Entame Plex-エンタメプレックス-

俳優:斉藤秀翼が待望のアーティストデビュー“音楽をやりたいっていう思いはずっとあった”


“元々音楽はやっていたんですよ。学生時代からバンドを組んでいて。音楽は自分の中でもブレることなく、1つの軸でもあったんです。役者としてデビューしてからも、音楽をやりたいっていう思いはずっと持っていました”

「獣電戦隊キョウリュウジャー」や「家政婦のミタ」、その他にも様々な映画やドラマに出演してきた斉藤秀翼。俳優としてメキメキと頭角を表している彼だが、その一方でその心の中で絶えずくすぶっていた音楽への思い。その思いがいよいよ現実に。待望のメジャーデビューミニアルバム「PARTY!」を2月11日にリリースした。記念すべき処女作の出来映え、そして俳優、アーティストととしての今後について、斉藤秀翼に直撃した。

――メジャーデビュー作「PARTY!」の仕上がりはどうですか?
「全6曲、それぞれが違う個性を持った楽曲になりましたね。僕の最初の作品なので、いろいろな形でそれぞれを聴いてもらって、この中から好きな曲を見つけてもらえたら嬉しいです。あとは、ka-yu さんやTAKUYAさんといった先輩方に提供してもらった曲もあるので、きっと楽しんでもらえると思います」

――いろいろな曲を聴かせる、そのバリエーションは最初から考えていたんですか?
「最初からというわけではなく、結果的にできたものが全部違っていたって感じです。そのときの流れやタイミング、いろいろな縁があって揃った楽曲ですけど、思いのほか偏りがなかったので本当に満足しています」

――今回のアルバムのタイトルは「PARTY!」。その意図は?
「ある意味勢いです(笑)。これだけテイストの違う曲が揃って、すべてを集約するとなるとタイトルはどうするか迷った部分もあったんですが、「PARTY!」というアイディアが一番しっくりくるなと。“PARTY”と言ってもいろいろなパーティがあるし、様々なシチュエーションが想定できる。それでいてこの曲、TAKUYAさんのサウンドも王道感があったし、最終的にはこれがベストかなと」

――表題曲の「PARTY!」は、確かにTAKUYAさん節全開の曲ですね。
「そうなんです。今回の楽曲の中ではライブのときに、一番キーになる曲かなとも思っていて。あとは、この曲は僕が一番通ってこなかったジャンルの楽曲でもあって、楽曲自体難しいし、制作には苦労しましたけど、すごくいい出会いになったと思ってます」

――今回は「約束の空へ」と「新世界創造計画」では作詩も手掛けられていますね。
「もともと作詩には興味があったし、書きたいと思っていたので」

――でも、この2曲は対極にあるような感じですよね。
「「約束の空へ」はわりとシンプルというか、純粋。テーマも現実的で身近なものですけど、一方で「新世界創造計画」は架空の話ですからね。現実で世界を作り変えようなんてそうそう思わないですし(笑)。そういう意味では曲に対してのアプローチの仕方は全然違いました。ただ、どちらの曲も自分が書いたもので、どっちが本当の自分かというと……それはわからないです(笑)」

――「新世界創造計画」が本音ですって言われたら、ちょっと焦りますけど(笑)。
「あいつは何を考えてるんだって話になりますよね(笑)。ただ、この曲はタイアップの映画のテーマや役柄があってこそのもので、それは役者をやっていないとできなかったことだし、こういった気持ちにもなれなかったし、この曲も生まれなかったと思うんです。そういう意味では、今の自分だから書けた詩であり、作ることができた曲ですね」

――アルバムの中で苦労した楽曲は?
「どれもですけど……「Masquerade」は特に難しかったなと思いますね。コードもバンバン変わるし、構成も複雑だし、さすがka-yuさんって感じです」

――今回1曲目の「Seize the Chance」はミュージックビデオも制作されていますが、この世界観もまた独特ですね。
「“女神を掴め!”みたいなテーマなんですけど、この曲がトラック的にも、世界観にしてもスマートというかシンプルで、アルバムの中でもわりとわかりやすい曲なんですよね。そういった部分をミュージックビデオでも表現しています」

――こうしてアルバムができると、ライブの幅も広がりそうですね。
「やっぱり作品ができると、みなさんにずっと聴いてもらえるようになる。どうしてもライブだとその場限りですからね。だから、リリースできることは大きいと思いますし、それがライブの演出や構成にも大きく関係してくると思います」

――今後アーティストとしてどんな活動をしていきたいですか?
「作品は継続的に、世に出せるものは出していきたいと考えています。ただ、僕自身アーティストなのか役者なのか、それはみなさんに自由に決めてもらうしかない。役者をやっているということは隠せない事実ですし、そこに対して僕は何の後悔もないし。音楽をやっているから、役者だからっていう棲み分けは僕の中ではないんですよ。きっと自分がどう生きるか、それが役者においても、音楽においても反映されると思うし。それに、役者をやることで音楽にいい影響を及ぼすこともあれば、音楽が役者に影響する部分もある。それは今回すごく感じました。僕はどちらも真摯に、本気で打ち込んでいくだけですね。その中で自分がやりたい音楽を突き詰めていければとは思っています。もしかしたら、今後CDを出せなくなるかもしれませんし、逆に音楽の仕事ばかりになってしまえば役者はできないかもしれない。それはどうなるかわからないですけど、僕はそのとき選んだことが正解、そのときの出会いを大事にしながら斉藤秀翼という1人の人間としてできることを必死にやって、僕なりの世界が作れたら、と思っています」

――やっぱり役者と音楽、その相互作用はありますか?
「人それぞれかもしれませんけど、僕の場合はめちゃくちゃあると思います。役者をやっていたことで出会った人もたくさんいますし、その繋がりから今回楽曲を提供してもらえることもあったし。役者をやってたからこそ、今回のような詩も書けたんだと思うし。自分がやってきたこと、積み上げてきた時間に対して、とにかく僕は後悔したくないんです。すべてが順調だったわけじゃないですけど、その2つがあったからこそ今の僕がいる。役者、音楽以外でも、今回メガネのプロデュースをさせていただいたんですけど、それも今までの経験があり、そして出会い、縁があったからなんですよね。どんなことであってもそういった人と人との繋がり、出会い、縁というのは大事。今回の作品もそういったことがすべてあっての集大成なんです。人生一度きり、自分のやってきたことには自信を持って、それでいて後悔は後悔で自分の糧として、今後もすべてにおいて真摯に取り組んでいきたいと思ってます」

<関連サイト>
斉藤秀翼 http://columbia.jp/saitosyuusuke/