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【動画】マツモトクラブ、「巨乳好き。願望がネタに入っちゃってますね(笑)」


かつては劇団シェイクスピア・シアター所属の舞台俳優としての活動から一転、お笑いピン芸人へと転身を遂げた異例の経歴を持つマツモトクラブ。今年2月に開催された『R-1ぐらんぷり2015』では、敗者復活枠から見事決勝進出を果たすと、優勝候補の筆頭として名前の挙がっていた厚切りジェイソンらを退け、ファイナルステージへ。惜しくも“下克上”での優勝は逃したものの強烈なインパクトを残し、一夜にして話題の的となったことは記憶に新しい。

そんな彼が満を持して世に放つ初のDVD「ヒゲメガネthank you!」(5月27日発売)は、選りすぐりのベストネタのオンパレード! マツモトクラブの名を轟かせた「ストリートミュージシャン」はもちろんのこと、その続編となる2ネタなど見どころ満載な作品となっている。『R-1』放送後の反響ぶりや本作についてなど色々と話を聞いていたところ“最終目標”として、とてつもなく大きな夢まで飛び出した――。

――2011年に舞台俳優から転身されたそうですが、何故お笑い芸人になろうと思ったのでしょうか?
「元々、劇団で12~13年舞台俳優をやっていたんですが、自分の金銭面で(続けることが)難しくなって一旦辞めちゃって1年間ぐらい普通に仕事をしていたんです。その頃に、iPhoneを使って自分の声を録音して、動画を撮って、それをYouTubeにあげるということをやり始めたんですけど、それを見た劇団の時のお笑い好きな後輩が“お笑いの事務所があるから行ってみたらどう?”って勧めてくれて。お笑いの世界とかすごく好だったので、自分にできるかどうか分からないなと思いつつも、何もせずただ借金を返すためだけに生きている生活から新たな光を見たくて……気付けば今の事務所に入ってお笑いをやり始めていたという感じですね」

――では、一大決心で“お笑いをやるぞ!”っていうよりも、たまたま撮っていた動画がきっかけだったんですね。
「(YouTubeへの投稿は)遊び半分で楽しんでやっていただけですけど、それを見たまわりの人の意見でじゃあ挑戦してみようと。もちろん事務所に入るときには、“よし、やるぞ!”的な決心はありましたし、(お笑いを)始めたと同時に『R-1ぐらんぷり』に対する意識はありました」

――ひとりなのにクラブを名乗っていますが、芸名の由来は?
「本名が松本洋平なんですけど、YouTubeに動画をあげているときに、深い意味はなく動画のタイトルとしてマツモトクラブって書いてあげていたんですよ。それで芸人になったときに“そのまんまコレでいいや”って。でも、その由来だとあまりにもつまらなすぎるなと思って……、劇団ひとりさんって、ひとりだけどいろいろなキャラクターを演じ分けるという意味合いがあるじゃないですか!? だから、僕もピンですけど僕の中にいろんなクラブ部員がいますと言ったりしています(笑)」

――『R-1ぐらんぷり 2015』決勝進出をきっかけに、ようやく日の目を見ることとなったわけですが、それまでの間、苦労はありました?
「僕は割と楽しんだままここまで来られたかなというか……、お笑いを始めて4年目なんですけど、4年目で決勝まで行けたというのは、自分では早い方じゃないかなと感じています。劇団時代は言われたことをやるという状況でしたが、“自分の中でこうやったら面白いのに”とか色々とそういうエネルギーみたいなものがずっと溜まっていて……。お笑いをやり始めて、それがやっと出せたというか。自分で考えて自分でやって全部自分に返ってくるっていう今の状況がすごく充実していて楽しいです。苦しいことももちろんありましたけど、それ以上に充実していた4年でしたね」

――『R-1ぐらんぷり 2015』決勝戦の放送を観てマツモトクラブさんを知ったという方も多いと思います。放送直後の反響はいかがでした?
「Twitterをやっていて、それまではフォロワーが600人くらいだったんですけど、放送が終わってすぐに3000人くらいになって……そこからまた徐々に増えて今9000人くらいになりました。あと、街とか歩いててちょいちょい声をかけられるようになりました。メガネを外している時にはまったく誰も気付いてくれないので、わざとメガネをかけて(笑)。たまに声をかけてくれる人もいるんですけど“あっ! マツモトクラブだ”じゃなくて“あっ! R-1の…”みたいな名前が出てこないパターンですけど(笑)」

――メガネと言えば、本作のタイトル『ヒゲメガネthank you!』にもあるように、ヒゲとメガネにはこだわりが?
「お笑いを始めたころはヒゲもメガネもしてなくて。何となく“自分の顔に特徴がねぇな”と思うようになってから、ヒゲを生やしたりメガネをかけるようにしただけで、特にこだわりはないですね。メガネも伊達メガネなんですよ」

――そのルックスが “イケメン”とネットなどで話題になっていましたが、モテぶりも相当なのでは?
「普段よく出演しているライブハウスが池袋の先の千川というところにあるんですけど、これまであまりお客さんが来てくれてなかったのが、R-1以降格段にお客さんの数が増えているのは感じます。イケメン的な扱いはもちろん嬉しいですけど、多少戸惑いのようなものもあったり、下ネタとかやりづれぇなとか思うことも……でも、ちょっとイケメンに寄せにいってますね(笑)」

――収録のライブを拝見しましたけど、下ネタはどぎつくなく絶妙なラインで、女性から見ても笑えるネタになっていましたよ!
「ほんとですか? あ、じゃあよかったです(笑)。これからも、絶妙なラインを狙いたいですね 」

――ネタの中で“巨乳”というワードがちょいちょい出てきましたがマツモトクラブさんの願望も多少入ってる?
「巨乳は好きですね。ということは……、願望ががっつり入っちゃってますよね(笑)」

――ところで、ジャケット写真は浅草のホッピー通りで撮影されたそうですが、マツモトクラブさんたっての希望だったそうですね。
「僕がホッピー通りで撮りたいとお願いして、やらせてもらうことになりました。まさにイメージ通りです!」

――ジャケット写真のように昼間からお酒を飲むのが好き?
「こんなに明るいうちからお酒を飲めるというのは滅多にないですけど(笑)。このジャケット写真のような風景が自分の理想の休日ですね」

――目覚ましい活躍ぶりで理想に近付きつつあるのでは?
「ありがたいことに今までよりもライブに出していただけるようになったり、地方の営業などでネタをやらせていただくことは増えてきましたけど、自分の生活や金銭面という部分では、それほど変わっていないというか、まだまだこれからという感じです」

――マツモトクラブさんのコントは、音源や録音したセリフにのせてキャラを演じるという唯一無二のスタイルですが、タイミングやセリフの間など難しくありませんか?
「セリフのタイミングがちょっとズレるとおかしく見えたりすると思うので、気を遣いますね。音を編集していく時点で、パソコンから音を出しながら自分で喋ったりして、“このくらい間を空けておけばこのセリフが入るな”とか“このくらいの速度でセリフを言えばいいな”とか細かくチェックをしたり、練習しています」

――それは、かなりの作業ですね。ネタが浮かんでから客前で披露するまでどのくらい時間がかかるのでしょうか?
「設定とか思いつくまでが意外と長くて……、設定さえ思いついちゃえば、あとはサッとネタを書いて録音して編集してっていうのを一気にやっちゃうんで。時間にして、簡単なもので2~3時間でできちゃうときもあるし、ナレーションとかいろいろややこしくなるともっと何倍もかかったりします」

――ネタのスタイル今後も変えずこだわっていく?
「1回だけ、音を何も使わずにネタをやったことがあるんですけど、僕が舞台上で喋り続けていたら、どこで音が流れるんだろう? みたいな変な空気になりだして……、それで結局何も音が流れないままネタが終わったら“あれ?”っていう反応になっちゃって(笑)。
そういう音を使わないネタも、またどこかで挑戦したいなとは思いますけど、今やっているような形を今後も続けていきたいです」

――ネタ番組が少ない中、今後さらなる活躍をするためにネタ以外で考えていることはありますか?
「お笑いを始めたころは、まわりの芸人さんのように、トークとかうまくやんなきゃいけないんだと思って無理してたんですけど、“お前無理しないほうがいいよ、今のままでいった方が面白いよ”って言われてそこで少し気持ちが楽になって。今は、そんなにテンションの高くない普段のそのままの自分のようなボソボソとした感じでやっているんですけど、それだけではこの先ちょっと難しいかなと思います。まず、スラスラと喋れるようになりたいので、これからはネタのライブだけじゃなく、トークライブとかもやりながら成長していけたらなと思います」

――今後活躍の場が広がってもしも俳優の仕事のオファーがきたら?
「もちろん! チャンスをいただけるのであればそういうお仕事もやらせていただきたいです。だけど、お笑いライブはずっと続けていきたいです」

――もし生まれ変わるとしたらお笑い芸人をやりたいと思います?
「生まれ変われるとしたらミュージシャンになりたい(笑)」

――DVDの中でもマツモトクラブさん作詞作曲の楽曲を披露していますが、ミュージシャンとしてライブなどもありうる・・・・・・?
「ないですないです!」

――今後、思い描いている夢などはありますか?
「一番最後の目標は映画を作ることですね。それまで、今やっているお笑いのライブの活動もずっとやっていきたいですし、その中でチャンスがあればドラマや映画の現場にもチャレンジしたり、それで最終的に映画を自分で作るという位置にいけたら一番嬉しいですね。そうなりたいと思います」

――最後にDVDのみどころをお願いします!
「一本一本、自分の好きなネタを選ばせてもらいました。DVDをひとつの作品と言っちゃうとハードルが上がっちゃいますけど、とあるひとつの物語を観たという満足感を持っていただきたいなと思って作ったので、そう感じていただけたら嬉しいです」


マツモトクラブ DVD「ヒゲメガネthank you!」(5月27日発売)

■ストリートミュージシャン(ライブ)
■3丁目のコンビニ(ライブ)
♪「時代」そば処 三久
■授業(ライブ)
 ハブラシ戦争①
■記念写真(ライブ)
■少年の夢(ライブ・ストリートミュージシャン続編)
■キャッチボール(ライブ)
 ハブラシ戦争②
♪「おとこのこおんなのこ」
■プラットホーム(ライブ)
■あなたが私にくれるもの(ストリートミュージシャン続編・撮り下ろし)
■4丁目のコンビニ(ライブ)
♪「旅立ち」
 ハブラシ戦争③
エンディング ♪「かえるべき場所」

<関連サイト>
マツモトクラブ http://neet-project.com/profile/matsumotokurabu/
マツモトクラブ、初のDVD『ヒゲメガネthank you』の収録内容&ジャケ写公開  https://www.entameplex.com/archives/20241