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アート界を揺るがし、ティム・バートンをも魅了したビッグ・アイズ騒動、その発端とは


本日23日より公開となる、鬼才:ティム・バートン監督の最新作「ビッグ・アイズ」。今作は、実在のゴーストペインターがアメリカのアート界を揺るがせたあるブーム、そして事件がテーマとなっているが、ビッグ・アイズなる作品を知ってはいるものの、今となってはその事件の実情を知る人は多くない。そこで、今回はそのブームのきっかけを紹介するとともに、脚本家:スコット・アレクサンダーがティム・バートンの今作にかける知られざる思いを語ってくれた。

ビッグ・アイズとは、1960年代アメリカで爆発的な一大ブームを巻き起こした、作家:ウォルター・キーンによる一連の絵画作品群。かのアンディ・ウォーホルですらその魅力を認めたというこの絵画だが、実はそれを描いていたのはウォルター・キーンではなく、その妻であるマーガレットだったことがわかり、アートシーンを揺るがす大きな騒動を巻き起こすことになる。

そもそも、キーン夫婦の作品はなかなか売れず、知り合いの画廊に絵を売り込んだり、仲の良いナイトクラブに展示してもらう日々を送っていた。だが、ある日ウォルターがそのナイトクラブの有名オーナーとケンカになり、それがゴシップ新聞の一面を飾ると、その背景に写っていたマーガレットの絵=ビッグ・アイズが注目を集め、瞬く間に世に広まっていくこととなる。すると、元来口が達者のウォルターはその作者として様々なメディアへと登場し、一躍時の人となる。そんなウォルターに対し、妻であり作者のマーガレットは反論するものの、ウォルターは甘い言葉で彼女を丸め込み、マーガレットはその口車にのってひたすら絵を描き続けることに。そして10年の歳月がたち、その間心の内をすべて絵で表現してきたマーガレットは自分を見失ってしまうことを恐れ、いよいよ真実を告白することを決意。そこから、アート界を巻き込んだウォルターとの一大アートバトルが幕を開けることになる。

これはフィクションではなく、なんと実話であり、ティム・バートン監督は作品(ビッグ・アイズ)とともに、そんなドラマティックな物語に心惹かれ、以前から映画化を強く望んでいたという。脚本家:スコット・アレクサンダーは「ティム(・バートン)はマーガレットの絵を愛している。アウトサイダー・アートの概念に共感していて、批評家による評価だけが正当化されることに納得していないんだ」と話し、さらには「製作費は限られていたけど、ティムにとって、アートを通じて自分自身の感情を力強く表現することは、非常に大事なことだったんだ。この作品を愛しているからこそ、取り組んだんだよ」と今作にかけるティムの愛を語っている。

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<関連サイト>
「ビッグ・アイズ」 http://bigeyes.gaga.ne.jp
奇才:ティム・バートン監督の最新作「ビッグ・アイズ」の公開日が1月23日に決定 https://www.entameplex.com/archives/16779