竹野内豊が苦しかった時代を語る「映画に心を救われてきた」
8月22日(土)、新宿バルト9にて映画「at Home」の公開初日舞台あいさつが行われた。
この映画は、泥棒や結婚詐欺など、振り返りたくない過去を持つ偽装家族5人が本当の幸せを求め奮闘する姿を描く。この日は、父親役の竹野内豊や妻役の松雪泰子をはじめ、坂口健太郎、黒島結菜、池田優斗といった「偽装家族」のキャスト、それに今作を監督した蝶野博氏が登壇した。
役作りについて、主演の竹野内は「家族の物語でありながらも血縁がないということで、実際に父親の経験もないですし。大黒柱ではあるけど、そこに頼るな、との気持ちもありまして。そこにリアイリティを持たせられたらとの思いがありました」とコメント。
撮影はちょうど1年前に行われ、次男役の池田が当時より身長が4~5センチ伸びたという。竹野内は「(撮影中)さんざん『高い高い』をしましたけど、もう無理かな」と、月日の流れを感じているようだ。さらに竹野内は「スタッフ含め現場の雰囲気はすごくよかった。『もう少し一緒にいたいな』と思うところで撮影が終わってしまったので、今回のつながりがこの映画だけに終わらず、また一緒にできたらいいなと思う」と感想を述べた。
松雪は暴力を振るわれるバイオレンスなシーンもあったそうだが、「『家族』みんなが見守ってくれたので、肉体的にはハードだったんですが充実した撮影となりました」と、当時を振り返った。
長男役の坂口と竹野内が激しくぶつかり合うシーンに関して、坂口が「色々と考えたが、(撮影が)いざはじまり竹野内さんの芝居を肌で感じていると自分のなかの感情がすっと出てきた」と語ると、竹野内は「彼(坂口)の瞳には真実が宿っていて、ぶつかってくる。小手先ではない気迫を感じた」と称賛。お互いほめ称える状態に、ふたりは笑いながら見つめ合い、その奇妙な間に会場からは爆笑が起こる。
蝶野氏は撮影最終日、合間に竹野内と坂口が将来について話し合っている姿が印象に残ったという。「『君は将来、どういう役者さんになりたいんだ』『俺が若いときはこんな失敗をした』とか。本当の親子みたいだとひしひし感じた」とのことだ。
このエピソードに触発されたのか、竹野内は最後のあいさつを求められると「自分も、まだ見ぬ未来、どこに向かっていったらいいのか、なかなか希望が見つけ出せなかったり、悔しい思いをした時代があったんです。でもその度に映画というものに心を救われてきました。ずいぶんと色々な映画を観てきたんですけど、それらの時間は成長過程において大切なものだったな、と思って」と映画への思いを口にした。
さらに竹野内が「この映画が、皆さんの心のなかに映るといいなと思っております」と場を締めくくると、会場からは割れんばかりの拍手が起こった。
(c)映画「at Home」製作委員会
「at Home」 http://athome-movie.com
竹野内豊が泥棒、松雪泰子は結婚詐欺師……映画「at Home」の予告編が解禁 https://www.entameplex.com/archives/21271