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岡田将生主演の感動作『想いのこし』がDVDリリース! 平川雄一朗監督にインタビュー


女たらしでお金に目がないサイテー男・ガジロウ役の岡田将生。事故で亡くなりながらもひとり息子・幸太郎を見守り続けるユウコ役の広末涼子が共演した感動作『想いのこし』がDVDリリース。この世に思いを残して去る者と残されて生きていく者の決して交わることのない“想い”をドラマティックに綴る心揺さぶる名作について、メガホンを握った平川雄一朗監督にインタビュー。家族で観る感動作の名手、平川監督の“想い”に迫ります!

――公開時に感動の声が多かったと思いますが、パッケージ化を迎え、何を“想い”ますか?
「本当にありがたいと思います。世の中、便利になっている分、人間関係が希薄になっているので、そうじゃなくて大切なことは人と人との間にこそあるということを、再確認したいですよね。この映画に関係なく、自分自身常日頃考えているテーマですが、どうしてもコミュニケーション不足になっていますよね。僕自身仕事だけでなく、家族との会話や時間など、なるべく取るように心がけています」

――確かに、登場キャラクターの姿や半生を追っていると、そうありたいと思いますよね。
「僕は隣近所など、人と人とがつながりあっている様子がいいなあと思いますね。僕は昔のドラマを手がけることが多いですが、昔は人情が厚くて皆仲間みたいな意識があったじゃないですか。隣のお父さんが隣の子を怒っていても許された時代で、そういうことが今の時代は薄れてきている。だから映画の中で問うというか、映画は夢を見る時間だとも思っているので、特に今回素敵な人たちを描きたい想いはありました」

――鹿賀丈史さんのエピソードが好評だったようで、個人的な想いの投影はありますか?
「普段仕事をしている人は、誇りある仕事をやり遂げたいと思いますよね。ちょっと視点がズレるかもしれないけれど鹿賀さんのエピソードは、コミュニケーションだと思います。社会で、よくあることだと思います。後輩・同僚・先輩との“ホウレンソウ”がないから希薄になって、すれ違いになって、よくないことが起こるのでは? と思う。ただ、性善説ですが、信じる気持ちが強ければ強いほど、その人は救われるという気がなんとなくしています。サラリーマンの方々の現実は厳しいと思うので、ちょっと現実を忘れて楽しんでほしいですね。日頃疲れていると思いますし、それがファンタジーの良さでもあると思うので」

――ところで、監督の作品は、何の影響を受けていますか?
「基本的に家族で観られる作品がいいと思っていて、自分自身子どもの頃は家族と映画やドラマを観ていました。思春期に入って、ハリウッド映画なども観るようになりましたが、自分の根本は、そこだと思っています。だから、子供からお父さん、おじいちゃんまでが一緒に楽しめないと、つまらないと思っちゃう。『JIN -仁-』の頃、僕が手がけているドラマが唯一、家族が集まれる時間でした、という声をいただいたことがありましたが、それが僕にとって一番のホメ言葉ですね。それを願っているし、本当にうれしいです。

――反対に、何の制約もないとしたら、どういう作品を撮りたいですか?
「ハッピーエンドじゃないにしても何かしら救いがないと自分の中にはないかな、という想いが根本にはありますよね。だから、もし自由に作品を作るとしたら、救いがまるでない映画を撮ってみたいかな(笑)。とにかく何の意味もなく殺人が起こるとか、それは自分にないものだから撮ってみたいと思うのかもしれない」

©2014「想いのこし」製作委員会
取材・構成・撮影/鴇田 崇(OFFICE NIAGARA)

<関連サイト>
「想いのこし」(ポニーキャニオン) http://visual.ponycanyon.co.jp/pickup/movie/pcbe72939/
HY×映画「想いのこし」コラボ企画がスタート! 作品ポスタービジュアルも公開 https://www.entameplex.com/archives/14930