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May J.「自分には歌しかない」デビュー10周年を迎えた彼女が語る歌へのストイックな想い


今年デビュー10周年を迎えたMay J.が9枚目のシングル『Have Dreams!』をリリース! この曲はNHKワールドTVなどで放送されている歌番組「J-MELO」の2016年度オープニングテーマ曲で、なんと小室哲哉が作曲、つんく♂が作詞を担当。日本を代表するプロデューサー2人が初のコラボ。 果たしてそれはどんな楽曲に仕上がっているのか、今回はMay J.にインタビュー!

――新曲『Have Dreams!』は小室哲哉さん、つんく♂さんという大物の初コラボ曲となっていますが、この曲のお話を聞いたときの感想は?

「もともとNHKワールドで放送しているJ-MELOという番組で8年司会をしていまして、そこにつんく♂さんや小室さんもゲストで来ていたんですよ。それで番組内で曲を作ろうという企画が進められることになって。私は最初いちファンとしてというか(笑)、『すごいな、楽しみだな』って思っていたんですが、まさかその話が私に来るとはって感じで、最初は本当に嬉しかったですね」

――ビッグネームのコラボですが、プレッシャーはありましたか?

「プレッシャーというか……自分が小さいころから第一線で活躍されている方なので、お仕事させていただく機会をいただけたことがただただ嬉しかったですね。新しい自分を引き出してもらえたらいいなっていうワクワクでいっぱいでした」

――楽曲を最初に聴いたときの印象は?

「小室さんが最初に曲を作られて、デモを聴いた感じ、歌うのが簡単そうだなって思いました。メロディがすごくシンプルで、小室さんが子どもも歌えるメロディを意識して作られたというのもあってこうなったんだと思います。でも、つんく♂さんの歌詞が出来上がって、いざ歌ってみるとものすごく難しくて……。これは大変だなって印象でしたね」

――この曲で伝えたい想いを聞かせてください。

「つんく♂さんの歌詞にもあるとおりで、夢を持つことってすごく大事なんです。なかなか夢を持てない人もいると思うんですけど、夢は大きくても小さくてもどんな夢でもいいんです。つんく♂さんがおっしゃっていたのが、今日叶えたい夢、明日叶えたい夢といった身近な夢。例えばお仕事頑張ったから美味しいご飯を食べたいとか、カップラーメンを夜中に食べたいとか、週末に家族とみんなで出かけたいとか。そういう小さな夢でもよくて、それが積み重なっていくとどんどん大きくなっていって、最終的にみんなが幸せになっていけるんじゃないか? っていう、そんな想いが詰まった曲です。だから、ぜひ聴いた方に夢を思いながら聴いていただけたらうれしいですね」

――日本語バージョンと英語バージョンがありますが、収録で苦労した点は?

「J-MELOという番組は日本で制作しているんですが海外で放送されていて、そのため今回は最初に英語で録ったんです。別の日に日本語バージョンを録ったんですけど、英語の方がぶっちゃけ歌いやすかったですね(笑)。ワンフレーズにワードがたくさん入っている英語の方がたくさん言葉が歌えるんですよ。日本語だとすごくシンプルになるので、言葉数も少なくなって……間を埋めるのが大変でした」

――日本語と英語とでは歌詞への感情の込め方は変わりましたか?

「日本語バージョンは歌詞がストレートというか、恥ずかしい部分があるんです。英語バージョンはそこまで恥ずかしさがなくてナチュラルに歌えたと思います」

――日本語の歌詞は主語がほとんど登場しなくて、そのぶんリスナーひとりひとりが自分のこととして解釈できる余地があるのかなと思いました。

「そうなんですよ。わたしも誰かひとりの人に向けて、すごく近い距離で聴いていただけるように、ひとりひとりのことを思いながら歌いました」

――歌詞には“夢に破れて”と挫折も描かれていますね。ここはどんな気持ちで歌いましたか?

「この歌詞の順番ってすごいと思うんです。最初は夢に憧れて夢を語って、とはいえそんな簡単に夢は叶わないからやっぱりすぐ挫折する。でも、挫折したからこそ気付くこともあって、それは自分に足りないところを見つけたり、次の目標を見つけたりするきっかけになると思うんですよ。だから挫折って必要だと思うし、すごく大切なことだと思うんです」

――3歳のころから歌手を夢見て、高校生でデビュー……May J.さんは夢を叶えてきたと思うんですが、挫折もしてきた?

「もちろん歌手になることがすごく大きな夢だったんですけど……歌手になってからがすごく大変で。どうしたら自分の歌声をたくさんの人に聴いてもらえるのか。それはものすごく大変なことでした。最初のころは誰も自分の名前も知らないし、ライブも盛り上がらないし、自分も盛り上げ方を知らない。そういったゼロからのスタートでしたし、最初のころは本当に大変で。その後に『Garden』という曲を歌わせてもらって少しブレイクはしたんですけど、曲が注目されてもMay J.という私自身をちゃんと伝えられなかったっていう挫折もあったし、なかなかCDが売れない時代もありました。挫折って常にありますよね(笑)」

――シングルはディスコの名曲『Can’t Take My Eyes Off You』のカバーも収録してますね。この曲を選んだ理由は?

「この曲は本当に定番で誰でも知っている曲ですよね。私もラジオで流れているのを聴いて知ったんですが、改めて2年くらい前に聴いたときに『この曲のタイトルを知らないな』ってことに気づいて。そこで、改めてオリジナルのボーイズ・タウン・ギャング版の曲を聴いたんですが、すごくいい曲だなって思って。いつかライブとかで歌えたらいいなって心の片隅にあったんです。それで今回洋楽のカバー曲を入れたいってことになって、この曲を思い出したんです」

――いろいろな方がカバーしていますが、思い入れのあるバージョンはありますか。

「やっぱりボーイズ・タウン・ギャングのものと、ローリン・ヒルのカバーはよく聴いてましたね」

――今年デビュー10周年を迎えましたが、今の心境を聞かせてください。

「ここからがスタートっていう気持ちです。もう一度初心に戻って、ここからまた頑張っていきたいっていう。10年間で築き上げてきたものももちろんあると思うんですけど、今回つんく♂さんと小室さんのレコーディングを通して、自分ができないことが見つけられたし、できるようになりたい悔しい思いや楽しみが出てきたんです。次の10年、もっともっと成長していきたいっていうワクワクな気持ちでいっぱいです」

――レコーディングで見つかった課題とは?

「たくさんあるんですが、つんく♂さんがおっしゃってたのが力を入れ過ぎないこと。私はどうしても歌うときに気合が入っちゃうんですよ。気合も必要だけど、聴いてる人の心地よさだったり、歌詞の意味がもっと伝わるような歌い方のほうが聴きやすいっておっしゃってたので、そこは課題ですね」

――デビュー当時は10年続けられると思ってました?

「自分には歌しかないと思っていたので、ずっと歌い続けられたらいいなって思ってました。しかも、歌以外のものにまったく興味がなかったので、どんなに辛くても乗り越えようっていう覚悟はありました」

――先日のclub asiaで行った10周年記念ライヴでは、小室さんから「20年、30年と迎えていってほしい」と言われたそうですね。10年後、20年後と続けていくためにはどうすればいいと思いますか。

「いろいろな経験を積んでいくことじゃないですかね。歌と経験ってすごくつながっていて、辛いこともたくさん経験することで、それがそのまま歌に表現されていくと思うので。一緒に歌と共に成長していきたいと思います。何を経験するかはわからないけど、日々コツコツといろいろなことに挑戦したり、失敗したり、これから出会う新しい挑戦で掴むものや失うものもあると思うし、その繰り返しで人はどんどん成長していけると思います」

――では、最後に改めて今後の目標を聞かせてください。

「歌を通じて、歌と共に成長していきたいですね。そして、ライブに来てくれた方、CDを聴いてくれる方がより歌の世界観に入っていただけるようにクオリティを上げていきたい。もっともっと勉強もしたいし、常に成長していきたいですね」

<関連サイト>
May J.「最初で最後になるかもしれない……」デビュー10周年を迎え“歌”に込める強い気持ち
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