこんなに愛しているということを分かってくれていて、仲はとてもうまくいっているから、危ないことがあるなんて微塵も思っていないわけ。でも、夫が脳天気で知らないだけで、こういうことはあるんです(笑)」

――演じる側として、“ロス症候群”がテーマと聞いてどんな印象でした?

斉藤「わたしが演じた桜子の目線で言うと、人生がある程度の段階にまできてしまって、自分の中の一番核としてあるのが、女の部分なのか違う何かであるのか、いつの間にか見えなくなっている。大人としてこうあるべきとかいろんな責任もありながら、家庭でもきちんと役割を果たし一生懸命頑張っているなかで、心にぽっかりと穴の開いたような気持ち。それはきっと誰もが持っていて、多くの共感を得られる部分だろうし、今ぴったりなテーマだなと思いました」

宇梶「男って年を重ねていくうちに自分の可能性がどんどんなくなってくるなかで、任侠映画じゃないけどそういう寂しさも背負って生きりゃいいのさ……みたいなところがあると思うんです。ただ、失ったものに対して何かを感じたり、恋心を持ち続けたりする女性って素直に可愛いなって思う」

川島「“○○ロス”って最近よく聞く身近なことが、ポップに可愛らしく描かれているので、気軽な気持ちで観ていただきやすいテーマだなと思いました。しかも、そこにはちゃんと根底にメッセージがあって。台本を読んだとき、すごくメッセージ性の強い作品だなと感じました」

宇梶「家族の姿がものすごく自然に描かれているので、つい “自分だったらどうなんだろう?”って自分に置き換えてしまう。日常の中でごく普通にありそうなことだし、チクチクと怖いというかゾクゾクする物語になっているので、撮影をしながらドキドキしていますね(笑)」

――物語の舞台は名古屋ということで脚本で工夫した点は?

内館「若い頃から名古屋場所を毎回追っかけていたので、名古屋はすごく縁があって大好きなんです(笑)。今回、ロケハンで初めて円頓寺(えんどうじ)商店街に行ったときに“名古屋にまだこんな所があるのか!”と、昭和がそのまんま生きてる感じがして、ものすごく痺れました。商店街の人たちとも喋ったんですけど、みんなでココを盛り立てようと一生懸命で。名古屋駅前の近代的な雰囲気とはまったく別の匂いがあって。それで、これをうまく作品に落とし込めば“WIN-WIN”で、近代的な名古屋と昭和な名古屋の両方にお客さんを呼べるなって思ったんです。ですから、この円頓寺・四間道エリアのことはぜひ描きたいと思いましたし、この作品は他の地域ではダメだったと思います」

――実際に足を運ばれたんですね。

内館「“ここはどうだろう”“こういう場所でこのシーンができないか”とか、いろいろと歩いて見て回って。それで、どさくさに紛れてシャバーニ(イケメンと話題のニシローランドゴリラ)がどうしても見たくて、東山動植物園に行ったの! シャバーニがなかなかこっちを向いてくれなくて、オリの前にずっといて。きっとプロデューサーは『内館まだか』とか言ってたでしょうね(笑)」

――3人は、名古屋の雰囲気はいかがですか?

斉藤「わたしは、御園座でひと月舞台をやったり何度か名古屋に滞在したことがあって。名古屋は美味しいものがたくさんあるので、今回も東京からこっちに来てまずマネージャーと話したのが、あそこの水ようかんが食べたい、どこそこのババロアが食べたいって、食べ物のことばかりで(笑)。でも、ひとつショックだったのが、わたしのすごく大好きだったババロア屋さんが潰れていたんです。現場の差し入れにしようと思っていたので、“あ~、あのお店のババロアはもう食べられないんだ……”と思ったら、ものすごくショックで」

宇梶「僕が初めて名古屋に来たのは、菅原文太さんの弟子をさせていただいていた頃だったので、もう30年ぐらい前でしょうか。そのときに食べた天むすがとても旨かったですね。あと、山本昌さんと20年ぐらい前に知り合って、僕がまだ全然仕事を得ていない頃、舞台に出たときに突然昌さんから大きなお花を贈っていただいたことがあって、とても嬉しかったのを今でも憶えています。そうした縁で、中日ドラゴンズさんの優勝パレードにも出させていただいたり、去年も始球式をさせていただいたりと縁のある大好きな街ですね。移動のときとか、明日がゆっくりだとつい途中下車したくなりますね(笑)」

川島「撮影で円頓寺を訪れたとき、お洒落で素敵なカフェが多くてびっくりしてテンションが上がっちゃいました」

内館「名古屋はもっと魅力を発信して“名古屋はこんなにいいところだよ!”っていうことをうまく伝えなきゃもったいないわよね」

――最後に、このドラマのテーマにちなんで、最近ロスになったことは?

宇梶「斉藤さんは、さっきのババロア屋だ(笑)」

斉藤「ミセスハートの天使のババロアね。愛知厚生年金会館の横にお店があったんですけど、ショックでした……」

川島「わたしは今年大学を卒業したので、毎日どこかに通ったりというのもなくなって。友達も働き出しちゃって、あまり相手をしてくれなくなったので“友達ロス”です(苦笑)。でも、みんなの終業時間を待って、そのあと遊ぶという新しいスタイルを見出したり。“花金”(花の金曜日の略。金曜日の晩に遊んで楽しむこと)というのを覚えたり(笑)」

宇梶「まだ花金って言葉あるんだ?」

川島「最近復活したみたいで、わたしの周りでもよく使っていますよ!」

宇梶「嬉しいな(笑)。僕は、たばこが吸えて長時間居られる喫茶店でいつも本を読んだり原稿を書いたりしているんですけど、締めによくビーフシチューを頼むお気に入りの店が閉店してしまいまして……。ちょっと古いけど、マスターがいてくつろげるような喫茶店を求めて放浪の旅をしています(笑)。ビーフシチュー&喫茶店ロスみたいな」

CBCテレビ開局60周年記念スペシャルドラマ『ハートロス ~虹にふれたい女たち~』は、10月2日(日)14時より(※UTV 山梨のみ15時~)TBS系全国28局ネットにて放送!

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