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「SDGs×エネルギー」を全国の大学生たちがプレゼン!


イノベーション(変革)を「エネルギー」という視点で読み解くことで未来を考えてゆくメディア、EMIRAは22日、早稲田大学日本橋キャンパスWASEDA NEOにて、EMIRA×PEPのビジネスアイデアコンテスト企画「EMIRAビジコン2020エネルギー・インカレ」を実施した。

本大会は、イノベーション(変革)を「エネルギー」という視点で読み解くことで未来を考えていくメディア「EMIRA」と、13大学が連携する5年一貫の博士人材育成プログラム「パワー・エネルギー・プロフェッショナル育成プログラム(以下、PEP)」が共催。2030年までの達成をめざす「持続可能な開発目標(以下、SDGs)」に、エネルギービジネスの視点から挑戦するビジネスアイデアを全国の大学生・大学院生(高等専門学校生を含む)から募った。

この日は、全国から応募のあった168チームの中から、厳正な書類審査によって選ばれた5チームが本大会に出場。「SDGs×エネルギー」をテーマに、各チームが熱のこもったプレゼンテーションを展開した。EMIRA最優秀賞は、琉球大学の学生が受賞。発表内容を「EMIRA」で記事化されるという特典と、アマゾンギフト券 30万円分の賞品を獲得した。その他、KADOKAWA賞はGreen Energy(明石工業高等専門学校・奈良工業高等専門学校)チーム、TEPCO賞はK(金沢工業大学)チーム、優秀賞は椙山女学園大学のチームとプースカフェズ(北九州市立大学)チームが受賞した。

また、大会後、EMIRA最優秀賞を受賞した琉球大学の仲泊明徒さん、および今回の審査員の一人である東京電力ベンチャーズ株式会社代表取締役社長の赤塚新司氏にインタビューを行った。

<琉球大学・仲泊明徒さんインタビュー>

――最優秀賞を受賞した、今の率直な感想を聞かせてください。

仲泊:ビックリしたというのが一番ですが、すごくありがたいことだと思います。

――今回の仲泊さんのテーマである、「ブルーカーボン」に着目したきっかけはなんですか。

仲泊:沖縄出身ということもあり、海というものに思い至りやすかったのだと思います。そこから、「ブルーカーボン」「藻」というものが頭に浮かびました。「海藻が少ない地域で身が少ないウニが大量発生したが、廃棄キャベツなどを食べさせたら身が増えて美味しくなった」というニュースを見かけたこと等もあって、ウニと藻場、さらにエネルギーとが繋がって今回の研究に至りました。

――この研究の今後について、どのようにお考えですか。

仲泊:今後の展開についてはまだ具体的にイメージできていないのが正直なところですが、「ブルーカーボン」はまだまだ知名度が低く、取り組みが目立ちにくい分野であると個人的には思っています。まずは、今回の発表・受賞を機に少しでも「ブルーカーボン」が広まって、皆さんの関心が高まったら嬉しいです。

<赤塚新司氏インタビュー>

――SDGsの実現や新たなビジネスの創出について、学生のアイデアから何か感じるものはありましたか?

赤塚:やはり学生の皆さんって常日頃から”新しいことを何かやりたい“だとか”この不便さをなんとか解決したい“というすごくポジティブな発想がベースにありますよね。だからこそ、新しい技術や情報に触れた時に、”ひょっとしたらこんなことができるんじゃないか“という発想に繋がっていく。今日の発表を聞いて、新しいチャレンジを生み出すパワー、エネルギッシュなものをあらためて感じました。

――SDGs達成の目標となる2030年、日本はどのような姿になっているとお考えですか?

赤塚:エネルギー業界の話をすると、資源エネルギー庁でも2030年を目途に、電源構成に占める再生可能エネルギーの割合を現在の10数%から22~24%にすることを掲げており、再生可能エネルギーの普及・拡大が重要視されています。先行する海外の事例を見ても、日本も太陽光や風力を中心に再生可能エネルギーがもっと広がってくると思います。ここで、大事なポイントが「電池」です。家庭に送られる電気や、太陽光のように自家発電した電気を家で貯めることができると、様々な面で活用できます。エネルギーをシェアリングする取り組み等もどんどん増えていくでしょう。また、家を借りる人に家具・家電だけでなくエネルギーまでも全部セットで提供することで快適な環境を生み出すといった、サブスクリプションのようなものも今後もっと広がっていくんじゃないかなと感じています。

――最優秀賞を受賞したアイデアの優れていた点について教えてください。

赤塚:一つの「藻」というものに着目しながら、「ブルーカーボン」という新たな仕組みを取り入れていこうとするチャレンジブルな発想や、ウニの養殖やバイオマス燃料への展開等、一石三鳥にも四鳥にもなる組み合わせでビジネスを考えていこうというアイデアが、非常に素晴らしいと感じました。あと、仲泊さんご自身についても、一人で黙々と研究する覚悟・強さを感じました。彼は今後すごい人になるのではと期待させますし、応援したくなります。実現に向けて我々も一緒にできることがあったらチャレンジしたいと思っています。

――全国の大学生・大学院生に一言お願いします。

赤塚:2点あります。1点目は、アイデアを定量的に考える癖をつけてほしい。例えば、何人ぐらいの人がこのサービスを使えばこうなる、何年後ぐらいに実現できそう、といったことです。この意識を持つことで、皆さんの素晴らしいアイデアがビジネス化するまでの時間を短縮できると思います。2点目は、皆さんがワクワクする“こんなことできたらいいな”という発想から出てきたアイデアを大事にしてほしい。我々はできない理由を探したり、答えありきでどうやるかという「HOW」の議論に入ったりしてしまいがちなのですが、皆さんにはぜひ、何をやりたいかという「WHAT」の部分を常に考えてほしい。分からないことがあれば我々のような企業や経験者に聞いてくれれば、定量的なところをどんどん固めることも出来て、いいものになっていくと思います。我々としても、学生さん特有の柔らかいアイデアを組み合わせることは大事だと思いますので、是非どんどんチャレンジしてほしいです。

<関連サイト>
「EMIRA」
https://emira-t.jp/