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「にしのあきひろ 光る絵本展inエッフェル塔」レポート


10月26日、27日の2日間、エッフェル塔2Fの多目的スペース「サロン・ギュスターヴ・エッフェル」にて「にしのあきひろ 光る絵本展inエッフェル塔」が開催された。

今回、世界中の観光客が集まるエッフェル塔で個展を開催する初めての日本人となった西野亮廣だが、実はフランス国内外のアーティスト全体を見てもこのような展示の前例はなく、パリの地元民からも大きな関心が集まった。

光る絵本展は、ジークレーという最新の版画技術で印刷されたアクリル板の裏側からLEDライトで照射し、「電源さえあれば世界中どこでも」屋内外で開催可能なエキスポだ。塔内1階(日本式2階)のガラスで覆われたサロン内に、「えんとつ町のプペル」「チックタック 約束の時計台」2冊の絵本の挿絵全82枚が展示された。

空間デザインを手がけたのは、これまでにも西野と数々のコラボレーションを実現してきた建築家の只石快歩。「8月に開催した東京タワーの絵本展と同じく、天井の高さをあえて利用した設営にし、今回は特にパリのステンドグラスで有名なサント・シャペル教会のような、光の物語に包まれる空間をめざしました」と語る。また西野も「入場すると、手前から奥に向かってだんだん高くなる展示によって、観客も絵を見上げながら、最後は自然に口角が上がるようになると考えました」と、見る側の気持ちの盛り上がりまで演出する意図があったという。

会期中はARとVRのコーナーも設置し、イーゼルに立て掛けられた白黒の下書き画の前でタブレットを操作し、着色されていく過程を見せたり、イヤホン付きのVRにより「プペル」の世界が3Dで広がるなど、小さな子供達や家族連れが楽しめる仕掛けも好評で長い行列ができていた。また、これまでに西野が出版したすべての絵本の各国語版を陳列した読書コーナーもあり、来廊した西野にサインを求める沢山の来場者で賑わった。日中は自然光がたっぷりと注ぐ個展会場は日が暮れるにつれて、パリを一望する夜景とガラスに反射する「光る絵」が一体化し、幻想的な雰囲気に。エッフェル塔という場所の力と西野の絵本の世界がコラボレーションする、唯一無二の空間が誕生した2日間となった。

「今後も南米のコロンビアやフィリピンなど、いろいろな国で展示活動を続けたい」という西野のインタビューも到着!

――オープニング前夜のレセプションも大盛況でしたが、フランス人招待客などの反応はいかがでしたか?

西野:すごい、喜んでいただいて良かったです。こればっかりは蓋を開けてみるまでわからないものですが、来てみても評判悪いなんてこともありますので、良い反応をいただけてちょっと安心しましたね。

――フランスにいらっしゃるのは今回が初めてですか?

西野:今回が3回目です。そういえば前に来たのはプライベートの旅行で3年くらい前だったんですけど、その時に「えんとつ町のプペル」を書き終えたんです。ノートルダム大聖堂のすぐ前のホテルに10日くらいこもって、そこで最後のページを書き終えたので、思い入れがありますね。

――今回、エッフェル塔のサロン・ギュスターヴ・エッフェルで個展を開催した日本人はにしのさんが初めてということなのですが、どんな良さがありましたか?

西野:こういう場所でやる良さは、自分の作品にもともと興味のない人も来られること。ファンの人だけが来るわけじゃないので、反応がフラットで興味のない人は素通りすることもあるし、そこが良いと思うんです。

――今回の展示は、外側のガラスにも反射してパリの夜景との組み合わせがとても綺麗でしたが、想定済みだったのでしょうか。

西野:東京タワーで展示した時は計算していましたが、今回はガラスが斜めになっているので現地に来てみないとどう映るかわからず未知数でした。結果良い感じになったので良かったです。

――展示空間のコンセプトはどのようなものでしたか?

西野:コンセプトは一つではなくいろいろあるんですが、細かいところでいうと手前から奥に行くにつれて展示の位置がだんだん高くなることによって、作品を見る人が上を見上げると、自然に口角が上がるので「笑顔になるまでの距離が近い」んです。そういう顔の動き、首の動きで感情をデザインすることを考えました。

――エッフェル塔の責任者の方とはお話しされましたか?

西野:はい、むっちゃ喜んでくれてました。普段エッフェル塔でエキスポを開催することがないので、場所を提供する側としてもチャレンジだったと思うんですが、喜んでいただけたので良かったです。あとはパリに住む人が、普段知り合いを案内する時に何度も登っている場所なので、こういういつもと違う特別なイベントを初めて体験できて嬉しかった、と感謝されましたね。

――海外で個展を行われるのは、NYに続き今回が3回目とのことですが。

西野:毎回大変ではあるんですが、今回一番の挑戦は、準備を全部他人に任せたことです。最後の調整で多少口は出しますけど、基本的には全部チームに任せました。そうじゃないと、自分が現場に行かないと回らない状態というのはチームとして大きくなっていかないので。やっぱり自分は物作りに専念して、運営はチームが行うという形にしたくて。それで今回は、うちの会社の学生インターンの子が最高責任者です(笑)。エッフェル塔の個展が決まった時にちょうど学生インターンの子と飲んでて「おまえ責任者やる?」と聞いたら「はい、やります!」と言ったので、それにかけてみようかなと思って。右も左もわからない大学生に、エッフェル塔の個展の最高責任者を任せるっていうのは、たぶん地球が始まって以来あり得なかったことじゃないですか(笑)。だから面白いなと思って。もちろん周りのスタッフも彼をサポートしましたが、結構プレッシャーだったと思います。

――お客さんの反応に関して、フランスならではのリアクションや印象に残ったことはありますか?

西野:フランスの方は、ただ絵を見てキレイ、で終わらなくて、これの何が綺麗だったか、どういう理由で感動したのか、自分の気持ちを因数分解して細かく詳しく言ってくれる。そういうアートやエンタメの素養・リテラシーがすごく高いなと思って、解説したり分析するコメントのレベルが高くて、刺激になりました。

――レセプションではケンゾーさんともお話しされていましたが。

西野:めっちゃ褒めていただきました。忙しい中いらしてくれて、「こういうところに日本人が来て挑戦するのは素晴らしい」と言っていただき、とてもありがたかったです。

――「えんとつ町のプペル」フランス語版も出版されましたが、絵本を通じて世界に向けて伝えたいメッセージは何ですか?

西野:作品ごとにメッセージは異なるんですが、「プペル」だったら煙だらけの空がない町で、誰も空の上を見上げることをしない。そこで主人公の2人だけは、煙の向こうに何かあるんじゃないか、と上を見上げて周りから攻撃される、というのが現実社会の縮図で、「夢を語れば笑われて、行動すれば叩かれる。でもやっぱり、見上げないことには何も始まらないから、上を見てみよう」ということですね。

――あと今回、日本最大規模と言われる西野さんのオンラインサロン会員の方々が、ボランティアで展示全体の運営に参加されていたのもとても印象的でした。

西野:はい、今はSNSの時代で、お客さんも発信したがっているし、プレーヤーになりたがっている、作り手側になりたいと思っている。そして良い発信をすればSNSで「いいね」をもらえ、フォロワーが増えると。だから発信させてあげた方が良いな、という時に、「じゃあお客さんも作り手側に回そう」という考えが、今回お客さんも展示の運営スタッフになってもらう、ということに繋がりました。最終的に日本から20人くらい参加してくれて、みんなすごく頑張ってくれました。

――今後フランスや他の国でプロジェクトや計画があれば教えてください。

西野:まずはコロンビアでやろう、という話があります。いろんな国で絵本を出しているんですが、特にコロンビアでとても反応が良いので、前にも出版記念のトークショーに行ったら喜んでもらえたので、個展も開催しようと計画しています。それともう一つは、フィリピンのスラム街の支援をずっと続けているので、そこにも個展の企画を持っていけるといいですね。スラム街にエンターテイメントを持っていけたら楽しいなと思っています。

<関連サイト>
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