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コロナ禍で変わる学びのカタチ 東京と仙台繋ぐ課外授業


新型コロナウイルス感染拡大が教育現場にも大きな影響を与える中、仙台白百合学園小学校(仙台市)とITスクールのアントレキッズ(東京都渋谷区)による新たな取り組みが始まった。

仙台白百合学園小学校では7月13日、体育館を教室代わりにリモートのプログラミング課外授業を実施。オンライン会議システム「Zoom(ズーム)」を活用し、アントレキッズの太田先生が東京から6年の1クラスに向け、授業をした。

オンライン授業は午後の5、6時間目で、教育用のプログラミングソフト「スクラッチ」を使って行われた。体育館には、学習机といすが間隔を開けて並び、約20人のマスク姿の生徒らは真剣な表情でラップトップパソコンの画面を見つめる。最終目標は、キャラクターから弾を発射する射的ゲームのようなプログラミングだ。

「どうしたらいいか、一度みんなで考えてみましょう」。一度説明したあと、キャラや背景をどんなものにするか、太田先生が生徒らに呼びかける。キャラの行動を指定するブロックを組み合わせてプログラミングを構築していくスクラッチは、プログラミング初心者にはうってつけだ。生徒らは思わず首をかしげたり、一方で難なくブロックを組み立てたりと、のめり込む。

2コマ目が終わる頃、ほとんどの生徒が「簡易シューティングゲーム」を完成させた。授業後、太田先生とのチャットでは「絶対にいえでやります」「お家で、お母さんとやってみたいです」「でも少し難しかったなぁ」などの言葉が飛び交った。

画面越しのリモート授業については「自粛期間中にしていたのでやりにくくはなかった」との声も。また別の生徒は「周りに先生がいたから安心してできた」と顔をほころばせた。

同校の教員は「我々も専門的な知識に限りがある。今回のように遠隔的に学べるのはよかった」「日本全国どこでもつながり、(優れた教師が)きてくれるのはすごく魅力的」と手応えを感じたようだ。

今回の取り組みを下支えしていたのが、パソコンを中心とした配信機材だ。特に遠隔で配信授業を行う場合は、配信のためのインフラと、機材が非常に重要となる。今回の授業でも、滞りなく東京からの配信授業を行うため、機材のスペック・セッティングを検討し、手配した。

遠隔地からリアルタイムで動画を配信する場合、同時中継するZoomの起動を含め、高スペックのプロセッサー(CPU)を搭載するパソコンが必要になる。今回は配信用パソコンにインテルCore i7-8650Uプロセッサー搭載の「インテル NUC」を、生徒が触れるタブレットは他の学校も多く活用するインテルのPentium Silver N5000プロセッサー搭載の11.6型「MousePro P116B」を使った。

結果として当日は通信・機材含め滞りなく授業が展開できたため、今後遠隔で配信授業を行う際の、1つのモデルケースとなりそうだ。

今年4月より学習指導要領に導入されたプログラミング教育。慣れない分野に教育現場で不安が残る中、距離を問わずプロとつながるリモート授業が道を開くか。

<関連サイト>
アントレキッズ
https://entre-kids.jp