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巨大な髑髏や輝くブッダ…迫力の「ニキ・ド・サンファル展」は子どもだって楽しめる!


戦後を代表する美術家のひとり、ニキ・ド・サンファルの回顧展「ニキ・ド・サンファル展」が9月18日より港区・国立新美術館にて始まった。

ニキは一目見たら忘れることのできない抽象的なスタイルを持ち、刺激のある作品を世に送り出してきた。また日本の著名人のファンも多く、写真家の荒木経惟をはじめ、歌手のカヒミ・カリィやデザイナーのコシノジュンコなどが本展への応援メッセージを寄せている。

ニキ・ド・サンファル展では、日本初公開の貴重な作品も展示している。代表作のひとつ、画面に絵具を入れた缶やオブジェを石膏で付着させ、銃を放つことで完成する「射撃絵画」はもちろん、日本のゴジラにも影響を受けた「ドラゴン」シリーズ、おおらかで自由な女性をテーマにした「ナナ」の女性像たちなど、ニキの息づかいを感じることができる作品が揃っており、また彼女の内面を捉えやすい日本独自の構成となっているのも特徴だ。

さらに、会場の中盤に姿を見せる立体物たちは一見の価値あり。絵画で観ることの多い抽象的なモチーフが実体となって目前に迫る…。光る巨大な「髑髏」や、丸々とした姿に天然石やガラスを装飾した高さ3メートルを超える「ブッダ」。さながらファンタジーの世界に迷い込んだと錯覚する空間に、小さな子どもなどは驚きのあまり声を失ってしまうかもしれない。とにかく、それほどの迫力だ。

ニキ芸術財団理事長のブルーム・カルデナス氏にも話を聞いた。ブルーム氏は「ニキは私のおばあちゃんで、こうした回顧展が行われていることをとても喜んでいると思います。ニキは、自分の作品が色々な世代に感動を与え、『アーティストになりたい!』と思わせるきっかけになればとよく話していました。そのお役に立てれば」と語った。

ニキの作品のなかには女性器から来場者が体内に入っていくような大胆な作品もある。それに関しブルーム氏は「ニキは女性の性の解放も強く考えており、それが男性にとっても女性にとっても大事なことではないでしょうか。」と笑顔を見せた。よく見ればブルーム氏の風貌にはニキの面影が強く残っている。

「ニキ・ド・サンファル展」は12月14日(月)まで公開予定。彼女のファンはもちろん、インパクトのある作品群は、これまで展覧会などに及び腰だった人でも楽しめる内容だ。

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<関連サイト>
「ニキ・ド・サンファル展」 http://www.niki2015.jp/