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現役コンサルタントが語る“人が転職に踏み切る理由”


総合転職エージェントの株式会社ワークポートは、2017年7月4日~20日の期間において、720名の男女を対象に、「転職」についてアンケート調査を実施。このたび、そのアンケート結果を元に現役転職コンサルタントの佐藤壮一さんに転職市場について話を聞きました。

今は転職しやすい時期なのか……、人が転職に踏み切る理由は……、現場で多くの人の転職と向き合う佐藤さんの見解はいかに!?

――佐藤さんはどのような仕事を担当されているのでしょう?

「私の業務内容は転職希望者様と面談を行い、転職を思い立ったきっかけやこれまでの経歴・希望をお伺いして、そこにマッチする求人をご紹介することです。面談は来社か電話、どちらでも大丈夫です。また弊社では転職コンサルタントのことを“転職コンシェルジュ”と呼んでおり、転職希望者様の転職にまつわるありとあらゆる悩みや疑問、ご要望にきめ細やかにお応えしています」

――転職に関する調査では、全体の61%が転職経験者という結果でしたが、業界からみて今の転職市場はどうですか?

「僕はIT業界に強い転職コンシェルジュなのですが、エンジニアに関しては、間違いなく売り手市場です。少子化による労働人口の減少に加え、IoTの拡がりによるエンジニア需要の急増などの背景から求人数は右肩上がりで、希望にマッチするオファーも増えています。調査結果の通り、転職市場そのものも盛り上がっていますね。景気がいいと企業もいい人材を求めて求人が増えるため、転職者が増えるんですが、今はまさにその流れです」

――今のご時世、転職するのは難しいと考えてしまいがちですが……。

「実際はそうではありません。大きく職種を変えるのはハードルが高いですが、同じ業界なら今は転職がしやすい時期だと思いますよ」

――少し意外でした。ちなみに、転職者の76%が2回以上転職を経験しているという結果も出ています。転職を繰り返す人は多いのでしょうか?

「その傾向はあります。ただ転職を繰り返すこと自体が悪いわけではありません。今いる会社で実現しない内容をかなえるための転職は進んですべきだと私は思います」

――しかし、アンケートでは約3割(29%)の人が自身の転職に満足していないとのことでした。

「転職希望者は、内定を取るのが一番の目的なので、それを焦るあまり、不満の種となる箇所にあえて目を伏せるケースがあります。内定が出て喜ぶ気持ちはとてもよく分かりますし、思わず『ここにしよう』と決めてしまいたくなるのも理解できます。でも安易に内定を承諾してしまう前に一度冷静になり、疑問や不安があるなら、人事に確認するなどして完全に解消しておくことをおすすめします」

――転職者はどのような理由で転職されるのでしょうか?

「人が転職を希望する理由は大きく分けて4つあります。1つ目は年収などの条件面、2つ目に環境面。上司との人間関係などがこれにあたります。3つ目は家庭の事情、4つ目は仕事内容の充実面です。人は、このうちの2つが重なったとき、転職に踏み切っていると感じています。年収が低くても人間関係が良好、あるいは社内の関係性が複雑でも仕事が面白くてがんばれるなど、不満がひとつだと他の面でまだ納得ができるんです。あと、最近の傾向としては、ワークライフバランスが叫ばれているため、残業時間を重視する声も多いです」

――ちなみに59%の人が「転職経験者の方が仕事ができるように感じる」と回答しています。

「おそらく経験値と情報量の差ではないかと。前の会社に比べてどうだった、とか多角的に仕事内容を捉えることができるからそう見えるのではないでしょうか。これまでひとつの会社にしかいなければ、そこのルールしか知らないわけですから」

――昔の考えでは、1社に長く勤めた方が忠誠心もあり仕事ができるイメージでした。

「終身雇用などの日本の雇用形態が崩れていったことで、イメージが変わったのだと思います。今は転職に関して社会が寛容になっていますよね。日本人の考え方が『転職を受け入れる』ようになってきたといいますか」

――転職エージェント利用者の約3人に1人(37%)がサービスに不満を感じているとの結果も出ています。決して少なくない数字ですが…。

「いろいろな転職エージェントサービスを受けた人の話を聞くと、自分の考えがまとまらないまま応募から面接をして内定、そこで決断を迫られる場合も多いそうです。理由として、転職エージェントの説明不足が少なからずあると思います。転職希望者の方たちは何かしらの不満と希望を持って相談に来社しますが、ワークポートではしっかりと寄り添うことを心がけていますね。今の会社に残った方がいい、と提案する場合もあります。無理に勧めたところで誰も幸せになれないので」

――転職エージェントを利用したことのない方もいると思いますが、良いコンサルタントの見極め方を教えてください。

「転職活動をスムーズに進めるうえで、転職コンサルタントとの相性はとても大切です。実際に面談をうけてみて、きちんと話しを聞いてくれるか、信頼できそうか、などのポイントで判断してください。転職コンサルタントとの相性がよければ、転職活動をスムーズに進めることができます。それが転職希望者様の満足度にもつながると私たちは考えています」

――貴社では満足度を上げるために何か努力していますか?

「転職希望者の方には面談後に独自のアンケートを記入していただくようお願いしています。アンケートの項目には、担当コンサルタントの身だしなみやコミュニケーションスキル、業界や職種における専門知識の高さなどかなり細かく設定しています。そのアンケートの結果は翌日に担当コンサルタントにフィードバックされるので、自分のどこが悪かったのかを素早く改善することが可能なんです。デジタルで評価されて、その評価を上げるために日々アナログな努力を続けるんですね。面談の質は大きく向上したと思いますよ……毎日がドキドキですが(笑)」

――転職コンサルタントが評価される時代なんですね。

「担当のコンサルタントと転職希望者様は個室で面談するじゃないですか。会社はそこで何が起きているのか正直100%は把握しきれないんです。事後レポートの内容も、コンサルタントの主観がどうしても入ってしまいます。客観性を持たせるため、2012年ごろから数字で厳しく管理をしています。おかげで転職希望者様から担当変更してほしい、という声はかなり減りました。相性は一か八かではなく、努力によってある程度変えられると思います」

――貴社はIT業界の転職に強いイメージですが、他社より選ばれる理由はどこにあると感じますか?

「もともと弊社の代表のひとりがエンジニアだったんです。そのノウハウを活かしていたので、業界では先行アドバンテージがありました。蓄積した業界へのつながりやデータが、利用者の信頼に結びついていったのだと思います。培った専門性はどこにでもあるものではないですから。実は、エージェントを利用したことのある転職者は少なく、転職希望者全体の約10%とも言われているんですが、転職を進める上で高い情報量を持つ転職エージェントを使うことは必ず有利に働きます。先に述べた良いコンサルタントの見極め方を参考に、あなたにマッチした転職エージェントを探してみてはいかがでしょうか」

<関連サイト>
株式会社ワークポート
https://www.workport.co.jp/corporate/