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安田顕「下町ロケット」でブレイクするも山手線でまったく気づかれず

1月30日、都内にて映画『俳優 亀岡拓次』の初日舞台あいさつが行われた。

この映画は、「脇役メインの俳優」の不器用で愛すべき姿を描いた物語で、舞台あいさつには主演の安田顕、キャストの麻生久美子、原作者の戌井昭人氏、そして横浜聡子監督が登壇した。

安田は、人気演劇ユニット:TEAM NACSのメンバーでもあり、昨年は「龍三と七人の子分たち」「ビリギャル」「みんなエスパーだよ!」などの映画に出演。またテレビドラマ「下町ロケット」(TBS系)でも個性的な演技を見せ、話題を呼んでいる。

登壇者たちは、立ち見まで出る満席状態に驚きを隠せず、感謝を述べた。安田は、2015年の日刊スポーツ映画大賞・助演男優賞にノミネートを受けるなど、実生活でも“名脇役”として注目を集めているが、この話題に触れると「ノミネートはされるんですけどねぇ…」とつぶやき「受賞できないことに慣れてきた」とコメントした。

また、近年のブレイクぶりについて話が飛ぶと、安田は「もうちょっと感じさせてくれよ、と思いますね。今日、ここに来るために支度して山手線に乗るじゃないですか。最近もこの映画でいろいろ宣伝に出させてもらっているし、どれくらい『ヤバイ! オレどうしよう!』と思えるか、帽子をバッと取ったんです。ひとりも気づかない。もうちょっと、後ろ指くらい指してくれって」と笑いを誘った。

撮影期間は17日間、安田と麻生との共演は3日間だったそうだ。安田の現場での様子を麻生は「こんなに面白い人じゃなかったです」と言ってのけ「セットの一部かのように座ってらっしゃった」「休憩になっても動かない」と続けた。

反対に麻生について、安田は「(映画内の麻生は)キレイに映ってますよ」と評した。これに会場がざわつくと、失言に気づいた安田が「今もキレイですけど!」「本当にキレイな方」とフォローを入れ、麻生は「ありがとうございます…」と腑に落ちないさまを見せた。

戌井氏も端役としてこっそり映画に出ているが、現場の安田を見て「憑依型の役者」だと感じたという。この点は安田のプライベートでも影響を与えているらしく、現在でもテレビドラマ「問題のあるレストラン」(フジテレビ系)で演じたオカマ役が抜けないとのことで、バッグを、つい持ち手を上腕と前腕の間に通して女性のように持とうとしてしまうとか。

舞台あいさつは終始なごやかなムードで進み、最後に安田は「長いこと横浜監督はこの映画に対して情熱を持って取り組んでおられたし、戌井さんの原作がなければこの映画もなかった。いろんな人たちが長い年月を経て、出来上がったと思っております。今日公開となり、私としては皆さまとの橋渡しになれば光栄です」と場を締めくくった。

映画『俳優 亀岡拓次』は、テアトル新宿、ヒューマントラストシネマ渋谷ほかにて全国上映中!

© 2016『俳優 亀岡拓次』製作委員会