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進む地球温暖化に歯止めを 産学官で挑むCO2の再利用


地球温暖化の原因になる二酸化炭素(CO2)。そのCO2を分離・回収して再利用するカーボンリサイクル技術に関する会議「第6回カーボンリサイクル産学官国際会議2024」が11日、東京・ウェスティンホテル東京にて開催された。

同会議には各国から産学官の関係者が一堂に会し、カーボンリサイクルの役割や同市場の国際展開、技術開発などについて議論を交わした。冒頭、主催者を代表して経済産業省の竹内真二・経済産業大臣政務官が開会のあいさつをし、その後に米エネルギー省や豪州外務貿易、重工大手のIHIの関係者らが登壇し、ゲスト講演。各機関の取り組みなどを紹介した。

最初のパネルセッションは「カーボンニュートラルに向けたカーボンリサイクルの役割」。経済産業省の刀禰正樹氏や国際エネルギー機関(IEA)のサラ・ブディニス氏などがパネリストとして登壇し、カーボンリサイクルの役割を改めて紹介。

IEAによると「CCUS(炭素の回収、利用、貯蔵)に対する機運は近年高まっているが、プロジェクトの件数としては急速な拡大には至っていない」という。そこで各国政府が技術開発や規模拡大に対してさまざまな支援を行い、一部では成果も出ているが、他方では、カーボンリサイクルによるCO2の削減量をどのように評価していくかなどの新たな課題も発生しているという。

続くパネル「カーボンリサイクル市場の国際展開と投資促進」では、環境配慮型素材「ライメックス」をつくる素材メーカー「TBM」の中村友哉氏や東京ガスの小林裕司氏などが登壇。近年、多様な分野で組成・社会実装されるカーボンリサイクルのプロジェクトの事例が紹介に加え、異業種間の連携によりCO2を集約する動きについても意見を交わした。

最後のパネル「カーボンリサイクルの技術開発」には、SCGケミカルズのチャロトーン・スラチャート氏や新エネルギー・産業技術総合研究機構(NEDO)の大畑通隆氏がパネリストとして登壇。技術開発段階からの国際的な連携や、そのハードルを越えるための方法が議題に挙がった。

閉会式ではNEDOの斎藤保会長が登壇。「本会議でカーボンリサイクルの意義や役割に関する理解の拡大・深化を図り、技術開発へのさらなる支援の実用性、各国間の協力関係の強化の重要性を確認できた」などと話した。

<関連サイト>
「第6回カーボンリサイクル産学官国際会議2024」公式サイト
https://carbon-recycling2024.nedo.go.jp