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夏の甲子園決勝の興奮冷めやらぬ今だからこそ観たい! 『アゲイン 28年目の甲子園』大森寿美男監督インタビュー!

直木賞作家・重松清原作、中井貴一・主演で映画化した『アゲイン 28年目の甲子園』。現在、BD&DVDで発売中の同作は、甲子園球児が再び甲子園を目指す実在の大会“マスターズ甲子園”を舞台に、46歳の元高校球児・坂町晴彦役を演じた名優・中井の好演が涙を誘うとして好評を集めている。そんな同作のヒットを記念して、メガホンを握った大森寿美男監督のインタビューが到着! 主演の中井のこと、そして“マスターズ甲子園”のこと、さらには、夢を追うということがどういうことなのか、同作に込めたテーマともども大森監督の想いに迫った。

――46歳の元高校球児・坂町晴彦役を演じた中井さんの演技がとにかく素敵でした。
 
「中井さんは現状に満足しないストイックな感じがある方でした。プライドもあるけれども、おごりがないというか。だから、周りもついていく。求心力があるので、俳優さんたち、スタッフたちが結束しやすいですよね。実は中井さんのほうが5歳くらい上で、僕が高校生の頃に「ふぞろいの林檎たち」を夢中になって観ていました(笑)。中学生の時には、デビュー作の『連合艦隊』も観に行っていますから大スターですよ。そんな話、恥ずかしくて、ご本人の前ではできなかったですけど(笑)」

――共感を集めるリアルな心情表現で、とても魅力的な主人公像を体現していましたよね。
 
「いい緊張感と、作品のために自分が何をするべきか自然に考えていける、そういう空気を出してくれる方ですね。それはもう、中井さんが『僕はこうです』って感じじゃなくて、この作品でこのシーンをやる上で、いま何をすべきかを体全体で表現してくれる、空気を作ってくれる人ということなんです。そのために周りにも気を配りながら、撮影を引っ張っていくムードを作ると。これは主演というものの自覚かもしれないですよね」

――ところで、夢が叶う人って、そもそも絶対数が少ないですよね。“マスターズ甲子園”は、そういう人生に決着をつける舞台にも見えて、とてもポジティブな印象も受けました。
 
「実は、それも夢なんですよね。夢は何も社会的な成功だけではないわけですよ。僕は今回やってみて一番思ったことは、甲子園に出ることが最大の夢であるという球児が圧倒的なんですね。その後にプロとかメジャーに行くとか微塵も考えていないのが普通なんです。僕たちはプロの登竜門のように見がちですが、甲子園が最終的な夢なわけで、プロ野球に行くという夢は、ほんの一握りの人が持っているだけ。当然、その夢の続きも、全然違う形で続くと思いました」

――つまり、甲子園で夢破れてマスターズ甲子園に出ることも同じ意味での夢ということ。
 
「夢の続きに、最初の甲子園への夢がつながっていると思うんですよね。だから、夢をたいそうに考えることはなくて、その場その場の夢って必ずあるはずだと思う。家族を持ってだんらんの時間を過ごしたいということも立派な夢だと思うし、改めて、生きるってそういうことじゃないかなって思ったんですよね。だからこそ人間って、無数に負けがあると思うんですよね。無数に夢があるから、負けも多いと思う。理想的な人間関係が築けなかった、失敗したなって思うことも、夢破れたからこそ思うこと。でも、それでいいはずなんです。そこからまた夢の続きに向かえばいいんです」

――最後に読者に向けてメッセージをお願いします。
 
「2回目のほうがさらに感動する、真相を知った上で観ると、それまでの俳優のニュアンスとか、いろいろなものを感じとれて面白い、という声が多かったんです。特に回想シーンとかは裏の心情をわかった上で観ると、グッと来ますよ。後は娘の感覚で、中井さんに対するあこがれを語ってくれる女子もいましたね。世代や性別で、いろいろな見方があることを実感しました。そういう意味では、BDやDVDでの鑑賞にピッタリで。できれば数年ごとに観ていただければ、想像していた以上に違うことに気がつく作品じゃないかなって。そういう期待もしています」

『アゲイン 28年目の甲子園』のブルーレイ&DVDリリースは好評発売中!

© 重松清/集英社 © 2015『アゲイン』制作委員会
発売元:ポニーキャニオン
取材・構成・撮影/鴇田 崇(OFFICE NIAGARA)

<関連サイト>
『アゲイン 28年目の甲子園』(ポニーキャニオン) http://v.ponycanyon.co.jp/again
中井貴一&波瑠コメント到着! 映画『アゲイン 28年目の甲子園』のBD&DVD発売決定 http://www.entameplex.com/archives/19966