「出発進行!」りんかい線・新型車両の初お目見えに歓喜
東京臨海高速鉄道株式会社は1日、りんかい線・東京テレポート駅(東京・江東区)にて、りんかい線 新型車両『71-000形』出発式を開催した。本イベントは、同社開業以来、初めて導入することとなった新型車両『71-000形』が同日より営業運転を開始することを記念しておこなわれたもの。
改札内コンコースでの式典では、代表取締役社長の西倉鉄也氏が登壇。2026年3月に、第一期区間である新木場~東京テレポート間の開業から30年の節目を迎えるにあたり、「私たちは、コロナ禍を経た次のステージにおいて、向こう3年間を計画期間とする『中期経営計画2025』のもと、持続可能な経営と新たな事業展開を目指し、着実に歩みを進めている」と胸を張る。さらには、「営業運転を開始した新型車両『71-000形』は、まさにこの新たなステージの象徴になる」とも。
開業以来、多くの人々の足となり活躍してきた『70-000形』から『71-000形』へと打って変わる、同社初の“世代交代”となり、「2027年度の上期には、全8編成、80両の導入を完了する予定」と西倉氏。
このたび新たに導入された『71-000形』は、安全性・安定性・快適性・バリアフリー・セキュリティの全てにおいて、「現行の車両を大きく上回る性能の実現を目指した」という。例えば、衝撃による変形を起こしにくい車体剛性による安全性の強化、主要電気機器の二重系化による(輸送における)安定性の向上、防犯カメラや通話式非常通報装置の増設による車内のセキュリティ強化など、「現代の多用なニーズに則した機能を搭載している」と説明。
また、照明の工夫、座席の改良などにより、快適性を高めているほか、車いすやベビーカーを利用する乗客のためのフリースペースを全ての車両に設置するなど、「バリアフリーの推進にも力を入れた」と声を大にした。
そんな新たな車両を彩る外観デザインはというと、前面は『70-000形』の丸みのある面影や色彩を継承しつつも、乗客たちにより親しみを感じてもらえるようにと「“優しい微笑み”をイメージし、側面(のカラーリング)は、海や波をモチーフにエメラルドブルーのグラデーションで東京湾ウォーターフロントの水辺の空間を表現している」と話す。
また、りんかい線が走るエリアでは、多目的次世代アリーナ「TOYOTA ARENA TOKYO」(江東区・青海)が10月3日(金)に開業するほか、お台場海浜公園では、新たなランドマークとなる世界最大級の噴水「ODAIBAファウンテン」の整備を進めており、「より多くのお客さまに、りんかい線をご利用いただく機会が増えるものと期待している」と話していた。
なお、この日の式典では、新型車両『71-000形』のデビューを祝い、テープカットの実施も。西倉氏をはじめ、代表取締役専務・谷本俊哉氏、常務取締役・西尾佳章氏、常勤監査役・上本敬氏、 運転・車両担当部長の高藤敏弘氏、さらには、りんかい線のイメージキャラクター・りんかるも駆けつけ、華を添えた。
テープカット後からほどなくして16時すぎ、新木場行きホーム先頭では、新型車両『71-000形』を一目見ようと、たくさんの鉄道ファンが詰めかけた。「都民の日」ということもあり、子どもたちも多く、記念すべき瞬間を収めようと、スマートフォンやカメラを手に、今か今かと入線を待ちわびる姿があった。
新型車両『71-000形』がホームに入ってくると、どこからともなく歓声があがり、我先にと先頭車両の特等席へと駆ける人も。そして、飯島管理駅長とりんかるが右手を高々と掲げ、“出発進行”の合図が。警笛が鳴り、ゆっくりと車両が走り出すと、大きな拍手に包まれていた。
<関連サイト>
お台場電車 りんかい線
https://www.twr.co.jp/