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「超貴重」部位をとんかつに…老舗チェーンの挑戦


ほんのり赤身の残った新鮮で分厚いお肉を、きりりと鋭く尖った衣が覆う。とんかつの老舗チェーン「とんかつ新宿さぼてん」が貴重なヒレ肉を使った定食を数量限定で新たに提供する。

商品名は「SaboFilet(サボフィレ)かつ御膳」(税別2,300円)。100%純血のスペイン産デュロック豚1頭から2食分しか取れないヒレの中央部を使用した。デュロック豚の希少性はイベリコ豚の10分の1。元は生ハムのために改良された品種だが、同店では“超貴重”な大ぶりのヒレをそのまま使う。

この豚はサシが細かく、コクのある味わいが特徴。とはいえ、生ハムが絶品だから厚くすればさらにおいしい、という単純な話ではない。開発にも苦労があったという。

今回の新メニューを手がけたグリーンハウスフーズの出来道大さんによると、2年半ほど前にデュロック豚を使ったメニューを試作したが「部位が悪かったせいか、あまりおいしくなかった」そうだ。しかし試行錯誤を重ね、開発に1年ほどかけ「珠玉のとんかつ」を完成させた。

「まずはそのままでお召し上がりください」。注文から10分ほど待つと、まだ油の跳ねる音が聞こえてきそうなぴちぴちのサボフィレかつ御膳が目の前に置かれた。噛むとじわりと肉汁が口内にあふれ、そこに二度揚げしたサクサクの衣が加わる。

嫌味のない自然な甘みで「ああ、お肉だ」という実感。ヒレといえば弾力の強い印象だが、このとんかつはあっけないほどさっくりと噛み切れる。

本メニューに特別につくアンデスの岩塩、わさびおろし、レモンで変化を加えるとまた格別。酷暑の続く今の時期にわさびおろしは嬉しい。150グラムのヒレカツをあっという間に食べ終えた。

2,300円という価格は「とんかつ新宿さぼてん」では高額だが、出来さんは「専門店にも負けない味」と胸を張る。供給面の問題から当面は本店小田急エース南館店のみの展開だが、ゆくゆくは他の店舗にも広げていきたいという。

なお、先駆けて昨年末に販売した、デュロック豚のロースを使った「サボフィレ ロースかつ」はすでに全国で販売中だ。

<関連サイト>
「とんかつ新宿さぼてん」公式サイト
https://shinjuku-saboten.com