坂本龍一にとっての自由「過去は繰り返したくない」
「普通には飽きちゃった」アーティストの坂本龍一は何度もそう口にした。10月25日、舞浜アンフィシアターにて「新型Jeep® Wrangler発表会」が開催。坂本と『WIRED』日本版の元編集長・若林恵がトークショーを行なった。
会場は、メディア関係者やジープ・ディーラーなど多くの来場者で埋め尽くされた。はじめに販売代理店であるFCAジャパンの代表取締役社長 兼 CEOのポンタス・ヘグストロム氏が登壇。現在の国内におけるビジネス状況を説明した。ヘグストロム氏によると、日本は世界におけるジープセールスの40%を占め、北米を除く最大のマーケットだという。
続いて、Jeep® USデザイナーのクリス・ピシテリ氏が登壇。伝統を受け継ぎながらも新たに手を加えた新型ラングラーのデザインについてプレゼンテーションする。
また、ニューヨーク在住のアーティスト・DRAGON76氏の描いた新型ラングラーのグラフィックアートも登場。「ジープのコアバリューである『自由』『本物』『冒険』『情熱』にインスピレーションを受け、この作品を仕上げた」とDRAGON76氏は語った。
ゲストパートのトークショーでは、坂本と若林が「自由」や「本物」について話した。事前の打ち合わせをしなかったというふたり。理由は、坂本が“打ち合わせ嫌いだから”。坂本は「打ち合わせをすると、そっちで話が盛り上がって本番がつまらなくなっちゃう」と理由を説明した。若林は「今回のキーワードである『自由』に合っている。坂本さんはオープンエンドを大事にされている」と感服。
音楽の作り方にも、坂本の自由は反映されている。「起承転結は僕も学校で習ってきて、きちっと作ることはできる。でも飽きちゃって。つまらなくなってしまった」「同じようなことをしても面白くない。自分の過去は繰り返したくない」。そう坂本は口にした。
昨年リリースした8年ぶりのアルバム『async』には、その思想が強く反映されているという。「今までの手法を全部頭から取り払って、好きなこと、やりたいことだけに集中した。それは意外にも18歳くらいの頃、やろうとしていたことに似ていた」「当時にやろうとしてできなかったことに今は取り組んでいる」と坂本は静かに語る。
また坂本は「『async』は僕にとって地図にない山。新たな自由だった。ところが登頂したら、向こうにまた見たことのない山があった。そっちに登りたくなって今よちよち向かっているところ」と、次の創造への意欲を見せていた。
発表会の最後には、ゴスペルスクエアシンガーズが、「自由」をテーマにしたジープオリジナル楽曲を披露。クライマックスにはFCAジャパンの社員もステージに上がる。来場者全員で手拍子しながら「フリーダム!(自由)」と大合唱し、イベントは終了した。
<関連サイト>
「Jeep® Wrangler」
https://www.jeep-japan.com/wrangler.html