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福田彩乃「わたしが高校生の役ってどうして!?」不安を乗り越え映画初出演作「ヒロイン失格」で好演

“役に対してちょっと悩んでいた部分もあった”
そう心の内を語ってくれたのは、ものまねタレントの福田彩乃。

長澤まさみ、吉高由里子、ローラなどのものまねで2011年に一躍ブレイクしてからというもの、数多くのバラエティ番組に出演。さらには、現在佳境を迎えているNHK連続テレビ小説「まれ」などへのドラマ出演や、レーサーデビューも果たすなど、多岐にわたる活躍をみせている福田が、9月19日より公開の映画「ヒロイン失格」で映画初出演!

本作は、幸田もも子原作の人気同名コミックを映画化。主演の桐谷美玲演じる暴走するオトメ:松崎はとりと、山﨑賢人演じる寺坂利太、坂口健太郎演じる弘光廣祐の3人がおりなす笑って泣けてキュンとするロマンティック・コメディとなっている。その中で福田は、ヒロインはとりの親友:中島杏子役で、映画初出演とは思えぬコミカルな演技を披露。なんでも、当初女子高生役でのオファーに驚きと不安を感じていたという彼女だが……。

――本作にキャスティングされたときの印象はいかがでしたか?

「わたしが高校生の役ってどうしてだろうって、最初はただただ驚きました。原作を読んだとき、わたしが演じる中島の印象は、女子高生だけど落ち着いていて大人びた感じの子だなって思ったので、“わたしにオナカ(※主人公・はとりが呼ぶ「愚かなる中島」の略称)の要素ってどこかあるんですか?”って監督に聞いたら“福田さんの心の中に潜んでる冷静沈着な部分を出してほしいんだ”って仰ってて。自分も社会人を経験してリストラにあったり、そういう現実的なところがちょっと見え隠れしていたのかなって(笑)」

――英監督のそうした言葉が力強かったと。

「映画に出演するということ自体初めてでしたし、オナカという役に対してもちょっと悩んでいた部分があったんです。現場に入ったときに監督に正直な気持ちを相談したら“福田さんの等身大な感じがオナカそのものだから、そのままでいいんだよ”って言っていただけたことがものすごく救いでした」

――映画初出演が高校生役ということでかなりの衝撃だったとか(笑)。

「撮影は今年の2月、26歳のときだったんですけど、最初は正直厳しいなと思っていました。これまで、今回のような膝上で太ももを出してスカートをはくことがなかったので、そこはすごく不安で……。衣装合わせのときに何着か制服を着てみたときも、“わたしで本当に大丈夫ですか!?”って、やたらそわそわしちゃって(笑)。監督は笑いながら“大丈夫じゃない!?”って言ってくださったんですけど(笑)。でも、いざ撮影が始まると意外と自分の中で馴染んできて、周りのスタッフさんも“オナカいいね~!”って言ってくれたりして、ちょっとテンションが上がっちゃって。それからは制服を着るのが楽しかったですね」

――出演が決まって、撮影に入る前には女子高生が気になったりしました?

「撮影に入る前に渋谷に行ったりして、みんなどういう風に制服を着て、どんな会話をしてるんだろうとか、ものまね特有の職業柄を活かして人間観察をしました。わたしが演じた中島は、暴走しがちなはとりを冷静に抑えるような子で、そこまでイマドキの女子高生って感じではないので、そのあたりは気持ち的なところも含めて自分の等身大でいいのかなって思いながら演じました」

――現場の雰囲気はいかがでしたか?

「びっくりしたのが、(本番で)カットをかける前に監督が大声で笑ってるっていう(笑)。監督の声が入っちゃってないのかな? って思うぐらい美玲ちゃんの演技を見ながら普通にゲラゲラ笑ってましたから。監督がものすごく明るい方だったので、みんなでワイワイ話したり、とにかく明るい現場でした」

――演技で一番苦労した点は?

「はとりと会話をするシーンが多かったので、微妙な間ですけど、自分の台詞を遅れないようにするとか、ちょっとココは食い気味で入るとか、観ている人にとっていかにテンポよく感じてもらえるかというところに気を遣いました。はとりが結構暴走しているキャラなので、そこにどれだけ冷静にオナカがスパイスを加えられるかっていうことを、自分の中でしっかりとやらなきゃいけない部分だなと感じていたので、そこは監督にアドバイスをいただきながら演じました」

――ものまねをやるときとお芝居をやるときとではモードは異なりますか?

「そうですね。わたしが起用された理由は、たぶん芝居を求められてとかそういうところではなくて、バラエティ番組など普段のわたしを観てくださって、ものまねする面白い子を入れてみようかなと思っていただいたと思うんです。そもそも畑が違うので、現場に入ったときにわたしは皆さんと話すときもものまねを入れて話したりして、みんなに楽しんでもらえたらいいなっていう気持ちでやっています。今回の現場も、みなさんに救われたという感じで……、待ち時間とかみんな友達みたいな感じで接してくれて、すごくやりやすかったです」

――演じるにあたって、ものまねで培ってきた部分が芝居の強みになったりしたのでは?

「悲しい気持ちではとりを見守るシーンだったり……その時々で、今まで自分が観てきたドラマで女優さんが演じていたのを思い出して、それをちょっと意識してみたりだとか、いろんな方の演技を参考にさせていただいています。わたしは、芝居の稽古やレッスンの経験がないので……、そこはもう自分のやり方というか、いろんな作品を観て勉強するという形が今の自分に合ってるのかなと感じています」

――映画初出演とは思えないほど、抑揚もしっかり出来ていて、演技も素晴らしかったと思います。

「マネージャーさんには、いつもボロクソに言われていますけど(笑)。やっぱり仕事柄バラエティの現場が多いので、どうしてもオーバーにやってしまったり、性質的に笑いを取りにいきたいとか……、そういう気持ちが生まれると役を殺してしまうこともあるので、そこはお芝居をするときには出さないようにって、しっかりと役に集中して意識してやるようにしています」

――福田さん演じる中島の恋愛模様もスピンオフなどで観てみたいです!

「原作では、オナカもちょっと恋をするところがあるので、オナカの役をいただいたときにいわゆるラブシーンじゃないですけど、オナカもキュンキュンするシーンがあるのかなって、ちょっと期待をしていたんですが、全くなかったので“チェッ”って(笑)」

――というと、今後機会があれば恋愛モノも演じてみたい?

「そう言いつつも、実際現場に入ると(そういうシーンが)なくてよかったなという安心感もあったりして(笑)。やっぱり恋愛モノに関しては観る側の方がいいなって思いました」

――今後もお芝居の仕事もやっていきたいですか?

「今回、こういう風にお話をいただけたので、またチャンスをいただけたらやってみたいなっていう気持ちはあります」

――目標としている女優さんはいますか?

「これまで、数少ないですけどお芝居の現場で女優さんと喋ったりして感じたのは、皆さん役を演じるという部分がありますけど、ご本人の人柄として役に滲み出ているなって。そういった面では菅野美穂さんと共演させていただいたときに、とにかくスタッフさんや共演者の方に対する気配りが本当に素晴らしくて……目標とする女優さんというよりも、こんな女性になりたいなと純粋に思いました」

――劇中に出てくる寺坂利太と弘光廣祐。もしも恋人にするなら福田さんはどっちを選びますか?

「わたしは、(竹内)力さんが演じる学食のオヤジ派なんです(笑)。本当にスマートでクールで一番カッコイイのは学食のオヤジだと思っているので、その質問をされると、実は心の中でわたしはどっちもちょっと違うんだよな~って思ってるんですけど……どちらか選ばないとダメですか(笑)? どちらかと言えば、やっぱり“わたしを好きな人”より“わたしが好きな人”の方がいいですね。弘光クンはモテモテの役なので、もし両想いになって付き合えるってなっても、取られちゃうかもしれないですし……すごくモテる人だとちょっとヤだなって」

――福田さんは、告白する派と告白されるまで待つ派のどっち?

「学生の頃は結構自分から告白してましたね。でも、成人して以降は臆病になっちゃって全然で(笑)。相手が何を考えてるのか読んじゃったり悪いクセが出てきて、この人たぶんわたしに気がないなってちょっとでも感じるともう会わなくなったり、きっとわたしのこと嫌いだから遊ばないでおこうって被害妄想に入ってしまったり(笑)。なかなか自分からは言えないですね」

――オナカのように友達のことを見守るタイプ?

「小さい頃から悩みを相談するよりもされることが多いです。オナカのように友達のことを見守りつつも“今はこうしたら?”“次はああしたら?”って言ったりする部分は普段の自分とちょっと似ているなって思いました。白黒ハッキリしていて物事ハッキリ言う方なので、優柔不断な子からすると結構刺激的なのかもしれません」

――福田さんは、男性のどんなしぐさやシチュエーションにキュンキュンしますか?

「わたしは車がすごく好きなので、サイドミラーとルームミラーだけでバック駐車が出来る人を見るとキュンキュンします。出来れば、切り返しなしで一発で停められる人(笑)」

――縦列駐車とか、福田さんのチェックが厳しそう(笑)。

「やっぱり何度も切り返されると、そのときに掛かる縦Gがあまり好きじゃないので(笑)。ス~っと一発で気持ちよく停められちゃうと“キュン”って。よく助手席に手を掛けてバック駐車するしぐさに“キュン”とする人が多いですけど、本当に運転が上手な人はミラーだけを見れば出来ますから」

――では、運転が上手そうに見えない人がいきなり一発で駐車を決めると?

「ギャップ萌えですね(笑)。見た目的にあまり外出しなそうなインドア派な男性がサササッってバック駐車を決めてくれたりしたら“あれ?”ってなりますよね!? 自分が車が好きなので、そこに対するこだわりが強いので、ついつい見ちゃいますね(笑)」

――では最後に、読者に向けてメッセージをお願いします!

「学園が舞台になっている作品ですけど、年配の方もみんな学生だった経験があると思います。この映画を観て“高校生の頃、あんな恋してたな……”みたいに当時をちょっと思い出しながら、年齢は関係なくキュンキュンしてもらえたらいいなと思います!」


映画「ヒロイン失格」は、9月19日(土)より新宿ピカデリーほかにて全国ロードショー。

ヘアメイク/松田美穂
スタイリスト/福田春美

© 2015 映画「ヒロイン失格」製作委員会 © 幸田もも子/集英社
配給:ワーナーブラザーズ映画

<関連サイト>
映画「ヒロイン失格」 http://wwws.warnerbros.co.jp/heroine-shikkaku/
福田彩乃 http://www.fukudaayano.com/
桐谷美玲「愛されたいもん、結婚するなら」結婚&恋愛観を語る https://www.entameplex.com/archives/23626