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田辺誠一インタビュー! 身勝手な“モンスター市民”は「心が孤独だから」


ムカつく上司、理不尽な顧客、身勝手な知人や家族……世の中には納得いかないことがあふれている。
そんなイライラをスカッと吹き飛ばすストレスフル・ジェットコースタードラマ『とげ 小市民 倉永晴之の逆襲』(フジテレビ系)が、10月8日より全国ネットで放送中だ。本作は、俳優・田辺誠一演じる主人公の倉永晴之(くらながはるゆき)が、様々な不条理に立ち向かうというもの。ペットのアロワナが唯一の相談相手、市役所勤めで「小市民」の倉永が、はたして“モンスター市民”を相手にどのように挑むのか……? Entame Plexは主演の田辺にドラマの魅力や意気込みを聞いた。

――『とげ 小市民 倉永晴之の逆襲』はどのようなドラマですか?

「ストレスフル・ジェットコースタードラマと銘打つ通り、スピード感のあるドラマです。いまがネット時代ということもあり、情報の速度が速く、ドラマもなかなかじっくり見ていただけない環境じゃないですか」

――そうですね。

「このドラマは展開がスピーディでテンポよく、予想できない展開もどんどん起きるので、いまの世のなかの感覚で飽きずに見ることができると感じています。それに、皆さん誰しもが抱えているストレスに共感したり、主人公が爆発するところでスッキリしてもらったり、楽しめる内容になっていると思いますね」

――主人公・倉永は弱気な性格から様々なトラブルに巻き込まれていきます。倉永と自分をくらべてどうですか?

「似た部分はあると思います。僕も普段はおどおどしているところがあるので。小市民な点は同じです。わりとすっと役に入っていくことができました」

――ドラマが進んでいくうちに対立を深める市長・常磐栄太役の鹿賀丈史さんの印象はいかがですか?

「エネルギーがありますよね。舞台をやられていたかたなので、ドーンときます。声も通りますし、背も高いし。撮影はまだまだ続きますが、これからどんどんやりあっていかなければと思うと……」

――怖いですね。

「怖いです」

――市役所がドラマの舞台ですがいかがでしょうか?

「ドラマでは市民からいろいろ苦情を言われたり、所内でも派閥があったりと数々の『とげ』が刺さっています。これまで市役所について考える機会もあまりなかったので面白いですね。市民ひとりひとりの『楽しく幸せになりたい』を陰ながらサポートしている場なんだな、と実感しました」

――末端ながらも行政を担っている部分もありますね。

「はい。倉永は市民生活部・市民相談室で奮闘していますが、その先には都議会や国会がちゃんとあるわけですよね」

――現在、行政に関して様々な問題が取りざたされていますが、役を通したご自分の立場で、どのような対応をすると思いますか?

「僕らってひとりじゃ生きていいけないじゃないですか。でも、人と人が関わることで何かしらの問題が発生しますよね。でもどちらかが間違っているというわけでもない。そうしてからまった糸を小さなことからシンプルで健康的に解決していくしかないのかなぁ……。むずかしい問題ですよね」

――確かに。

「このドラマの根底にあるテーマですが、誰かが何かひとつ間違ったことをしても、その人の全人格を否定はしないんです。そうした『戦いかた』っていうのは独自な感じがしますね。お互いが良くなっていくためのぶつかりというか」

――善悪でバッサリ切り捨てる内容ではないと。

「完全な悪人ってなかなかいないと思うんですよ。一見変に見える人でもそこには何かしらの理由があって。その部分を攻撃するのははたして正しいことなのか、とも思います」

――トラブルを起こす人は「モンスター〇〇」なんて称されますね。

「個人的に感じることとして、いまの世の中の風潮で間違ったことをしたとされる人たちをここまで責めるべきものなのか、とも感じるんです。あくまで人間として認めてあげて、お互いにいい方向に進むために解決するようにしないと。正義を押し付ければ、際限なく相手を追いつめてしまうことを自覚しないといけない気もします。そんなところも作品を通して表現していきたいですね」

――この物語は倉永が「小市民のヒーロー」になっていきますが、田辺さんにとってのヒーローは?

「子どものころは野球が好きで、やっぱり王貞治さんですね。後楽園球場に年間50試合は見に行っていましたから。完全なるヒーローです」

――いまは亡き後楽園球場というのがいいですね。

「はい。外野席の肉うどんが非常においしいかったです」

――ドラマでは倉永の精神的な変化も見どころのひとつだと思いますが、ご自身でここを変えたいな、と考える部分はありますか?

「画力の向上でしょうか。積極的に。好きで書いていて楽しいんですけど、『ヘタウマ』みたいに言われることが多くて……それはそれでうれしいんですけど、『ウマウマ』を目指したいです」

――ファンには「画伯」の名で知られる田辺さんですが、「ウマウマ」否定派もいそうですね。

「Twitterで『うまくなったら画伯返上だ』って書かれていて。画伯の定義ってなんだろうか……と」

――(笑)。ドラマでは、倉永がいろいろな人から攻撃を受けます。田辺さんは人から相談を受けることはありますか?

「うーん。あんまりないんですよね。僕から誰かに相談したりグチをこぼすこともないなぁ。たまに自宅で奥さんとワイン飲みながらしゃべったりするくらいでしょうか」

――倉永のようにストレスを感じることはありますか?

「実感はないですけど、なんだかんだ感じているんでしょうか。鈍感なだけなのかなぁ。以前別の作品のクランクアップ後に、『あの現場、大変だったよな』なんて話を聞いたりもするんですが、当時はまったく感じていなかったりもしたので。気づかない」

――では、タイトルの『逆襲』といった経験もあまりなさそうですね。

「そうですねぇ、性格的にブチ切れることがないもので。あ、昔ですね、喫茶店で食事をしたときのことですが、台本って役者にとって大切なものじゃないですか。でもウェイトレスさん、置く場所がなかったのか、台本のうえにお皿をポンって置いたんです」

――それはひどい! ブチ切れますよね!

「いえ。それでも言えなかったです」

――そうですか……。

「自分のなかで相当大切なことのはずですけど怒れなくて。倉永の切れっぷりを見習いたいですね(笑)」

オトナの土ドラ『とげ 小市民 倉永晴之の逆襲』は、毎週土曜日 23時40分より東海テレビ制作/フジテレビ系全国ネット(TOS・UMKを除く)にて放送中(※全8回予定)!

<関連サイト>
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