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I Don’t Like Mondays.=バンド×ダンスミュージック×ファッション、彼らが音楽に込めた思いとは


バンドでありながらダンスミュージックに執着し、さらにはファッションも欠かせない。
これまでバンドと言えば、“ロック”が付き物だったが、そんな概念を覆すべく誕生したI Don’t Like Mondays.、通称:アイドラ。

とはいえ、ロック・イズムも捨てることなく、今世界的に大流行しているEDMをはじめ、ダンスミュージックの要素をふんだんに取り入れた彼らは、まさに今の時代ならではのニューエイジなバンド・スタイル。
そんな彼らが、このたびファーストフルアルバム「TOKYO」をリリース。
今作を含め、彼らが音楽に託すもの、それはなんと“全ての女の子を……”。

――まずはアイドラ結成の経緯を教えてください。

悠「もともと、メンバーはみんな知り合いでもなんでもなくて。僕自身、音楽は好きだったんですけど、本当は裏方がやりたかったんですよ。それで、当時同級生がやっていた前身となるバンドに裏方として参加していて、そこにベースの謙二とドラムの秋気が入って。その後、ボーカルが脱退したときに無理矢理誘われてボーカルをやるようになって……。そして、最終的にリーダーだった同級生も抜けて、兆志と出会ったって感じです」

謙二「ホント、バラバラと集まったって感じだよね。しかも偶然に。最初はみんな音楽性も趣味も違ってたし」

――確かにプロフィールを見ると、みなさん好きな音楽のジャンルは全然違いますよね。

悠「それぞれルーツになるものがあって、でも結果的にメンバーに刺激を受けて他の音楽も聴くようになって」

秋気「結局、みんな音楽が大好きなんですよ」

――I Don’t Like Mondays.の名前の由来は?

悠「それは結構ラフに付けた感じで(笑)」

――聞いたところによると、某ファッション誌の編集長が付けたとか。

謙二「そうですね。でも、僕は当初反対だったんですよ。バンドっぽくないし、覚えにくくて。ただ、意外と説明するときに“月曜日が嫌いなんです”って言うとみんなすごく反応していて、これもいいかなって(笑)」

――2012年に結成して、昨年満を持してメジャーデビューしたわけですが、デビューが決まったときはいかがでした?

悠「正直やっとかって感じでしたね」

秋気「ただデビュー前、自分たちができることは全て試してきた中で、結果的に自分たちが思っていたようないい反応がいただけたので、自信にも繋がりました」

――そして、今回ファーストアルバム「TOKYO」がリリースとなるわけですが。

謙二「デビューミニアルバムの『PLAY』には入りきれなかったことがたくさんあって。今回はそれも含めいろいろと詰め込みました」

悠「『PLAY』はいわば名刺代わりみたいな感じでしたけど、今回は僕らがどういったバンドなのか証明するもので、より僕らのカラーがわかりやすく出てますね」

――アイドラの音楽性は、プロフィールにもありますが“オシャレな女の子を踊らせるもの”ですよね。かなりナンパな感じもしますが(笑)。

悠「それは間違いないですね、今回も全ての女の子を踊らせたい、確実に根はそこにあります(笑)。ただ、男性の方も聴いたら確実に踊れるものにはなってます」

――“踊らせる”というのが大きなテーマなんですね。

悠「そうですね。日本でそこに執着してるバンドも少ないと思いますし、僕らはロックやポップだけじゃなく、ダンスミュージックも大好きなんで」

――ライブハウスよりもクラブが好きで、みなさん結構遊びに行ってるらしいですね。

謙二「単純にかわいい女の子が多いですから(笑)」

悠「ライブハウスも楽しいんですけど、クラブはよりバカになれて楽しいんですよ。普通に遊ぶならクラブですね」

――みなさんの好きなアーティストを見てみると、確かにダンス系も名前がありますが、兆志さんは王道ロックって感じですよね。

兆志「ギターなのでロックが好きですけど、今は踊れて、なおかつギターが活躍するものにチャレンジしていきたいと思ってます。そういう音楽もあまりないので。今クラブで流行っているEDMもギターが入ってないものが多いので、すごく残念ですけど、その分僕らがやっていきたいですね」

――秋気さんはメタル系ですよね。その要素はバンドに反映……。

秋気「されてないですね(笑)。僕はドラムとして……ドラマーはなんのために存在するかと言えば、理由はいろいろありますが、その1つとして人を踊らせるためでもあると思うんです。僕がプレイしていて一番嬉しいのは、お客さんが踊ってくれることで、そこを突き詰めていきたい。今EDMが流行っている中で、僕らはバンドが好きで育ってきて、その両方の良さを知っているつもりなので、どちらの良さも伝えていきたいんです。その結果、今の音楽性になったのかなって思うし」

悠「結成当初は、もっとバンドっぽかったんですけど、それは固定概念に捕われていたんですよね。せっかく個性が違う4人が集まったので、それを取り払って常に新しい音楽にトライしていけたらと思ってます」

――悠さんは特にEDMも聴いているんですよね。

悠「兄の影響が大きいですね。今は海外に住んでいて、最新の情報を教えてくれて。それをみんなで共有してます」

――謙二さんは UKサウンドですよね。

謙二「僕はオアシスを聴いて曲を作り始めたんですよ。このバンドでも僕は当初からガンガン曲を作ってて、実はアイドラもUKロックバンドっぽい感じで売り出したいと思ってました(笑)」

悠「でも、今回のアルバムも結構UK色強いよね。そこからいろいろなサウンドに派生していったところもあるし」

――今作もバラエティという意味では、すごく多様で飽きさせませんね。

悠「僕ら自身、飽きっぽいところがあるので、いかに飽きさせないものを作るか、それもコンセプトの1つでしたね」

秋気「そして、全曲シングルカットするぐらいの気持ち、クオリティで作ってます。ただ、それだけだと同じような曲調になってしまいがちなので、全体の流れを意識しつつ、アルバムというパッケージでしかできないこと、そこに注力しました」

――あとは、夏にぴったりの作品でもありますね。フェスとかで聴きたいです。

悠「僕らもそれは考えてました。去年、海外の野外フェスにも参加させてもらって、その直後からアルバムの制作もスタートしたので。フェスからのフィードバックも結構ありますね」

――アイドラはファッションともリンクしているんですよね。写真家のレスリー・キーさんと親交があったりデザイナーの山本寛斎さんのショーに出演したり。

悠「僕がバンドにハマったのは中学生のころなんですけど、当時は音楽性はもちろんバンドという存在がかっこいいなって思ったんですよ。そこにはキャラクター性やファッション性というのも大きくて。だから、自分たちがバンドをやるとしたら、そういった部分も欠かしたくないんですよね」

――音楽とファッションは昔から親和性も高いですしね。

悠「共有している部分がありますよね。どちらも欠かすことができないと思うし」

――今回、CDジャケットはレスリー・キーさんが手掛けられているんですよね。撮影はいかがでした?

悠「ワールドクラスでしたね。普通、カメラマンさんはある程度ポージングをモデルに委託する部分があると思うんですけど、彼の場合はホント細かくディレクションしていて。それこそ指の先まで」

謙二「自分で動くというよりは、動かされているって感じでした」

――今回のジャケットを含め、彼の写真って動きのあるものが多いですよね。

悠「それが、ディレクションでできたものだったんですよ。全て計算されているんです」

秋気「そういう意味では、相手がプロのモデルじゃなく、素人さんでもかっこよく撮れるんですよね、彼は」

兆志「知り合ってまだそんなに時間がたってないんですけど、彼の前では安心して自分が出せるんですよ、そこがまたスゴいんですよね」

――最後に今後の抱負をお願いします。

秋気「より多くの人に、僕らのことを知ってもらいたい。バンドに興味がない人も、ダンスミュージックが好きじゃない人も。そのためには音楽だけじゃなくファッションも含め、とにかくいろいろなことをやっていきたいですね」

謙二「架け橋になっていきたいですね。音楽のジャンルもそうですし、カルチャーという大きな枠組みの中でも」

悠「僕らは欲張りなんですよ。音楽をあまり聴かない人にも伝えたいし、詳しい人にも面白いって思ってもらえるようなものを追求していきたい。かといって大衆的なものもやりたくない。その中で、今回はその入り口がようやくできたかなって思ってます。音楽を作るのって、それこそ思春期に聴いた曲やルーツがベースになることが多いと思うんですけど、僕らはそれを大切にしながら、今も大事にしたいんですよ。常に新しいものを取り入れて、これからも自分たちのサウンドを作っていければと思ってます」

<関連サイト>
I Don’t Like Mondays. https://idlms.com