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【試してみた】これぞ観光の新しいカタチ!? 観光情報アプリ「日光ガイド」とは

2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックに向けて、訪日外国人旅行者増加による消費が期待され、全国各地の観光地などではそれに向けての様々な施策が計画中。そんななか、NTTレゾナントが10月1日よりBeacon(ビーコン)技術を活用したスマホ用観光情報アプリ「日光ガイド powered by goo(以下、日光ガイド)」の実証実験を開始した。

このアプリは、外国人にも人気の栃木県・日光にある113の観光スポットに名刺サイズほどの小型Beaconを設置。これにより、日光を訪れたユーザーがそこに近づくと(約50メートル内)、その場所に関する情報やお得な店舗情報などを自動的に取得できるというもの。

しかも、このアプリにはユーザーが撮影した写真や口コミを投稿する機能を搭載! 「今、ここの紅葉が見ごろだよ!」といったそのときしか体験できない観光スポットの最新情報や、「ここに喫煙所があるよ!」「無料WiFiが使えるよ!」「英語を話せるスタッフがいたよ!」など、ガイドブックには載っていないような口コミや情報を、ユーザー間で共有することが可能となっている。さらには、日本語はもちろんのこと、英語、中国語、韓国語と4ヶ国語に対応なので、外国人観光客に向けての情報発信も期待しているとのこと。

なお、Beaconの設置場所は、日光山輪王寺、日光東照宮などの世界遺産エリア、温泉やスキー場、キャンプ場などが点在する奥日光湯元エリア、遊覧船や明智平ロープウェイなど中禅寺湖周辺のエリア、お土産品や茶屋などのお店が並ぶ駅前エリアなど、日光をほぼほぼ網羅。

今回、そんな「日光ガイド」を使い世界遺産“日光の社寺”などを巡るツアーが開催されたので、早速エンタメプレックスも参加してみることに。

都心から東武日光駅までは、特急で約2時間。そんなアクセスの良さも日光の良さだが、まずは「日光ガイド」をスマホにインストールして準備万端。

まずは腹ごしらえをと、国の指定文化財にも登録された由緒ある建物で知られる西洋料理「明治の館」へ。この洋館は、日本に蓄音機をもたらしたF・W・ホーン氏の別荘として明治後期に建てられたもので、1977年より洋館レストランとして歴史を刻んでいる名店。

そんな風情漂う「明治の館」に近づくと、スマホが“ピコン♪”と反応。“明治の館が近くにあります”という通知からページを開くと「明治の館」にまつわる解説やユーザーが投稿したカキコミを見ることができた。まるでワインのような深い味わいの葡萄ジュース、40年愛され続けているという「チーズケーキ日瑠華(ニルバーナ)」、洋食の定番であるオムレツライスなど、ユーザーがおすすめするリアルなクチコミが満載。

「明治の館」総支配人の和智士朗氏は、「日光は国際観光都市と言われて随分経ちますが、外国人旅行者に向けて情報がうまく提供してあげられていないのが現状です。クレジットカードひとつをとっても使えるお店が増えてきたのもここ1、2年です。少しずつでもいいから外国人旅行者に不便をかけないように、日光全体で、いいサービス、いい情報を提供していきたいと考えていたところ、今回のBeacon設置のお話をいただきました」と語り、「旅先で、母国語(の看板など)が見えるとホッとしたり、ついそのお店に入ったりすると思うんです。現在、日光ガイドは、英語、中国語、韓国語に対応していますが、ヨーロッパ諸国や台湾からの旅行者も多いので、出来る限り多くの言語に対応してもらい、いろんなお店に気軽に入れるようになれば、日光をもっと楽しんでいただけると思う」と、さらなるサービスの拡張に期待を寄せていた。

次に訪れたのは日光山輪王寺(※現在、三仏堂は保存修理工事中)。

ここでもスマホが“ピコン♪”と反応。ページを開けば同寺にまつわる歴史や解説を読むことができる。今年で徳川家康が没後400年という節目とあって、現在、宝物殿では家康の位牌が期間限定で展示中。

同寺の堂務部長である中里卓雄氏にも話を聞いたところ「ここ数年、外国人観光客が増えるにつれ、他国語の看板を設置するなどの話も挙がりましたが、歴史的建造物ということもあり景観を損ねるなどの理由で、あまり進みませんでした。拝観案内や歴史的背景の解説とか、どのようにするべきか以前から悩んでいたところに、アプリの実証実験のお話をいただきました。Beaconを見せていただいたら、とても小さくて目立つものではなかったので、これならば美観を損ねることなくいけるんじゃなかろうかということで設置しました。傷をつけてはいけない世界遺産には、ある意味合っている技術ではないでしょうか」と、世界遺産にも登録されている歴史的建造物内にBeaconを設置するに至った経緯やメリットについて説明してくれた。


そして、日光東照宮へ。

もちろん、ここでもスマホが反応。日光の社寺の中で最も有名なここは、1617年に創建され、徳川家康を祀っていることなどで知られ、五重塔、“見ざる言わざる聞かざる”の三猿、陽明門、眠り猫、家康公が埋葬されている奥宮など見どころ満載。そのほか、二荒山神社などパワースポット巡りをしたあとは、湯沢屋茶寮やお土産屋さんを散策。もちろんそんな各スポットの情報もゲットできるので、これさえあればガイドブックいらず。

約半日、実際に「日光ガイド」を使用してみたが、各所でリアルな情報を受け取れるだけでなく、ブログ感覚で写真も投稿できるので視覚的に楽しむこともでき、観光事業と非常にマッチしているように感じた。以前そのスポットに来た人が、これからその場に行く人とお勧めの情報を伝え合ったり、コミュニケーションを図ることもできるので、みんなでひとつのガイドブックを作り上げるような感覚が楽しめる。これから日光を訪れるという人は是非チェックを!

なお、この「日光ガイド」は、来年の実用化に向けて12月28日までの期間限定の実証実験の段階だが、2020年には否応なく日本に注目が集まるだけに、日光をはじめ日本各地の観光地での実用化など、今後の更なる可能性に期待したい。

<関連サイト>
「日光ガイド powered by goo」 https://beacon.goo.ne.jp/app/