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老後2000万円問題に備え 堀潤らが投資教育の必要性説く


投資をより身近な存在に──ジャーナリストの堀潤とじぶん銀行の臼井朋貴社長、auカブコム証券の斎藤正勝社長が12日、ホテル日本橋サイボー(東京・日本橋)で「2019年に反響があった金融ニュース」について鼎談した。

テーマは「老後2000万円問題」「消費増税」「FinTech(フィンテック)」の3つのニュース。

まずは「年金だけでは生きていけないのか」と世間を不安にさせた老後資金2000万円問題について。臼井社長は「2000万円という数字がひとり歩きしてしまった。実際にこの額が必要かどうかはその人次第」と見解を示す。先行きが見えないからこそ、早めに長期的な投資に取り組むべきでは、と話した。

「今後、金融教育の必要性は高い」と3人の意見は一致。日本では義務教育で金融を学ぶ機会は少なく、欧米のように投資などが身近でない現状を述べる。

少子高齢化が進む中、若年層は限られた資金で資産運用できるのか。臼井社長は「お金の話をするのが上品でない、というイメージが日本は強い。昔は定期預金に高い金利がついたし、土地の値段も上がっていた。何もせずとも資産が形成できていた」とかつての背景を話し、時代が変化したからこそ金融教育が必要だと説いた。

斎藤社長は、教育以前に「日本人はリスクに拒否反応が必要以上に強い」と言う。リスクを恐れるあまり停滞を招く現状に「人生と同じで投資の失敗も必ずある。失敗を前提に長い目で見ることが必要」と述べた。そのため、現金ではなくポイントを原資として運用が体験出来る「ポイント運用」がお勧めだと話した。同サービスは、au WALLETアプリ内で提供されており、投資信託を運用しているのと同じように値動きが体験できるという。

その他、今年10月からの消費増税が消費に与える影響については、キャッシュレス還元によりIT・ソフトウェア産業の注目度が高まるとの話も。キャッシュレスに関わるフィンテック領域については斎藤社長から「既存の金融機関がテックを使い異業種に参入するような『逆フィンテック』が出てくるかも」という興味深い意見も出た。

不景気といわれる中、2020年に向け臼井社長は「お客様の意見に耳を傾けて面白いサービスをつくっていきたい。それに社会貢献活動についても、今まで以上に真剣に取り組みたい」と意欲を見せた。斎藤社長は「私たちは手数料競争をしているつもりはない。資産形成ビジネスに取り組むべく、絶対的なパフォーマンスを追求する新システムサービスを進めている。他の金融機関などに“ケンカ上等!”と言ってみたい」と笑った。

<関連サイト>
「じぶん銀行」公式サイト
https://www.jibunbank.co.jp