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市村正親、仲間由紀恵らも感動、映画「ジョパンニの島」公開

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2月22日、アニメ映画『ジョパンニの島』が公開となり、新宿ピカデリーで原作・脚本をつとめる杉田成道、そして吹き替えの声優を担当した仲間由紀恵、市村正親らが登壇した。

“領土”というワードを耳にした瞬間、それまでニコニコと話していた顔が曇る。なかには怒りだす人もいる。現在日本にとって、北方四島や尖閣諸島をめぐる領土問題というものはとてもセンシティブな話題といえるだろう。『ジョパンニの島』は北方四島のひとつ、色丹島(しこたんとう)を舞台に、島に住む2人の少年とソ連の少女のこころの交流などを描いた作品。なぜいまこの物語を制作したのか? 杉田成道は「国と国との契約というのはとてもむずかしいことだ。それでも、どんな過酷な状況でも、子どもたちというのはそこに遊びを求め、ふれあって、夢へのエネルギーをもって時代を越えていく。この作品にこめられた、そんな“人と人との交流”の大切さを10年、20年かかってもバトンのように渡していきたい」と語る。さらに、国家や民族という集団を越えた絆。実際にあったこの出来事は「(意識を変えていく)突破口になるのかもしれない」と杉田さんはコメント。

テレビドラマ『北の国から』シリーズの演出家として知られている杉田だが、いつかは誰かがやらなくてはならないテーマ、と実写映画の可能性を模索するも、島での撮影許可が下りないなど、さまざまな理由から断念し、今回アニメーションとしての実現に舵を切りなおすことになったそうだ。物語は第二次世界大戦が終わりを告げた1945年。ソ連が色丹島を占領することで島民の財産は奪われ、学校では日本とソ連の子どもたちの教室がならぶという異例の事態になった。「ソ連兵が教室にやってくるシーンはまったく映画のまま。ヒザがふるえた」と、仲間由紀恵が声を演じる教師役のモデルとなった女性は言う。
「音楽の授業のシーンで、日本とソ連の子どもたちがもりあがって歌合戦になっていくんです。子どもたちは流されず自分たちの純粋な気持ちと好奇心、それだけで手を取りあい、仲良くなることができる」仲間が気に入っているというこの場面は、作品のテーマを象徴した一幕だ。また、主人公の父親役を演じた市村正親も印象的なシーンだと同感し「大人たちも垣根を越えて仲良くならないとね」と提言していた。

映画「ジョパンニの島」は、現在公開中。

<関連サイト>
ジョパンニの島 http://wwws.warnerbros.co.jp/giovanni/