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野菜のムダのない切り方を伝授「やさしい切りかた辞典」


グローバル刃物メーカーの貝印株式会社は、「野菜の日」である8月31日、食品ロス問題の取り組みの一環として、Webサイト「やさしい切りかた辞典」を開設しました。

「人にやさしい刃物」という考え方を100年以上大切にしてきた貝印は、食品ロスの中でも食材を“ムダに切りすぎてしまう”過剰除去に着目。「やさしい切りかた辞典」では、地球にも食卓にもやさしい、野菜をムダなく調理する方法やオリジナルレシピなどについて紹介しています。

その背景には、貝印が、週に2回以上自身で料理をする全国の男女500名を対象に実施した「食品ロスと野菜の価格高騰」に関する調査が大きく関係しています。この調査の結果、8割以上もの人が食品ロスに対して意識をしており、具体的な取り組みを行っている家庭が約半数であることが分かった一方で、家庭での調理中の食材の切りすぎ(過剰除去)への意識は2割以下と最も低いことが明らかになったからです。

まずは、調査結果の一部を紹介。食品ロスについて意識しているかという質問では、「意識している(41.4%)」「どちらかというと意識している(40.4%)」と、合わせて8割以上が回答。家庭における食品ロスを引き起こす要因は、大きく3つ。野菜の皮を厚く剥き過ぎるなど、可食部まで捨ててしまう「過剰除去」、保管していた食品の消費期限・賞味期限切れなどで手つかずのまま捨ててしまう「直接廃棄」、そして、料理の作りすぎなどによって起こる「食べ残し」があります。

主にこの3つの中で、何を意識しているのか質問したところ、最も多かったのは4割以上が回答した「直接廃棄(44.7%)」でした。一方、2割程度に留まったのが「過剰除去(18.3%)」。「直接廃棄」「食べ残し」に比べて、「過剰除去」対策を講じるには、意識のみならず、切り方・剥き方など食材や調理に関する一定の知識が必要であることが理由の一つと考えられます。

食品ロスに対して意識しているだけでなく、具体的に取り組んでいることがあるか質問した結果、「ある(54.6%)」と回答した人は約半数でした。さらに、どのように取り組んでいるのかを聞いたところ、買い物、保管、調理などについて、様々な方法が挙がりました。

また、取り組んでいることが「ない(45.4%)」と回答した人を対象に、手軽な方法があれば実践したいか質問しました。「実践したい(19.4%)」「どちらかというと実践したい(59.0%)」と約8割が回答。過剰除去に対して、手軽に取り組むための後押しがあれば多くの人が社会問題の解決に貢献できる可能性を秘めている実情は、野菜の切り方を紹介する「やさしい切り方辞典?」を公開するに至った背景でもあります。

■家庭で行っている食品ロス対策
「冷蔵庫の中のものを常に把握しておく(神奈川県・55歳女性)」
「買い溜めをせず、献立を考えながら食材の買い物をする(宮崎県・46歳女性)」
「皮や葉なども、使えるものは使うようにする。冷蔵庫の中の物を使いきる(東京都・51歳女性)」
「必要な分だけ購入する。使い慣れていない食材は購入しない(香川県・29歳女性)」
「余ったおかずは、直に小分けして冷凍して、お弁当のおかずに使う(福岡県・56歳女性)」
「地産地消を心がけて、地元産のものを購入する。見切り品・賞味期限が近いものを購入する(鹿児島県・30歳男性)」
「大根の葉で漬物をつくったり、不要食材が出ないように工夫している(埼玉県・59歳男性)」
「食材が余ったらカレーに入れる(香川県・46歳男性)」

家庭で行っている食品ロス対策についても「直接廃棄」や「食べ残し」など、既に意識が向いている取り組みに対する回答が多く、過剰除去への意識や取り組みが行われていないことには何かしらのハードルがあると考えられます。

食品ロスの要因の一つに過剰除去があります。6割弱の人が食品の過剰除去を「している(56.4%)」ことが分かりました。さらに、食べられる部分まで捨ててしまっていると感じる食品では、4人に3人が「野菜(75.2%)」と回答。2番目に回答数が多かった「肉(11.3%)」に対し、6倍以上の人が「野菜」を選択しました。野菜は肉や魚に比べて、切り分けられて販売されているものが少ないため、自身で切ったり剥いたりする際に、過剰除去してしまう“切りすぎ問題“が起こっているようです。

過剰除去されやすい食品は野菜であることが明らかになりましたが、その中でも具体的には「キャベツ(38.2%)」という回答が最も多く、続いて、「にんじん(27.0%)」「ブロッコリー(27.0%)」「レタス(20.3%)」という結果でした。

また、7割が調理する過程で野菜の食べられる部分を捨ててしまった経験がありました。その理由や状況をたずねたところ、「どこまで食べていいのか判断に困って、確実な部分を食べるため、それ以外の部分を捨てる時がある(岩手県・43歳女性)」「固い茎の部分は調理に時間がかかるため、捨ててしまうことがある(千葉県・39歳女性)」「その部分が食べられるということを知らなくて(千葉県・25歳男性)」「腐らせてしまったり、食感が気に入らないものなどは捨ててしまう(北海道・31歳女性)」といった意見がありました。

野菜の過剰除去を防ぐために、普段から野菜の切り方や剥き方を工夫できている人は、全体の6割以上でした。逆に、週に2回以上自身で料理をする人でも、3人に1人は工夫ができていないことが明らかに。工夫している人に対して、内容を聞いた質問では、「皮を剥かずに食べられるもの(にんじん、ジャガイモなど)はそのまま使う」「葉や皮などの、料理に使わない部分を別の料理や調味料に利用する」と回答した人が半数を超えました。

一方で、切り方や剥き方を工夫できていない実態の背景には「食べられると知らなかった」「知識がなかった」など、工夫に取り組むきっかけとなる機会が作れていないことも要因の1つではないかと考えられます。

こうした結果からも、ぜひ確認しておきたいのが、今回公開されたWebサイト「やさしい切り方辞典」。

食品ロスアドバイザーで料理研究家の島本美由紀先生が監修しており、先生のエコ・食品保存に関する知見のもと、キャベツやにんじん、ブロッコリー、たまねぎといった家庭でも廃棄の量が多い15種類の野菜や果物を丸ごと美味しく食べられる切り方を動画などで紹介しています。

さらに、にんじん、ブロッコリー、えのき、かぼちゃ、ピーマン、キャベツといった6種類の野菜については、つい捨ててしまいがちな野菜の部位を使用したオリジナルレシピの紹介も。

これまでついつい過剰に切ったり、剥いたりしてしまう皮や茎の部分を、ムダなく美味しく食べてもらうためにも、ぜひ、「野菜の日」を機に、多くの人が野菜の切り方や剥き方の工夫に取り組むきっかけとし、「やさしい切り方辞典」を参考にしてみてはいかがでしょうか。

<関連サイト>
「やさしい切りかた辞典」特設サイト
https://www.kai-group.com/products/special/hocho/yasashii/