Entame Plex-エンタメプレックス-

『アーロと少年』のエンドソング『Best Friend』を収録したKiroro久々の作品をリリース!


これまでたくさんのヒット曲を生んできたKiroro。
ともに沖縄出身のボーカル・玉城千春とピアノ兼キーボード・金城綾乃は、今や3人の子供を持つお母さん。そんなKiroroが久々となる作品『子供といっしょにききたいキロロのうた』をリリース!
今作にはディズニー/ピクサーの新作映画『アーロと少年』のエンドソングにもなった名曲『Best Friend』(新バージョン)をはじめ、『未来へ』や『生きてこそ』など珠玉の名曲をたっぷり収録。Kiroroならではの温かみのある音楽は、まさに子供と一緒に聴きたい、そして歌いたい曲ばかり。

そんな今作に関して、さらには子供のこと、さらには今後のこと……いろいろと話を聞いてみました。
彼女たちならではの子育て方法や子供と音楽の関係性なども話してくれているので、特に今子育てに悩んでいる方、必見です!

――作品のリリースは約7年ぶりとなるわけですが……。

金城綾乃(以下、金城)「そんなにご無沙汰だったんですね(笑)」

玉城千春(以下、玉城)「すごく久しぶりにレコーディングをして、すごく楽しかったし、嬉しかったです(笑)。もう毎日ウキウキワクワクで感動しました」

――久々の作品『子供といっしょにききたいキロロのうた』にも収録されている2人の代表曲『Best Friend』が、今回ディズニー/ピクサーの新作『アーロと少年』のエンドソングに決定したときの感想は?

金城「もう、びっくりしました。『Best Friend』は『ちゅらさん』(2001年に放送されたNHK連続テレビ小説)のイメージがすごくあって、新たにこんな素敵なお話がくるなんてって感じです」

玉城「ありがたいお話だよね。しかも、ディズニーの映画となると子供も喜んでくれるし。お母さんのこと尊敬してくれるかな……みたいな(笑)」

――それは絶対ありそうですね(笑)。ちなみに映画はいかがでした?

玉城「とても素晴らしい作品でした。今この時期にこの映画に出会えてよかったって心から思います」

金城「何かを乗り越えることの大切さをシンプルに、わかりやすく伝えてくれる映画です。だから子供から大人まで、みんなが楽しめると思います」

玉城「私たちからすると親目線でも見れるし、1人の人間としても見れるんです。映画に出てくるアーロと少年の関係性が、私たち2人の関係性とも重なって、いろいろ乗り越えてきたことを思い出したりして。それに、アーロのお父さんの言葉で“怖さを乗り越えて、受け入れたからこそ見える景色がある”って言葉がすごく印象的で。私たち自身、『Best Friend』を作った15年前、のどを痛めたりしてすごく怖かったんです。今でもステージに立つときには怖くなる瞬間があるんですけど、それを乗り越えてきたからこそ今がある、新しい世界が見えるんだなって改めて思って。あのとき乗り越えてよかったなって本当に思いました」

――自分とリンクする部分もたくさんある映画なんですね。

玉城「それは私たちだけじゃないと思います。みんなが自分と重ね合わせられると思うし、いろいろな視点から見れるので、ぜひたくさんの方に見てほしいです」

金城「そんな素敵な映画に『Best Friend』が使われているのも光栄ですし、この曲の歌詞に込めた思いと映画の内容がすごくリンクしていて感慨深いというか、こんなふうに『Best Friend』をまた聴いてもらえることが何より嬉しいです。私たち自身、新鮮な気持ちで聴くことができました」

――今作は“子供といっしょにききたい”とタイトルからして直球の作品ですね。

玉城「子供と、子育てをしている方々にぜひ聴いてほしい作品ですね。一緒に子育て頑張ろうねっていう思いを込めて作ったので」

金城「子供たちが素直に楽しめるような曲があれば、お父さん、お母さんに伝えたい曲もあるし、この作品を聴いてみんなが優しい気持ちになったり、心がホクホクになってもらえたら最高ですね」

――もともと子供に向けて作っているわけじゃないと思いますが、Kiroroさんの曲は子供たちにもすごく伝わるものがある、それを改めて感じました。

玉城「そう言っていただけると嬉しいですね。私たちの曲は自分たちの葛藤であり、成長過程でもあるんです。そして、そういった思いを通して聴いていただく方にみんな同じように感じているんだよ、ひとりじゃないよって伝えたくて。実際、私たちも今はアーティストとして夢のような世界にいますけど、家に帰ったらすぐに現実の子育てが始まりますし(笑)。これはみんな同じように頑張ってる、だから一緒に頑張ろうっていう思いを込めたプレゼントみたいな作品です」

――お2人は実際に子育てをされているわけですが、やっぱり子供には音楽って大事だと思いますか?

金城「大事ですね。私も毎日聴かせてます。音楽ってコミュニケーションなんですよ。それは、子供が好きな曲を一緒に歌ってもいいし、親が好きな歌を歌うのでもいいし。そうすることで共有できる部分があると思うんです。一緒の気持ちになれるというか。音楽は心をひとつにする、そんな空気感というかパワーがあるのかなって思います」

玉城「私たち自身、生活の中から歌が生まれて、そこには思いを受け継ぐようなところもあるのかなって思うんです。もともと歌は生きる術とかを伝えていく手段でもあったわけで。子供に聴かせるときにはそこまで深く意識はしていないですが、親が好きな曲を聴かせるにしても、そのときは意味がわからない歌詞も子供が大きくなって意味がわかるようになったときにこんな歌詞だったんだな、お母さんはこんな気持ちだったんだなとか、ちょっとでも愛情を感じてくれたら嬉しいですよね」

――そう考えてみると、今回の作品は子供と聴きたい曲であり、一緒に歌いたい曲でもありますね。

金城「そうですね。ぜひ歌ってほしいです!」

玉城「そして踊ってほしい(笑)」

――アルバムに収録する曲を選ぶのは大変でした?

玉城「大変ということはなかったですね。テーマもしっかりとしたものがありましたし。ただ、久しぶりだったこともあって、どんな曲だったかいまいちはっきり覚えていない曲もあって(笑)。基本的にはテーマに基づきつつ、今もライブで歌っている曲や子供が生まれてから作った曲も入れるようにしました」

金城「自分たちが子育てを経験してみて、こんな曲があったら楽しいよな〜っていう感じで選んでましたね。曲順もいろいろ想像しながら並べていったり」

――子供が生まれる前と後では音楽に対する思いや、曲作りなども違ってくるものですか?

金城「違いますね。曲作りに関しては子供が生まれる前は自分だけの思いが強かったと思います。今もそういう部分はありますが、やっぱり子供たちのことも大きい。こんな世界になったらいいなとか、目線が広がった感じというか」

玉城「一人称ではなくなったよね。そうだったとしても、みんなに向けて曲を作るようになったり」

金城「より優しく、大きな気持ちになりましたし、命を育んでいくことの大切さとか、そういったことに思いがシフトしてきましたね。でも、それは私たちがもともと持っていた思いと根本的な部分では違わないと思います」

――それは歌の部分でも同じですか?

玉城「変わったと思います。以前は、辛いことも嬉しいことも自分だけだと思ってひとりぼっちのような感じがしていたけど、今はそうじゃない。みんながいて、子供もいて、私だけじゃないって思えるようになったんです。だからこそ強くなれたし、楽観的にもなれたし。私は子供ができていい方向に作用したかなと思います」

――では、子育ての先輩として世の中のお父さん、お母さんにアドバイスをお願いします。

金城「当たり前のことでもあると思うんですけど、何事にも誰かの思いが入っていて、全てのことに感謝する。生きていることも当たり前じゃないんだよって心持ちを共有する。それが子供たちと一緒に1日1日を大切に生きていく上で大事なのかなって思います」

玉城「私が教えられることなんてないんですけど……ひとつ言えることはいつも愛してるよ、大好きだよって伝えられる自分でありたい。私は両親が共働きで寂しかったこともあって、だからこそ子供たちには親としての愛情を言葉や、ときに抱きしめてあげたりして伝えたいんです。私自身、心が不安定だったこともあったけど、それが安定できるように、そして子供たちがハッピーに生きられるように一緒に頑張って成長していきたいと思ってます」

――音楽活動の部分では、昨年はHYの仲宗根泉さんと「さんご」を結成されたりもしていましたが、今後は?

玉城「今はできることを丁寧にやっていくだけですね。子育てをしながら1カ月に数回ライブもやらせてもらっていて、そこで全力で歌を歌ってみなさんと共有し、愛に包まれた気分のまま帰ってもらい、私たちもパワーをわけてもらう。そんな活動を今は続けていきたいと思っています。音楽を大切にして、その延長線上で新しい曲ができたり、今回の『アーロと少年』のような素敵なお話がいただけたら最高ですね。ただ、今は自分たちから積極的に動くというのはちょっと難しいかな……」

――でも、2016年はインディ・デビューから20周年ですよ。

玉城「そうみたいですね(笑)」

金城「メジャー・デビューは2年後に20周年、それはわかっていたんですけどね」

――何かあるのかと期待していたのですが……。

玉城「……(苦笑)。インディ・デビューとメジャー・デビュー2つ合わせて、何ができるかゆっくりゆっくり考えたいと思います」

<関連サイト>
Kiroro http://www.victormusicarts.jp/kiroro/
Kiroro、8年振りの思い出のステージで「アーロと少年」日本版ED曲「Best Friend ~Mother Earth Version~」を初披露 https://www.entameplex.com/archives/27316