Entame Plex-エンタメプレックス-

真田丸モデルのジーンズが発売! 6万円超なのに予約殺到のワケは?

現在放送中のNHK大河ドラマ「真田丸」は、これまでの大河ドラマとは一線を画した軽妙さやドラマチックさが高い評価を受け、週を重ねるごとにさらなる盛り上がりを見せている。主役は、もちろんこの人、俳優・堺雅人が演じる真田幸村こと真田信繁だ。そして、伝統の製法を現代の洋服文化に取り入れるブランド「京都デニム」が、信繁をイメージしてジーンズを作ったというからには見逃せない。

受注生産によるこのジーンズ「大鎧―真田信繁(幸村)六文銭モデル」は、価格が6万7,000円! ところが、予約殺到中で生産が追いつかない現状とのことだ。一体、なぜこのジーンズに人々が惹かれるのか? 今回、京都デニムに取材し、こだわりを聞いた。

――「大鎧ー真田信繁(幸村)六文銭モデル」を制作した京都デニムとは、どのようなブランドでしょうか?

「江戸中期から京都で着物の染色をしてきた会社が、2007年に立ち上げたブランドが『京都デニム』です。京都の染色工芸の後継者育成や産業化を目標にかかげてスタートしました。当時の加工技術や職人の腕は大変にすばらしいもので、いまのファッションに生かすことでよりよいモノづくりができると考えたのです。日本古来の誇るべきすぐれた製造方法や染めの技術を、より身近に感じてもらえたら…私たちの作品にはそんな思いが込められています」

――デザインの特徴など、どんなところに“幸村らしさ”を出しましたか?

「真田幸村こと真田信繁を象徴するカラーといえば、やはり朱色・赤色です。信繁は、大阪夏の陣で甲冑などの装備を赤色で統一しましたが、その赤のよろいをモチーフに縫製後のジーンズをまるごと赤色に染色し、“幸村らしさ”を演出しています。また、バックのベルトループには、皆さんが『真田丸』で何度も目にした真田家の家紋・六文銭を染め抜いています。かつて、こうした家紋は職人たちが手仕事で染めていました。それに習い『京都デニム』でも、職人たちの手によって丁寧な仕事がされています。それに加えて、ジーンズの素材の柔軟性の良さも、これまでにない頭の柔らかな発想で世を驚かせた“幸村らしさ”のひとつかもしれません」

――ファブリック(素材)の特徴はありますか?

「モデル名『大鎧』との名前の響きから屈強な素材をイメージする方もいるでしょうが、着心地はとてもソフトなのです。原材料にはアフリカ・マダガスカル産の高品質な超長綿を使用しているので、穿き心地にも自信があります」

――染め方のポイントは?

「とにかく手作業にこだわり、着用する方のことを頭に浮かべて、1本1本着物のように丁寧に染色しています。このジーンズは、大量生産できない1点モノ。そうしたプレミアムな部分を感じていただければ幸いです。さらにバックの六文銭は、一度ジーンズの藍色を六文銭状に抜染(ばっせん)して、それから筆を使い、着物の京友禅のように手間をかけて作られています。ちなみに、染めの期間は約14日間を要しています」

――大変に手間のかかったものなのですね。良いものを作りたい、という心意気が製品にも反映されていると感じます。では、なかなか気がつかないけれど、じつはここにもこだわった! という隠れたポイントはどこでしょう?

「細かな部分ですが、左前の部分に金属パーツを付属しています。これは刀の下げ緒をイメージしてデザインしました。また、ウエスト部分もバックがやや深めのデザインで、少し落としたような、和服のはかまを着用するような安定感のある穿き心地にこだわりました」

――「大鎧」を含め、デニムを長く愛用するために手入れなど気をつけるポイントを教えてください。

「ジーンズは洗わない、あるいは染めてあるので洗えないのでは? と思われる方も多いようですが、日本は湿度も高い国です。汗をかいたり、汚れたときはこまめに洗って気持ちよくはいていただくことが長持ちのポイントです。色落ちしていくことで、あなただけのオリジナルな1本に仕上がっていくはずです」

――真田幸村をどのような人物と捉えていますか?

「数奇な運命に翻弄されながら、戦国の世をひとつの信念を持って生きた人物のように思います。また、けして揺らぐことのない志(こころざし)がありながらも柔軟な発想も持ち合わせ、さらには家族を含めた人間というものを大切にした人物だったのではないでしょうか」

――現在ではファッション業界が不況にあえぐなか、6万円台のデニムジーンズは一見強気な設定にみられます。

「いまではファストファッションなども、もはやトレンドではなく世のなかに定着し、洋服への価値観も以前とは異なっているようにも見えます。だからこそこの作品は、ひとつひとつに丹精を込め、ファッションとしてだけでなく、身につける工芸品として捉えてほしいのです。確かに強気な価格設定に見えるかもしれませんが、素材やデザイン、製法に徹底的にこだわった結果、どうしてもこの値段にならざるを得ません。職人と制作していくうえで実質必要な価格なんですね。消費する洋服とはまた違った価値観で見ていただければ、決して高い買い物ではないと思います。とはいえ、正直私たちも発売当初は不安でした(笑)。しかし、ありがたいことにたくさんのお問い合せがあり、驚いています」

――予約がスタートしていますが、どのような反響ぶりなのでしょう?

「現在では、注文を受けてから納品するまでに約1カ月間をいただいています。予約当初は14日間を設定していたのですが、予想より注文数が増え、職人の生産が追いついていない状況ですね。ご予約をいただいている方にはお待たせして申し訳ありませんが、その分満足のいく作りになっているはずです」

――では、最後にどんな人にこの製品を手に取ってもらいたいですか?

「そうですね…ファッション好きはもちろん、日本の歴史が好きな方、真田信繁の生きかたに共感してあこがれる方など、様々です。それに、これまで洋服や工芸品には興味がなかったけれど、『大鎧』を着用することで、それらに興味を持っていただけるとうれしいですね」

<関連サイト>
片寄涼太&数原龍友インタビュー! GENERATIONS初のバラードシングル『涙』で魅せた新たな一面
https://www.entameplex.com/archives/30090

氷室京介、永久保存版&超豪華仕様の写真集『MEMENT』を完全選定受注生産で発売決定!
https://www.entameplex.com/archives/30068

新井浩文「役に引きずられる俳優はプロ失格」と一刀両断! 映画『葛城事件』インタビュー
https://www.entameplex.com/archives/29861

京都デニム
http://kyoto-denim.jp/