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円滑な事業承継の最大のポイントは「オープンマインド」


「中小企業サポーター」として事業保険に特化するエヌエヌ生命保険株式会社は、12月16日より、事業承継について話し合うことの大切さを描いたWEB動画「会話をしよう。未来に向けて。」を公開した。

本WEB動画では、「事業承継について話し合う大切さ」をコンセプトに、普段は何でも語り合える仲良し姉妹が、少し話しづらい家族が経営する会社の事業承継について、腹を割って真剣に語り合う姿が映し出されている。社長業から引退して長女を後継者にしたいと密かに考えている父、その父の思いを察し、事業承継や経営について長女と共に考えよう働かける次女、自分が経営をできるのか不安を抱えつつも前向きに事業承継を考える長女の3人が登場。会社経営だけでなく、従業員と家族を守っていくことの重要性について、再認識できるドキュメンタリー動画に仕上がっている。

WEB動画の公開を記念して、著書『0円で会社を買って、死ぬまで年収1000万円 (光文社新書)』などを執筆したことで知られる、事業承継デザイナーの奥村聡氏から、本動画の感想や、事業承継に関して、専門家の視点からのコメントが到着した。

――動画を見て率直にどう思いましたか?

奥村:「そうそう」と、うなずきながら動画を観ました。現場の仕事のことばかりが頭を占めて、経営的なことは全然考えていない中小企業の社長さんがたくさんいます。

――事業承継について家族で会話をする必要性についてどう思いますか?

奥村:とてもいいことだと思います。どうも事業承継の話となると、はれ物に触るような状況になりがちです。先代社長と家族や後継者が、じっくり、腹を割って話せないケースは多いようです。また、話をしたとしても、今度は不平不満ばかりの後ろ向きな話になってしまったり、誰かを責めるような話の展開になりがちです。動画のように建設的な話ができるといいと思います。

――これまでのお仕事経験から、事業承継と家族の会話について思い当たるエピソードはありますか?

奥村:先代社長は「子供に会社を継いでほしい」と内心では思っていました。しかし、それを言葉や行動に表せないプライドのようなものがあったのでしょう。そんな先代の態度に対し、子供は「自分は会社を継ぎたいけれど、社長は自分に会社を継がせたくないようだ」と受け取っていました。そして、「もう会社を辞めて他のところで働こう」と考えるほど思い詰めていました。私が関わることで両者の思い違いを修正することができましたが、タイミングが遅れたら悲しい結末になってしまったかもしれません。しっかり相手と向き合って話ができれば、こんなボタンの掛け違いは防げますね。

――円滑な事業承継のための最大のポイントは何だと考えますでしょうか?

奥村:先代社長の「オープンマインド」です。たとえば社長は、後継者候補の子供にすら情報を隠そうとすることがあります。「お金の流れや会社の数字を見られたくない」とか、「社内での主導権を手放したくない」といった考えがはらたいてしまうのでしょう。後継者がいない場合でも、困っていることを隠そうとコソコソするばかりで何の手も打てなかったりします。コンサルタントや専門家といった、しかるべき人への相談にも後ろ向きだったりします。こんな閉じた社長のマインドが、円滑な事業承継を止めてしまう原因になっています。

――普段のお仕事で事業承継を扱う際、最も多いトラブルはどのようなことですか?

奥村:借金に関するトラブルが多いところです。社長は会社の借金についての認識があまく、返済の実現性などが見えていないケースが多々あります。また、後継者のほうとしては、必要以上に借金や連帯保証を恐れて事業承継から逃げようとする場合があります。逆に、借金が大きく積み上がりすぎているのに、何も考えずに会社を継いでしまい、あっという間に経営破綻を迎えるケースもあります。事業承継前に借金と向き合い、正しく状況を認識してもらいたいところです。

――事業承継について家族内で十分な会話ができているご家庭は経験上どれくらいに感じられますか?

奥村:2割というところでしょうか。まったく話をできていないケースが多く、仮に話をしていたとしても、詰めるべきテーマを外してしまっているケースばかりです。

<関連サイト>
WEB動画『会話をしよう。未来に向けて。』
https://www.nnlife.co.jp/totsuzen