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これを読めば京大に!? 「京大芸人式日本史」著者:ロザン・菅広文に直撃!


日本史のテストが12点から42点へ!
読むだけで成績が(微妙に)アップ!
笑って学べる受験生のマストバイブル(!?)、ベストセラー作家(!?)ロザン・菅広文著「京大芸人式日本史」。

と、書店のポップで書かれていそうな本書だが、なんと前作「京大芸人」に続き現在ホントに大ヒット中! とはいえ、執筆した当の本人は日本史について

“全然覚えてません(笑)”

とのこと。

しかし、分厚い教科書を読むよりも確実に笑って楽しめ読みやすい、そんな本書について、菅広文&ブレーンの宇治原史規(相方)にインタビュー。

“これを読んだからって点数があがると思うなよ!”(菅広文)

——今回は日本史に関する本になりますが、膨大な歴史を1冊にまとめるのは大変ではなかったですか? 教科書ってもっと厚いわけですし。
菅広文(以下、菅)「最初は大変でしたよ。でも、“土地はだれのものですか”っていう軸ができて、それからは意外と楽でしたね」

——執筆にあたって特に苦労はなかった?
菅「しいて言うなら、第二次世界大戦のところは笑いに変えにくくてちょっと苦労しましたね。でも、基本的には設定さえ思いついたらなんとなくできました」

——普段からロザンのネタも菅さんが書いていますが、今回はその延長線上みたいなもの?
菅「一緒ですね。ネタを書くときは、医者とか引っ越しとか、いろいろテーマがあってのもの。今回はそれが日本史だったというだけで」

——でも、引っ越しに比べて日本史はテーマがデカくないですか?
宇治原史規(以下、宇治原)「ですよね。最初は何言ってるんだろうって思いましたよ(笑)」

菅「僕の中では日本史で単独ライブするみたいな感覚だったんですよ。単独ライブって、1つの笑わせ方ではいけない、同じ手法だとお客さんが飽きてしまうので。だからいろいろな笑いの方法論を使ったんですけど、その辺は一緒でした。それに、勉強するにしてもこんな笑わせ方してたな〜って思ってもらえると、覚えやすいかなと」

——確かにわかりやすかったです。
宇治原「そこはもう菅さんの手腕ですよね。漫才形式だったりコント形式だったり、コントにしても雰囲気の違うものを並べたり。いろいろ考えてますからね」

——宇治原さん的に印象に残っている件は?
宇治原「とみやん(日野富子)ですね。あの感じは僕の好きなテイストでした」

——おじいちゃんのところじゃないんですね。
宇治原「あそこは……まだ僕は許可出してないので(笑)」

——もう出版されちゃってますけど……。
宇治原「そもそも『京大芸人』(以前菅が出した著書)のときからそうなんですけど、僕に関しての記述は全部許可出してないんですよ(笑)。それらはすべて菅が作った僕、菅史観に基づく宇治原なので」

——菅さん的に自画自賛のネタは?
菅「とみやんのところもそうですし、あとは江戸後期の田沼(意次)さんのところとかきっちり落とせてたかなと思います。僕自身、あの辺は苦手やったんですよ、ややこしくて。そこを学校の先生にはできない使え方ができたんじゃないかな」

——読んでいて思ったんですけど、最後の方になると結構駆け足気味になってません?あれはボリューム的な問題? それとも体力的なこと? それともネタ切れ?
菅「わかりました!? あれは完全に体力的な問題です(苦笑)。ただ、明治以降って単純に語句が多過ぎるんですよ。だから笑いと勉強、どっちに標準を絞ろうか考えたんですけど、やっぱり受験生にも対応したくて。それなら語句を増やさないといけないのであの形に」

——明治以降はちょっと難しい感じがしたんですよね。当初の“ハニワングランプリ”とかに比べて。
菅「笑いをとるためにクイズ形式にしたり、シチュエーションを変えたりしたんですけどね……限界でした」

——菅さんは今回改めて日本史を学んだわけですがいかがでした?
菅「面白かったですね。本の中で宇治原さんも言ってますけど、歴史を物語として捉えるのは面白いと思ったし、やっぱり歴史上の人物ってみんな必死で生きてますからね、それが面白くないわけないんですよ」

——実際のところ勉強になりました?内容覚えてます?
菅「全然覚えてません(笑)。出版社の方にもクイズ番組には出るなって言われましたし。マイナスプロモーションになるかもしれないからって(笑)。言い訳ですけど、僕は書き終わったあとは自分の本を読んだことないんですよ」

——それはなぜ?
菅「もう終わったものだし、全部知ってるから」

——じゃあ、裴世清は?
菅「なんのことですか?」

——ヤン・ヨーステンは?
菅「なんですか?」

——巻末の「宇治原語句チョイス」の意味なしですね。面白かったのに。
菅「そう言ってもらえるのはうれしいですけど、僕は知りません(笑)」

宇治原「そりゃ、あかんわ(笑)」

——読む人によってはすごく勉強になると思いますけどね……楽しみながら歴史が学べる、そこは宇治原さんにはできない菅さんならではかなと。
菅「かもしれないですね。僕は勉強できる人とできない人のちょうど間ぐらいにいると思ってるので、両方の気持ちがわかるというか。今後もそういう本を出していきたいです」

宇治原「普通、日本史の本を書くなら専門家の方や学者の方、それぞれ興味深く書いてますけど、これは完全に笑かそうと思って書いてるんですよね。菅さんはこれで成績があがったらいいというより、本当は笑ってくれればええと思ってるはず。そんな本は他にはないですよね」

菅「これを読んだからって点数があがると思うなよ、っていう気持ちはあります。あくまでこの本で流れを把握してもらって、自分で勉強しいやって」

——“今後もそういう本を”ということは、他の教科も考えてる?
菅「考えてますよ。次は、時事問題とかええかなって。宇治原さん毎日しっかり読んでますし」

——今回も宇治原さんに日本史の流れを聞いて書いたわけですが、また宇治原さんにすがろうと?
菅「ですね。いいブレーンが近くにいるので(笑)」

宇治原「ブレーンじゃないですよ、菅さんは僕のことコマやと思ってますね。道具としか思ってないです」

菅「ええ道具見つけました(笑)。ただ、最終的に書くのは僕なので、僕もある程度知識がないといけないんですけどね」

宇治原「でも時事問題は池上(彰)さんがすごいシェアを持ってるからな〜」

菅「池上さんとは違ったテイストになると思いますけどね……それか、今度は池上さんと組むか(笑)」

——それ売れそうですね!
宇治原「俺どうすんねん!」

菅「宇治原さんじゃなくても、賢い人がおればいいので。池上さんはホンマ売れそうですね!」

——ですよね。将来的には政治家の方も交えて政治版とかもできそう。
宇治原「切り捨てるの早いわ〜」

菅「宇治原さんも書いてほしかったらもっと頑張ってもらわんと。その姿勢を見せてほしいですよね(笑)」

——菅さんはいまやベストセラー作家ですからね……って、そんなこと言われますけど、宇治原さんどうです?
宇治原「今のところ何もアイディアがないんですけど、必ず仕返ししてやろうと思ってます(笑)。でも、しょうがないですわ……コマはコマとして生きるしかない、僕は京大芸人というブランドを高めていくしか……なんちゅう悲しい話や!(笑)」

<関連サイト>
ロザン(よしもとクリエイティブ・エージェンシー) http://search.yoshimoto.co.jp/talent_prf/?id=116
京大芸人式日本史 http://www.gentosha.co.jp/book/b8221.html