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松山ケンイチ「とんでもない作品になった」期待大の意欲作『連続ドラマW ふたがしら2』インタビュー!


“この続編にすべてぶつけた”“とんでもない作品になった”そう自信たっぷりに、作品への手応えを語ってくれたのは、松山ケンイチ。
ストイックな役作りで知られる彼が、強い思い入れを持って挑んだのはWOWOW連続ドラマ初の時代劇『連続ドラマW ふたがしら』。その続編となる『ふたがしら2』が9月17日(土)より放送スタートする。

オノ・ナツメによる同名人気漫画を原作に、劇団☆新感線の中島かずき脚本による粋な台詞回しとハラハラ&痛快なストーリー展開は、老だけでなく若をも魅了する新感覚な時代劇に。早乙女太一演じる頭脳明晰でクールな宗次とともに“脅さず殺さず、汚え金を根こそぎいただく”がモットーの盗賊一味「壱師」を築き、江戸一の盗賊集団を目指す弁蔵を演じた松山。今回は本作の見どころとともに、作品への熱い気持ちを思う存分語ってくれた。

――シーズン2の制作が決定したときはいかがでした?

「続編はいろんなことをクリアしないと出来ないので、そこをクリア出来たということにまずホッとしたのと、弁蔵と宗次が“壱師”という盗賊の一味を作ったそのあとの話をやりたかったので、決まったときはものすごく嬉しかったです」

――前作でも手応えを感じていました?

「手応えっていつもあるようでないような……、自分が出演していますから、やっぱり反省点ばかり感じちゃいますね。思い入れがすごく強くて、とても好きな作品なのでどうしても期待値も上がっちゃう。だから、前作を観てもうちょっとこうしたかったなっていうものを、この続編にすべてぶつけた感じです。もう何も出せないくらいに(笑)」

――松山さん自身は、続編でどんなことを魅せたかった?

「前作は弁蔵と宗次が一味を作るまでの話で、いろんなところに行って成長していく過程を描いたロードムービーのような感じでした。裏稼業の厳しさのような部分は、シーズン1でも甚三郎(成宮寛貴)の“赤目(盗賊の一味の名称)”で表現されていましたが、“壱師”も盗賊集団として向き合っていかなきゃいけない部分もある。“脅さず殺さず、汚え金を根こそぎいただく”をすごく大事にしている一味ですが、そんな裏稼業がいとも簡単に出来ちゃうような世の中じゃないと思うんですよね。そこの難しさみたいなものもきちんと表現したいなと感じていました。続編の台本を読んだときに見事にそこが描かれていたので、撮影に入るのがとても楽しみでしたし、撮影が終わった今、とんでもない作品になったんじゃないかなっていう手応えはあります」

――早乙女さんとも再共演で、2人の信頼関係も深まったのでは?

「太一くんとは前作も初めてじゃなかったのですが、撮影中は常に一緒にいましたね。信頼関係というよりも、弁蔵と宗次の佇まいみたいなものを意識して普段も生活していたような気がします。今回はかなり忙しかったので一緒に飲みに行ったりとかあまり出来なかったんですけど……。お互い前作のままの弁蔵と宗次の関係だと面白くないんで、現場では常にプレッシャーをかけあってたような気がするんですよね。太一くんが違う一面を出してきて、僕もそれを見て何か新しいものを入れてやろうと思ったり。お互いにそういう圧を掛け合ったり、触発される部分はあったかな」

――作品としてもよりパワーアップしたという感覚も?

「そうですね。太一くんに限らず、それは成宮さんも菜々緒ちゃんも入江(悠)監督も脚本家の(中島)かずきさんも、きっとみんな前作を超える作品にしてやろうという意気込みを持って臨んだと思います。2回目という安心感もありつつ、前作よりももっとはみ出そうぜ! 限界までやってやろうっていう雰囲気は、常に現場に流れていたような気がしますね」

――入江監督とはどんな話をしました?

「台本を読んで、裏稼業の厳しさというものをすごく感じました。でも、その厳しさの中にも一味が自由に泳いでいる感じは絶対にあったほうがいいなと思ったので、“クスッ”と笑えるというか箸休め的な部分は作りたいですねって話をしましたね。入江監督は、小さいことでもすごく面白がってくれて、役者の演技を活かしてくれるので、みんなでアイデアを出し合ったり、アドリブで掛け合いをしたり……そういう現場の空気感は作品に出ていると思います」

――続編では第3・4話を吉田亮監督がメガホンをとったそうですが、違いはありました?

「描いている人物は一緒ですけど、演出方法はそれぞれ全然違いましたね。吉田監督の方が細かいというか、いい意味でネチネチしていたような(笑)。そのネチネチ感がどうなっているのか、ものすごく楽しみなんですよ」

――宗次とともに“壱師”を束ねる立場を演じましたが、松山さん自身、リーダーはこうあるべきというような理想はありますか?

「宗次はものすごくまともですけど、弁蔵ってただ博打しているだけですからね(笑)。でも、ちゃんとやるときはやるというブレない部分があるから、大負けしても『だめだな~、これだから親分は…』って笑っていられる人が周りにいて、弁蔵のようなキャラでもリーダーとして成り立っているような気がするんですよね。もちろん、リーダーは懐が深くなきゃいけないですけど、その周りにいる人も懐が浅いとうまく回らないし、リーダーをどう持ち上げるかっていうこともすごく大事だと思います。『馬鹿だな』って笑って許せる大らかさじゃないですけど、『男はつらいよ』の寅さんの周りの人みたいに心に余裕のある感じがいいですね。あと、将棋棋士の羽生(善治)さんってずっと勝ち続けてきた孤高の人で、将棋界のリーダー的存在ですけど、羽生さんひとりだけが強いんじゃなくて、対局する相手の実力も底上げしながら勝ち上がっているのがすごい。やっぱりそういう部分は目指すべきところだなと感じますね」

――松山さんも主演や座長の立場として現場に立つことが多いと思いますが。

「自分が引っ張ってるぞという感覚は全くないですね。むしろ僕は、周りの人たちに助けられているなって感じることのほうが多いし。照明部、撮影部、演出部、そして役者たち、現場にいるみんなをどこに出しても恥ずかしくないように、100%のパフォーマンスが出せる環境づくりをやらなきゃいけないなって思いながらやっています」

――“赤目(弁蔵と宗次が属していた一味)”を飛び出して、自分たちの一味を作ろうと切磋琢磨したように、松山さん自身も10代で青森を飛び出して上京してという境遇は、重なる部分も?

「青森から出て来た当時、右も左も分からず東京が海外のようなものだったし、怖かったけどまぁやるしかないと。その頃は周りを見る余裕なんてなかったし必死になってやるしかなかった。今はいろいろと経験をするなかで、自分の懐が深くなったというか、自分が好きなこと嫌いなことにもちゃんと向き合えているかなって」

――今の松山さんを見ていると役者として脂ののっている時期だと感じます。

「仕事は、この人となら面白いことが出来るんじゃないかっていう縁みたいなものだから。やり続けていれば、新しいことに挑戦する機会もおのずとやってくるのかなと」

――今作のように続編を望まれてこそ俳優として一人前だという人もいます。松山さんにとってこの作品はどんな作品になりましたか?

「今回、続編をやらせていただけたことは役者としても本当にありがたいことだと思いますし、とても感謝しています。WOWOWさんも懐が深いなと(笑)。続編ができたのは、みなさんの力だと思いますし、たくさんの人と一緒に作品にどんどん携わっていきたいなって改めて感じました」

――シーズン2を撮り終えて3への意欲は?

「今はないですね。『ふたがしら2』でも自分がやりたかったことを存分にやらせていただいたし、前作とはまた全然違った色になっています。シーズン1では1なりの答えがあって、シーズン2にも2なりの答えがちゃんとあるので、今はやり切ったぞという気持ちでいっぱいです。何があっても折れない弁蔵と宗次の姿を、ぜひ観ていただきたいです」

土曜オリジナルドラマ『連続ドラマW ふたがしら2』は、9月17日(土)よる10時より、WOWOWプライムにて放送スタート! (全5話/※第1話無料放送)

©オノ・ナツメ/小学館 ©2016 WOWOW/ホリプロ

スタイリスト:五十嵐堂寿
衣装協力:dunhill(Richemont Japan Limited)
ヘアメイク:遠山美和子(THYMON Inc.)

Photo by 竹内洋平

<関連サイト>
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