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橋本環奈、佐藤勝利を殴るシーンで「感覚的に掴めた」


“恋じゃない。けど――友達より、トクベツ”そんな10代の淡い微妙な距離感を、吹奏楽の響きにのせて描いた青春純愛映画『ハルチカ』が、3月4日より全国公開中! 映画初出演の佐藤勝利(Sexy Zone)が橋本環奈とのW主演で挑んだ純愛ストーリーは、この春恋する人の背中をそっと押してくれるはず。

佐藤演じる心優しくナイーブなハルタはホルン、橋本演じる猪突猛進で負けん気の強いチカはフルートと、撮影前から猛練習に励んだふたりが紡ぎだす音色は、観る者の胸を打ち心動かされること間違いなし。今回、チカ役を務めた橋本に本作の見どころ、部員全員で奏でた演奏シーンのこと、間もなく卒業を迎える自身の高校生活などいろいろと話を聞いた。

――W主演を務めた佐藤さんの印象は?

「(佐藤)勝利くんとは顔合わせのときに初めてお会いしたんですけど、口数が少なくて物静かな印象でしたね。みんなで集まって楽器の練習をしたりしましたが、ハルタとチカの関係性は撮影が始まって一から積み上げていく感じでした」

――チカがハルタのことを蹴ったり殴ったりするシーンは“そこまでやる!?”と衝撃的でした(笑)。物語のツカミとして大事なシーンだったと思います。

「あのシーンはクランクインの日だったんです。最初の撮影があのシーンだったので、ハルタとチカとの関係性がお互い感覚的に掴めたような気がして。チカはハルタに対して全く遠慮がないというか……、そういうところもひっくるめてハルタにしか見せない表情だと思うんです。そんな一面もあるけど、チカの性格は何事にも真っ直ぐで負けん気が強かったり、かなりキャラが濃い役だったので演じていてとても楽しかったです」

――みんな演奏の練習が大変だったようですね。

「楽器未経験者や初心者の人がすごく多かったんです。経験がある人も担当する楽器が全然違ったり。それに演奏がものすごく上手な人にかぎって逆に演奏が苦手な役だったりして(笑)。あと、演奏だけじゃなくて、みんながまとまって見えるように息の吸い方とかを合わせたり、演奏中の姿勢、体の動きやしぐさだったり結構細かい部分にも気を遣いました」

――劇中で担当したフルートの経験は?

「初めてでした。練習を始めるタイミングがみんなよりも少しだけ遅かったんですが、『みんな上達して曲を弾けるようになってるよ』という話をスタッフさんから聞いていたので頑張らないと……という焦りはありました。かなり難しい演奏パートもあったので、先生に付いていただいて、撮影に入っている間もずっと練習していましたね。1日吹かないだけで感覚が元に戻ってしまって全然吹けなくなるので、慣れるためにも練習あるのみと思って、ずっと触れている状態でした」

――吹奏楽部の人たちもこの作品を観ると思いますが、注目してほしいところは?

「ハルチカのオリジナルテーマ曲『吹奏楽のための狂詩曲 第1番「春の光、夏の風」』を演奏しているシーンは、本当にみんな頑張って練習して演奏しているので注目して観ていただきたいです。特に部員のみんなが大好きだった『上を向いて歩こう』は、みんなでしょっちゅう練習していました。あとチカが練習する『亜麻色の髪の乙女』や、そのほかにもいろんな曲が出てきますし、『吹奏楽部の人たちが観てもちゃんと演奏していると思える作品になっているから大丈夫!』と先生たちも仰ってくださったので、どの曲も注目してもらいたいです」

――かなりの時間みんなで練習をして、本当の部活のようなチームワークや絆が芽生えたのでは?

「実際、劇中で(前田)航基くん演じる片桐部長が『オレたち吹奏楽部員っぽくなってきたよな』っていう台詞があるんですけど、みんなもそれを実感していて。撮影していない間もお互い役名で呼び合ったり、役としてみんな生きていたので和気あいあいとした雰囲気で、撮影が進むにつれ団結してきたなというのは感じていました」

――部員全員揃って最後の演奏シーンを撮り終えたときはどうでした?

「ハルタとチカ以外の全員がクランクアップの日だったんです。みんな揃っての最後の演奏シーンを撮り終えたあと勝利くんがスタッフさんたちに頼んでくれて、撮影とは関係なく最後にもう一回だけみんなで演奏させてもらえたのがとても印象的でした。その日はあまり時間がない状況だったんですが、このまま終わるよりも最後にもう一度演奏したいとみんな思っていて……。そんな気持ちを勝利くんが代弁してくれて、監督やスタッフ、教えてくださった先生たちに向けて演奏しました。市井(昌秀)監督から『そのときに撮った動画を今でもちょくちょく観るんだよね~』って聞いて、とても嬉しかったです」

――ちなみに最後にみんなで演奏した曲は?

「『春の光、夏の風』です。すごく思い出深いですね。オリジナルのテーマ曲なのでぜひ全国の吹奏楽部の人たちにもこの曲を演奏していただけたら嬉しいです!」

――橋本さんは部活経験がないそうですが、吹奏楽部の部員を演じてみてどうでした?

「チカが吹いているソロパートがとても難しくて、それを吹けないと連帯責任になるので頑張らないと、という気持ちを持って演じたので、部活動の経験はありませんがリアリティは出せたと思います」

――橋本さん自身、この春で高校卒業を迎えますね。

「高校での3年間は本当に楽しかったです! でも最初は“大変だろうな……”っていう気持ちのほうが大きかったです。お仕事で東京に来るたびに、両立するとなると時間的にもかなりキツくて別の高校に移ろうかな……なんて頭をよぎることも何度かあったんですけど、周りの友達や先生がすごく支えてくれて。福岡に残ると決めたのも自分でしたし、芸能科ではなく普通科の高校に進学してちゃんと勉強して卒業したいというその道を選んだのも自分なので、こうして卒業まで頑張ることが出来ました」

――学校生活での思い出は?

「学校からの帰り道友達の家まで2時間かけて一緒に歩いて帰ったり(笑)。傍から見れば“それって無駄な時間じゃない?”って思われるような時間もかけがえなくて……。そういう何気ない時間が青春だなと思うし、友達と会う時間ってすごく大切なんだなって改めて感じますね。今後の進路はみんな違うんですけど、『環奈、修学旅行来れなかったから今度みんなで旅行しようよ!』って言ってくれたり、誕生日もサプライズでお祝いをしてくれたり、そのときはすごく感動しました」

――チカや部員たちのように挫折を味わったとき、橋本さんはどう克服します?

「わたし、落ち込むことがほとんどないんです(笑)。もちろん壁にぶつかったり失敗することも多々あります。でも、たとえすごく辛い状況でも続けるか続けないか、やるかやらないかだと思うんです。そんなときどんなに辛くてもやらないとその先に進むことが出来ないですし、やっぱり、ひとつのことを続けて極めるのは大変なことだと思うんです。自分のやりたい好きなことを続けるために必要な試練なんだと思うと自然と頑張れます」

――ここぞというときにさりげなく手を差し伸べてくれるハルタのような男子はどう思います?

「ハルタってそれほど喋るタイプじゃないし頼りなさそうだけど、しっかりとみんなのことを見ていて、チカや仲間たちに何かあったときに人の気持ちが考えられるところはすごく素敵だなと思います」

――そんなハルタにキュンキュンする女子も多いと思いますが、橋本さんのキュンポイントは?

「やっぱりハルタのように困っているときに手を差し伸べてくれると“キュン”としちゃいますね」

――最後に、橋本さんの思う今作の見どころをお願いします!

「この作品はリアリティがものすごく出ていて、誰が観ても青春を思い出せると思います。キラキラした部分だけではなく、挫折を味わったり壁にぶつかったときの周りの仲間たちの支えや大切さが作品の中にたくさん詰まっているので、誰もが共感できる作品になっています。あと音楽がすごく素敵なので『ハルチカ』というひとつの映画が1曲の曲になって流れていくようなストーリーが見どころです。演奏シーンじゃないところでも音楽が流れていて、そこもすごくリズミカルだったり感動するところもあるので劇中の音楽にも注目して、たくさんの人に観ていただきたいです」

映画『ハルチカ』は、全国公開中!
©2017「ハルチカ」製作委員会

Photo by 竹内洋平

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