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真田広之、SFホラー大作『ライフ』インタビュー


未知なる生命体を調査している宇宙飛行士6人が、無重力の宇宙船内で直面する恐怖と死闘を描いたSF<無重力>ホラー『ライフ』が、7月8日より全国公開となった。

本作で、ジェイク・ギレンホール、ライアン・レイノルズ、レベッカ・ファーガソンら、ハリウッドを代表する錚々たる豪華キャストたちとともに存在感を放っているのが、ショウ・ムラカミ役を演じた真田広之。

今回、クルーで一番のベテランとしてミッション一筋に生きてきたシステム・エンジニアという役どころと、真田はどう向き合ったのか。本作についていろいろと話を聞いた。

――本作のストーリーと役柄について教えてください。

「国際宇宙ステーションにいる6人の宇宙飛行士が、一言で言うと“火星にいるエイリアンを調査する”というミッションを果たすための任務についています。国際宇宙ステーションですから、インターナショナルな宇宙飛行士が集まり、それに伴いキャストも国際的で、世界各国から6人集まりました。僕が演じたショウ・ムラカミは、一番のベテランであるシステム・エンジニアです。映画は、人類初の<地球外生命体>を火星で採取して、船内で生体を調べるというところから始まります。そして、その生命体が生きていて、そこからドラマが展開していく、宇宙船中だけの密室劇です。地球外生命体そのものを描くというよりは、それに対峙する6人それぞれが違う立場、バックグラウンドを持つことで、それによって対応の仕方がそれぞれ違う、生命体を鏡として人間を映し出すという人間ドラマ、群像劇です。なので、とてもユニークですし、最初に台本を読んだ時も、これまでに観たことのない映画になるだろうと思いましたし、ダニエル・エスピノーサ監督が非常に感覚が優れているので、この人ならば、ただのサイエンスホラーではなく、しっかり人間を描いてくれるだろうと、そういう思いで飛び込みました」

――役作りをするにあたって、監督とはどんな話をされましたか?

「最初にスカイプで打ち合わせをした時にも、この役の“リアリティ”をどういう風に持っていけば良いかということを話しました。ムラカミは、劇中で地球に残してきた妻に子供(=ライフ)が生まれるんです。タブレットで中継をして立ち会うんですけれども、このミッション中にそういうことがプライベートであるんですよ。しかも、結婚生活の長い夫婦に初めての子供が生まれるということがどれだけムラカミのキャラクターに影響を及ぼすのかという、その辺を一番じっくりと話しましたね。やはり、守る者ができるということは、いざという時に弱点を持つことにもなる。ベテランの宇宙飛行士とはいえ、プライベートでそういうことがあり、そして自分の人生を振り返り、自分の中で葛藤が始まるという。メンバーの中で一番宇宙のこと、宇宙船のことも知り尽くしながらも経験が豊富な分、心のひだもいっぱいあって。良いことも悪いことも、ですね。ミッション一筋に生きてきて、初めて子供ができた。やはり里心もついてしまうし、自分の人生は正しかったのだろうかという葛藤が始まった時に、地球外生命体(=ライフ)が誕生するわけですね。ライフとリンクしていくわけです。そういう意味では監督のこだわりもあって、一番心のひだと言いますか、人間の弱さも含めた感情の機微みたいなものが、このドラマの全体を通して描ければ、という話を監督としました」

――撮影現場はいかがでしたか?

「やはり濃いシーンが多いので、ディスカッションもすごくしましたし、最初の頃は舞台のワークショップかのように、監督と6人だけが小さいセットに入って、長い時は1時間近くとにかくディスカッションをして、それをスタッフに見せ『じゃあ、どう撮ろうか』という風に持っていきました。俳優と監督がセッションをして、作り上げたシーンをクルーがどう切り取っていくかという感じなのでとても面白かったです。そんな日々を6週間過ごしてきたので、非常にチームワークは良く、ファミリーのような感じです」

――宇宙=重力がない空間という設定での演技は、大変だったのでは?

「やはり無重力を演出するためには、ワイヤーで吊られることが多いんですね。全編無重力というのは、実は僕は初めてなんです。とにかく吊られている一方で、例えばバストアップのショットだと、吊らずに自分の動きで浮いている感じを出さなければならないんです。吊られるのも、長時間になると血が止まりますから結構これもハードなんです。頭に血が上ったり、逆さまでずっといたりということも多いので。ただ、逆に吊られずに無重力を出すということは、自分の筋肉で表現しなくてはいけないので、一日中ずっと揺れていないといけないんですね。そうするとスクワット状態が8時間位続きますから、足はパンパンになるし、良いトレーニングになるんですけど(笑)。なので、どっちがきついとかっていうのは言えない位、常に無重力を演出しないといけないので、その辺のフィジカル的な大変さはありました」

――宇宙船もすごく精巧に作られていて、セットもとてもリアルでした。

「こういう宇宙もので、グリーンスクリーンとかを使わずに、すべて肉眼で見えるセットがあるというのは、これほど贅沢なものはないですね。そういう意味では役者冥利に尽きるというか、ありがたいです。非常に贅沢な現場でした。セットのみならず、監督は俳優にもリアルな芝居を求めるので、とにかく「芝居をするな」と。ドキュメンタリーを撮っているような感覚で進めていきたいというのが監督の中にあって、なのでみんなそれぞれが自分のポジションをキープしながら、そこで生活しているのをスタッフが切り取っていくという現場でした」

――火星に生命体がいたのではないかなど、さまざまな説がメディアで取り上げられていますが、個人的にどう感じていますか?

「昔からずっと“絶対にいるはずだ”という気がしていました。だって、この広い宇宙の中で人類に可能性があったっていうことは、同じ可能性があらゆるところにあるはずだな、と。ただ、例えば他を発見した時にどう対処するべきなのか。宇宙単位で征服が始まるとか、それこそ『スター・ウォーズ』じゃないですけど、やはりそれはもう先進国ならぬ先進生命体の方が勝つに決まっているわけで。それが今この地球の環境問題も含めて、他に見つけた時にそっとしておいてあげるのか、共存するために手を差し伸べようとするのか、いろんなあり方があると思うんですね。そういう意味では、いろんなメッセージが汲み取れるし、面白い題材だと思います」

――本作はファンタジーではなく、10年、20年経ったら本当に実現しそうなことを表現しているそうですが。

「やはり、近未来に地球外生命体との接触が実際にあるんじゃないかということです。それは人類にとってどういう存在なのか、知的レベルとか、身体能力とかまったくわからないわけです。人類にとって危害を及ぼすのか、及ぼさないのか、平和的に共存できるのかどうか、それは本当に深刻な問題だと思うんですよね。地球にとって、今後の人類にとって、いざ直面した時に。ですからそんなことをひとつ提示しているというか、地球外生命体と接触した時にはどう対処すべきなのかなっていうのを考える良いきっかけになるんじゃないかなと思います。すべてが敵ではないだろうし、すべてが味方でもないだろうし。そして、いかに観客の方に信じてもらえるようにするかというのが僕たちにかかっているというか、絵空事にしないで、どこまでリアリティを持たせられるかというのが、ミッションといえばミッションなのかなと」

――最後にメッセージをお願いします。

「非常にすばらしい監督の下に、インターナショナルなキャストが集結して、宇宙ステーションならではの濃密な人間ドラマを日々楽しんで撮影しました。とてもユニークな作品で、恐らくこれまで観たことのない映画になっていると思うので、是非楽しみにして頂ければと思います」

映画『ライフ』は、丸の内ピカデリー他にて全国公開中!

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