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まるでSF…「勝手に動く」シートが車内空間を変える


まるで自分だけのコンシェルジュ──。自動車部品メーカーのトヨタ紡織は東京・有明の東京ビッグサイトで催された「第46回東京モーターショー2019」(開催期間:10月24日~11月4日)で、先進技術を駆使した近未来の自動車をお披露目した。

トヨタグループ4社(アイシン精機、デンソー、豊田合成、東海理化)と連携し、トヨタ紡織が発表した近未来移動スペース「MX191」は、グループ各社の知見を生かし、自動運転時の安全や快適性を追求しながらも移動をストレスゼロで楽しめる。テーマは「もっと心地よく、もっと安全に、もっと好きなことを」。音や風、振動や光などの制御により車内を快適な空間に演出する。

「私たちが目指すのは移動空間の新しい価値」。24日に同社のブースで開かれたプレスブリーディングにて、取締役社長・沼毅氏はそう話す。目指すのは「単に移動するだけでなく、乗る人一人ひとりの大切な時間の創造」だという。

沼氏のあいさつ後、「MX191」のプロジェクトリーダーであるリチャード・チャン氏が場を引き継ぎ、同モデルの開発の背景と機能を紹介した。

「MX191」は目的地を設定すると、ほこりやにおいを測定し空気の清浄をスタート。さらに室内とシートの温度を快適な状態に自動調整する。乗り手が車に乗り込むと、体格に合わせたポジションでシートが出迎え、快適なドライビングポジションに。労せずして運転にベストな位置へ乗り手を運んでくれる。

また自動運転モードを選ぶとドライバーは運転から解放され、シーンや目的に応じてシートが回転。車内全体をリビングのように使うことができるという。「仕事や食事をしたり、リラックスしたりなど、自由な空間が生まれます」とチャン氏は話す。

シートベルトはシートがどの位置でも使える工夫がされ、シートそれぞれにはエアバックが装備。安全性も抜かりない。

ユニークなのが眠気抑制システムだ。乗員のバイタルサインを読み取り、風や温度調整、音などでドライバーを刺激し、運転時の集中力を維持させる。

「いま説明したのは搭載機能のごく一部」とチャン氏は言う。5社がそれぞれの強みを活かし開発した“夢の車内空間”。SF漫画やアニメで見た未来の車の実現はそう遠くない。

<関連サイト>
トヨタ紡織
https://www.toyota-boshoku.com/jp/