Entame Plex-エンタメプレックス-

窪塚洋介&市川由衣 Dragon Ash・降谷建志の印象は「純粋」


窪塚洋介とDragon Ashの“Kj”こと降谷建志がバディを組む。
時代のカリスマとして君臨したふたりが映画で初共演したというニュース。これはちょっとした衝撃だ。“新人俳優”降谷の演技力も折り紙つき。「すごい素敵だった」と窪塚は語る。

物語は、元・ボクシングチャンプで警備員の仕事をするマル(窪塚)と自動車整備工場で働くリリィ(降谷)が出会うところから始まる。そこにシングルマザーの土屋冴子(市川由衣)がストーカー・玉木敏郎(品川祐)について相談を持ちかけ、話は大きな陰謀を巻き込み加速していく……。

Entame Plexは窪塚と市川にインタビューし、降谷の意外な一面や撮影現場での苦労話、物語に込められた思いを尋ねた。窪塚は「人生で一度くらい根性入れて立ち上がることがあってもいいんじゃない?」と若者に向けエールを送った。

――まず、ご自分が演じた役についてお聞かせください。

窪塚「マルは、言い方悪いんですけど嫌いなタイプ。もったいないな、って思う生き方をしているヤツです。『どうせ俺の人生』っていつも感じている。ある意味、自分とは逆の生き様をしている男ですね。でも、マルはリリィたちと出会って成長して次のステージに進んでいく。その“踏み出す力”みたいなものを意識して演技しました」

市川「冴子は、最初、台本を読んだときに“ダメな女”だなと思いました。
息子とふたりで普通に生きたいだけなのに、男性を見る目だったり、本人にも原因はあるのですが、いろいろなトラブルに巻き込まれてしまうタイプです」

――ダメな女ですか。

窪塚「登場人物のなかでダントツにワルいんじゃないかって」

市川「言ってましたね、『とんでもない女だ』って。でも、息子への愛があってこその行動なので。愛の軸がないと冴子の行動は成立しないので、そこは気をつけました」

窪塚「市川さんに似合ってたな。もちろん悪い意味じゃなくて。はかなさとか強さの矛盾する要素を内側に秘めているというか。悪いって意味じゃなくて」

市川「ありがとうございます!!」

――窪塚さんは共通の知人の結婚式で降谷建志さんと初対面だったとか。どんな印象を受けましたか?

窪塚「まるで昔からのツレみたいな感じで。初めて会ったときも『おっすー』『ヤーマン』ってあいさつして、建志くんが隣に座ったんだけど。『あれ? 俺らこれ、初対面じゃね?』ってお互いあとから気がついて(笑)。それくらい違和感がなかったです」

――市川さんは?

市川「衣装合わせが初対面だったのですが、会ったことのない人種だなって(笑)。ロックを感じました。私の世代って窪塚さんも降谷さんもカリスマ的な方なので、緊張しました。ふたりとも怖いのかなって思っていました(笑)。お二人とも実際は、本当に優しくて。誰とでもしゃべるんです」

――誰とでも?

市川「スタッフも通行人も関係なく。知り合いかな? って思ったら通行人としゃべっているとか。芸能人だからとか関係なく人として生きてるってイメージ」

窪塚「そういうところ似ているかも。俺と建志くん」

――役者としての降谷さんはいかがでした?

窪塚「すごく素敵だったと思います。彼が意図はせずとも現場のケツを叩いて温度も純度も上げてくれて。それは建志くんにピュアさと情熱があるからですよね。なかば冗談で監督や品川さんとかが『おい! 新人俳優。ドラゴン・アッシュじゃねえからな、今日は!』とか言っているのを、笑顔で『お願いしやーす!!』って返せるのもカッコいい。エネルギーの大きい人です」

市川「本当に純粋。刺激を受けました」

――撮影で大変だったことは?

窪塚「寒かったよね。雪も降って集合場所までたどり着けるのかなって日もあって。そしたら建志くんが電車に乗ってリュック背負ってふらっと現れて……」

市川「(笑)」

窪塚「あ、グラサンもしないんすね、みたいな。『いやーもう、地下鉄で超並んじゃったよ』って。雪だから来る手段がそれしかなかったんでしょうね。乗り慣れない満員電車に揺られながら来た、このロックスター」

――ヤバい(笑)。撮影で印象に残ったことはありますか?

窪塚「撮影場所を移動するとき、よく建志くんの車に乗ったんですけど、リハもやりつつ普段共演者としゃべらないことまで話しましたね。ふたりで並んでいるとき、俺は常に左に立つことにしようとか、新しいアイデアも浮かんできて」

市川「へえー」

――なぜ左なのでしょう?

窪塚「建志くんが『バディもんとかさ、そうじゃないとダメなんだよ。トゥルーロマンスとかもそうじゃん』って。あの人、映画が大好きだから。とにかく撮影期間の2週間、真面目な話からふざけた話まで、いい時間を過ごせましたね」

――市川さんは体当たりで演じられたシーンも多かったですね。どんな気持ちで挑まれたんですか?

市川「ネタバレになるのであまり言えないのですが…」

窪塚「品川さんのが一番あれなんじゃないの?」

市川「実はあのとき、品川さんすごくお酒くさかったんです…(笑)。クランクイン直後の絡みだったんですけど、前日は皆さんで飲み会だったみたいで」

窪塚「照れてたんじゃない?」

――ちなみに市川さん、マルとリリィだったらどっちがタイプですか?

市川「役としてってことですよね? うーん、リリィかな。面白い人好きなんですよ。リリィってものすごくユーモアがあるじゃないですか。窪塚さんはすごく面白いですけど(笑)」

窪塚「いえいえ、暗い。折り紙ばっかり折ってますから」

――折り紙?

窪塚「あ、ウソです。拾わないで」

――役者として現場に提案したことは?

窪塚「その都度ありましたね」

市川「窪塚さんにはあらゆる面で助けていただきました。私が要求された演技に対して迷っているときに助言をいただいたりして。キャスト、スタッフ含め、みんなで作品を良いものにしよう! って空気がありました」

窪塚「そう。みんなで冴子のことを考えてアイデアを出し合ったりして、それぞれが思いを乗せあえる現場だったと思います。全員が素直に心を開いてた」

市川「なかなかない現場でした」

窪塚「品川さんも自分が演技した後に『さっきのどう思う?』って聞いてきたりして。普通はあまり役者同士で聞き合ったりとかしないんですよ。それが自然にできたのは、自分を優先せずに、みんながより良い作品を作ろうという思いを共有していたからでしょうね」

市川「はい。そう思います」

――マルやリリィって、社会的に見たら脱落者のレッテルを貼られる方ですよね。ああいう人たちをどう思いますか?

市川「生きてさえいれば希望はありますからね」

窪塚「いいね。宇宙の目線がある。俺、そういうの好き」

市川「(笑)」

――窪塚さんは?

窪塚「最初にも言いましたが、もったいねぇ、って。『俺、こんなもんじゃねぇ』『あたし、こんなもんじゃない』って、みんな考えていると思うんですよ。あとはそれを行動に移せるかどうかで。そこで1歩踏み出したら絶対に世界は変わるから。これは実体験として胸を張って言えることですけど、違いなんか1歩踏むか踏まないかだけだから。人生で一度くらい根性入れて立ち上がることがあってもいいんじゃない?っていう。そのエネルギーになるための映画として受け取ってもらえたら最高ですよね。鑑賞して『そうか、俺も』『私も』って思ってもらえたらうれしいです」

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©2017「アリーキャット」製作委員会

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