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監督、俳優、経済ジャーナリストが伝える人生の教訓

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1月14日、映画「東京難民」の大学生限定試写会が都内で行われ、佐々部清監督、主演の中村蒼、さらにはゲストとして経済ジャーナリストの木暮太一氏がステージに登場した。

今作は、中村蒼演じる時枝修が大学を除籍されホームレスへと転落、底辺にまで落ちていく姿を描いている。作品に対して佐々部清監督は
「この原作の若者も落ちていくなかで夢が語れない。それがいまの日本であり、変えていかないといけないと思う。そのきっかけになれば」
と語り、主演の中村蒼も
「いままで(こういった世界は)どこか別世界だと思っていたけど、これは自分にもありえる話。以前より危機感を持ちました」
と映画に対してコメント。

イベントの前半は、佐々部清監督と中村蒼が今作について語り、後半からは木暮太一氏も参加。そんな小暮氏は本作に対して開口一番「一言で言うとすごくリアル」と感想を述べ、その後に
「主人公は大学生ですが、これはいまの社会人にもあてはまる話。特にフリーランスの僕にとっては、有り得ない話ではない。底なしにはまりがちだし、改めて気に引き締めていかないとと思いましたね」
と話していた。そんな小暮氏のコメントに対して佐々部清監督も
「じつはいま僕は、次の作品の糸口がまだ見つかってなくて無職。東京難民に近い(笑)」
と笑いを誘いつつ
「映画の社会もいま格差社会。監督としてどう生き残っていくか、がんばらないと」
といまの映画業界に関しても言及していた。

また、トークショウの後には、会場に訪れた大学生からの質問や感想もあがり、学生からの底辺に落ちないためには、という質問に対して3人がコメント。
「自分で底辺、最終ラインをきめて、保険をかけておくことが大事ですね。借金をしない、大学をやめないとか、1つのラインを決める。ただし、そのラインの見極めは一生懸命考える必要がありますね」(木暮太一氏)
「友だち、家族もそうだけどコミュニケーションできる人を持つこと。僕がかつて救われたのは相談できる友だちがいたから。彼らとはいまでも飲んでます」(佐々部清監督)
「かつてオーディションに落ちまくっていたとき、人のせいにすることが多かった。でも、そうではなく自分のことを知ることが大事だと思います」(中村蒼)
と三者それぞれ見解を大学生にアドバイスし締めくくった。

映画「東京難民」は、2月22日より、有楽町スバル座ほかにて全国ロードショー。
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(C)2014「東京難民」製作委員会

<関連サイト>
「東京難民」 http://tokyo-nanmin.com/