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川口春奈インタビュー! “世代を超えてきっと刺さる”


“ジャンル問わずいろんな作品に出たい”“自分の殻を破る作品に出会いたい”
そう語るのは、女優の川口春奈。
デビューから今年で10年を迎える彼女は、女優として一歩ずつ着実に歩を緩めることなく前進している。

そんな彼女が“公開まで待ち遠しかった”と話す主演映画『一週間フレンズ。』が全国で公開中! シリーズ累計170万部突破の人気コミックが原作とあって、これまでにもテレビアニメ化や舞台公演も行われてきたが、今回、川口と山﨑賢人のW主演で満を持して実写映画化。ふたりが奏でるピュアなラブストーリーは、劇場で多くの感動を呼んでいる。
一週間で友達のことを忘れてしまう記憶障害を持つ少女という難役に挑んだ川口に、その香織役を通して感じたことや本作の見どころ、そして女優としてのこれから、など話を聞いた。

――『一週間フレンズ。』がようやく公開となりましたが、今のお気持ちは?

「公開まで待ち遠しかったです。ようやくたくさんの人に観ていただけると思うとすごく嬉しいですし、作品を観てどう感じてくれるのか楽しみです」

――今回演じた香織は記憶障害を持つ難しい役どころだったかと。

「もちろん原作も読ませていただいたのですが、ここは絶対(原作に)寄せようという感覚で読むのではなくて、ストーリーや香織のキャラクターをピックアップしただけで、特別何かをしたということはなかったですね。ただ、役について考えたり向き合う時間というのは今回増えたと思いますし、シーンによってみんなとの関係性や雰囲気が変わるので、そこは現場での空気を感じ取りながら演じました」

――香織のキャラクターに共感できる部分はありましたか?

「自分とは全く違う人物像なので、共感というよりも違う捉え方になってしまうかもしれません……。香織の思うこと、いち女の子としての弱みや学生時代にある恋模様だったり友達関係というのは誰もが観て懐かしいなと共感していただけるのではと思います。そういうシーンやシチュエーションも多いので自分も学生だったころのことを思い出したりしました」

――少しずつ変化していく長谷くんとの距離感、香織が明るさを取り戻していく様を表現するのは難しかったのでは?

「すごく繊細でデリケートなキャラクターで、表情がはっきり変わるような子でもないし、物事をハキハキと言うタイプでもないので、そういう微妙なニュアンスやテンションの変化だったり、成長の過程を演じ分けるのは難しかったです」

――劇中に登場する男性キャラクターでタイプはいますか?

「みんな弱い一面があったり人間臭かったり個性的なキャラクターをしていますよね。それぞれ魅力的なところがあって好きですし、ひとりだけを選ぶのは難しいです(笑)」

――W主演をつとめた山﨑賢人さんの印象は?

「この作品で初めて共演したんですが、自分自身を追い詰めてすごくストイックに頑張っているなという印象でした。同い年ですごく刺激を受けましたし、現場で一緒にいてとても楽しかったです。それは長谷くんのキャラクターとも通ずる部分なのかもしれませんが、“この人に付いていきたい”“この人のために頑張りたい”と思わせてくれるようなチャーミングで憎めない人でした」

――山﨑さんをはじめ、共演者は同世代も多く和気あいあいな現場だったそうですね。

「学園モノならではの雰囲気と言いますか、みんなでワイワイ楽しみながらも、お芝居のときはスイッチを入れてそれぞれが今やるべきことを全力でやるというメリハリのある現場でとても刺激的でした。学園祭やランタン祭りのシーンなど、自分が学生だったころやプライベートでも経験したことのないシチュエーションが多かったので、それを同世代のみんなで純粋に楽しめたことはとても印象に残っています」

――ランタン祭りのシーンは夏の設定でしたが、実際は真冬の撮影だったとか。

「外での撮影だったので、寒さだけでなく風もあったりして思うようにランタンがうまく上がらなかったり……限られた時間のなかいろいろと苦労しましたけど、大変だったぶんみんながひとつになれたシーンだったと思います」

―― “交換日記”は物語のキーとなる重要なアイテムでした。SNSが主流の昨今、アナログならではのあたたかさを感じました。

「交換日記は世代に関係なく素敵だなと思うのではないでしょうか。相手のことを考えながら1文字1文字丁寧に書いて直接渡すというあたたかみ、そして何より気持ちがこもっているということは、忘れちゃいけないなって思います。携帯などの便利さとはまた違って、口に出して直接言えないことも紙に書くことで何となく伝えられたりせつないけどキュンとくる……いいなと思えるひとつの魅力なのかなとも思います。想いを伝えるひとつのツールとして家族や友達とやってみるのもおすすめですね」

――先に学校を卒業した先輩として、今学生の皆さんに伝えたいメッセージはありますか?

「それぞれ進路が違ったり離れ離れになることもありますが、学生のときの友達って大人になった今でもずっと繋がっていたり、何かあったときに悩みを相談し合ったり、共有できる大切でかけがえのない存在だと思うんです。今、学生時代をともにしている友達や先生との繋がりはずっと続いていくものだと思うので、大事にしてほしいです。学生生活って本当に今しかできないし、戻りたいと思っても戻れないので、勉強も遊びも恋愛も、今やりたいこと、楽しいと思うことを後悔のないように真剣にやるといいと思います」

――川口さんの思うこの作品の見どころは?

「高校での3年間というすごく大事な青春の時期に、長谷くんと出会って香織が少しずつ成長していく姿にも注目してほしいですし、みんなピュアで仲間のためを思って何とかしてあげたいと手を差し伸べたり……、そういう純粋でクリーンな心の作品を観て“いいな”と感じてもらえたら嬉しいです。もちろんキュンキュンするシーンもたくさんありますが、恋愛だけではなく、いつも自分の側にいて見守ってくれている友達や家族の大切さについて改めて考えさせられるような作品だと思います。みんな何かを抱えながら頑張っているというところも、世代を超えてきっと刺さると思いますし、そうした人間ドラマの要素が感じられるのもこの作品のひとつの見どころですね」

――デビューから10年と節目を迎えましたが、これからどんな女優を目指していきたいですか?

「今までと変わらず、気負うことなく楽しく、それでいてしっかりと向上心を持って一歩ずつスキルアップしていきたいです。作品や人とのご縁やタイミングもあると思いますが、ジャンル問わずいろんな作品に出たいですね。これまでに見せたことのないような自分の表情を見せていきたいですし、自分の殻を破る作品に出会えるように、もっと高めていきたいです」

©2017 葉月抹茶/スクウェアエニックス・映画「一週間フレンズ。」製作委員会

Photo by 竹内洋平

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