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夕輝壽太“これは一生自慢できること” あぶ刑事リレーインタビュー#1


1月30日に公開となる映画『さらば あぶない刑事』。
30年に渡る人気シリーズも、今作をもっていよいよファイナルに!

そこで、今回エンタメ・プレックスはこの話題作の出演者陣に連続インタビュー。
まず最初に登場するのは、舘ひろし&柴田恭兵演じるタカとユージに吉川晃司とともに相見えた夕輝壽太。見事大役を演じきった夕輝だが、今作に出演するにあたっては並々ならぬ思いがあったようで……。

――夕輝さんは1985年生まれ。一方で「あぶない刑事」シリーズは86年にスタートです。

「そうなんですよ、ほぼ同い年。そんな作品に参加できるなんて奇跡ですよね。まだ出られるかわからない、オーディジョンの段階からかなりアピールしました(笑)」

――どんなアピールを?

「まずは言語ですね。映画ではスペイン語を話す場面があるんですけど、僕はポルトガル語ができるので、まずはそれを披露しました。そして、坊主の役所だったのでスキンヘッド時代の写真を忍ばせていったり。当時はまだ(体も)仕上がってなかったんですけど、普段から体を鍛えるのが好きなので大きくなれることを服を脱いでアピールしたり。最終的にはブラジルの父の写真まで見せたり(苦笑)。とにかく出たかったので、ありとあらゆるアピールをしました」

――でも、そのかいあって無事に出演することが決定したわけで。

「出演が決まった瞬間はとにかく嬉しかったけど、すぐにプレッシャーに変わり、その後は自分との戦いでした。歴史ある作品に自分が出る、足を引っ張るわけにはいかないですし。あとは、スペイン語も死ぬ気で勉強して、オーディションで体を大きくできるとアピールしたので、それも必死で仕上げました(笑)」

――そもそも「あぶない刑事」にはどんな印象を持ってました?

「正直に言えば、僕は再放送で観ていたぐらいのレベルでした。ただ、舘ひろしさんと柴田恭兵さんは自分の中でお会いすることなんてできない、伝説的な俳優というイメージだったので、それこそ共演できることは奇跡でしたね。撮影中もすごい現場にいるなって思ったし、それは今も変わりません。これは一生自慢できることだと思ってます」

――舘さんと柴田さんと、実際に共演してみてどうでした?

「もちろん緊張しました。しかも、最初の撮影がおふたりとのカットで、それも取り調べのシーンだったんです。舘さんと柴田さんにはむかうという、いきなりハードな場面で……」

――あれは……超態度デカかったですよね、夕輝さん(笑)。

「最初からあれはヤバいですよね(笑)。台本を読んだときにいつかはくると思ってましたけど、まさか初日にここのシーンかと。でも、現場に入ると柴田さんが読み合わせをしようぜって声をかけてくれたり、舘さんもやりたいようにやりなと優しいお言葉をかけてくれて。だいぶリラックスできましたけど、それでも心臓はバクバクでした(笑)。前日も本当に寝れなくて、逆にいい感じのクマができていてよかったかも」

――柴田さんはアドリブもスゴいと有名ですが、そのあたりどうでした?

「本当に台本にないことがどんどん起きましたね。最初はさすがに緊張しましたけど、徐々に“来たぞ!”って感じで、すごく楽しめました」

――あと、夕輝さんは今回アクション初体験だったとか。

「簡単なアクションは経験ありましたが、本格的なものは初めてでした。受け身の練習から始めて、柔術もやりましたし、銃も今まで使ったことがなかったので家に持ち帰っていろいろ試行錯誤した結果、今では分解もできるようになりました」

――それはスゴい!

「最初、分解のシーンも予定されていたんですよ。最終的にはなくなったんですが(笑)。でも、それを学べただけでもよかったし、アクションは楽しかったですね。もっとやりたいと思いました。アクションってただ型を覚えるだけじゃなく、カメラとの位置関係も意識しなくてはいけないし、かなり深い。細かい部分では自分はまだまだ勉強不足で、そういったことも含めて面白いと思いましたし、これからもやっていきたいですね」

――今回、夕輝さんが演じるディーノ・カトウはかなり危ない役柄ですよね。もし実際にいたら、なかなか友達になれないような。

「多分、友達にはなれないですね(笑)。ここまで狂気に満ちた役は初めてでしたけど、今回モチーフにしたマフィアがあって、それをすごく調べて撮影に挑みました。彼は顔までタトゥーが入っていて、体つきもいいんですけど、何より目がヤバいんですよね。その目作りは、資料から想像するしかなかったんですが、みんなが共通してもっている狂気を出せるように、そこはかなり意識しました」

――撮影で印象に残っていることは?

「全てが印象的でしたけど、村川監督と仙元さん(撮影)とご一緒できたことも大きかったですね。撮影中、うまくいかなくなることもあって、そこで村川監督は“できないことはない”と仰っていて。失敗して出来ないことがあったら、そこで諦めないで何故出来ないのか考え、出来るにはどうしたらいいのか考える。諦めちゃいけない。その言葉がすごく印象に残っています」

――それは重い言葉ですね。

「ある意味、究極の言葉だと思うんですけど、でもそこは僕も目指したくて。今後もいろいろな役を演じることがあると思いますが、できる為にはを日々詰めていこうと思いました。人生で壁にぶつかったときに、この言葉を思い出して頑張っていきたいです。そういう意味でも人生に残る作品になりました」

――夕輝さんから見て、舘さんと柴田さんが演じるタカとユージとは?

「男女問わず、どの世代の人が見てもかっこいいと思えるはずですが、特に若い方にぜひ観てほしいですね。こんなにダンディで、色気のある人はいないので」

――夕輝さんもそんな2人に憧れます?

「もちろん。それは現場でもすごく感じました。男なのにドキドキしましたし、惚れ惚れするような色気があって、これはどうすれば出せるのか考えました。ただ、いまだにその理由はわからないんですけど(笑)」

――タカとユージのような生き方がしたい?

「僕は庶民的なところがあるので、リアルにあの2人のような人生を送るとなると……正直キツイですね(笑)。でも、だからこそ憧れるというか、目標にしたいとは思います」

――最後に、今作の夕輝さんなりの見所を。

「すごくテンポがいい作品ですし、すごくコミカルで、コメディ要素を楽しむこともできる映画だと思います。今回タカとユージは今までにない海外マフィアと戦うわけですが、そこでの2人のかっこよさ。30年前と変わらぬアクション。今まで追いかけていた方々も確実に楽しめるシーンがたくさんあるので、ぜひみなさんに楽しんでほしいです。今、本当にたくさんの映画がありますが、この作品はここまでやるか! っていうほど、いろいろと詰まっています。アクションもすべて本人がやっていて、CGもありません。あのお二方の活躍は間違いないのでぜひ劇場で観ていただきたいですね」

――そんな2人が今回で……あれは衝撃的でした。

「ですよね。ホント“あぶない”です(笑)。30年間の結晶として、ひとつひとつのシーンを噛み締めながら、おふたりのかっこいい姿を焼き付けてほしいですね」

映画『さらば あぶない刑事』は、1月30日(土)より全国ロードショー!
© 2016「さらば あぶない刑事」製作委員会

<関連サイト>
映画『さらば あぶない刑事』 http://www.abu-deka.com
夕輝壽太 http://official.stardust.co.jp/jyutta/
柴田恭兵が「あぶない刑事」ファイナルに本音「本当は70歳を過ぎてやりたかった」 https://www.entameplex.com/archives/26513